過体重・肥満へのセマグルチド、68週後の体重減16%/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2021/03/04

 

 非糖尿病の過体重または肥満の成人に対し、食事療法と強化行動療法に加えたセマグルチド2.4mgの週1回皮下投与は、プラセボ投与に比べ、長期68週間の統計学的に有意な体重減少をもたらしたことが示された。セマグルチド群では、68週後に体重5%以上減少の達成が9割近くに上り、また体重変化の平均値は-16.0%だった。米国・ペンシルベニア大学のThomas A. Wadden氏らが、611例を対象とした第III相無作為化二重盲検並行群間試験の結果をJAMA誌オンライン版2021年2月24日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「今回示された効果の持続性を評価するため、さらなる研究を行う必要がある」とまとめている。

薬物療法と、栄養士との対面カウンセリング30回の強化行動療法を併用

 研究グループは2018年8月~2020年4月にかけて、米国41ヵ所の施設を通じ、非糖尿病で過体重(BMI 27以上)+1つ以上の併存疾患または肥満(BMI 30以上)の18歳以上、611例を対象に、68週間の無作為化比較試験を行った。

 被験者を無作為に2対1の2群に分け、セマグルチド2.4mg(407例)またはプラセボ(204例)をそれぞれ週1回皮下投与した。両群に対し、試験開始後8週間にわたる低カロリー食事療法と、68週間にわたる強化行動療法(栄養士との対面カウンセリング30回など)を行った。

 主要エンドポイントは2つで、ベースラインから68週までの体重の変化と体重5%以上減少の達成率だった。副次エンドポイントは、ベースライン体重からの10%以上または15%以上減少の達成率などだった。

セマグルチド群の約56%が体重15%以上減少を達成

 被験者611例の平均年齢は46歳(SD 13)、495例(81.0%)が女性、平均体重105.8kg(SD 22.9)、平均BMI 38.0(SD 6.7)だった。試験を完遂したのは567例(92.8%)、試験終了時に505例(82.7%)が治療を受けていた。

 68週時点で、ベースラインからの推定平均体重変化は、セマグルチド群-16.0%、プラセボ群-5.7%だった(群間差:-10.3ポイント、95%信頼区間[CI]:-12.0~-8.6、p<0.001)。

 体重5%以上減少の達成率は、セマグルチド群がプラセボ群と比べて有意に高かった(86.6% vs.47.6%、p<0.001)。体重10%以上減少、15%以上減少の達成率も、それぞれ75.3% vs.27.0%、55.8% vs.13.2%と、いずれもセマグルチド群で有意に高率だった(いずれもp<0.001)。

 胃腸系の有害イベントの発現頻度が、プラセボ群(63.2%)に対しセマグルチド群(82.8%)で高率だった。有害イベントによる治療中断はセマグルチド群3.4%、プラセボ群0%だった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 小川 大輔( おがわ だいすけ ) 氏

おかやま内科 糖尿病・健康長寿クリニック 院長

J-CLEAR会員