大・小血管疾患による脳卒中を呈した患者において、植込み型心臓モニタ(ICM)によるモニタリングの実施が、12誘導心電図やホルターモニタなどの通常ケアと比較して、12ヵ月間にわたる心房細動(AF)検出率が7.4倍有意に高かったことが、米国・ノースウェスタン大学のRichard A. Bernstein氏らによる無作為化比較試験「STROKE-AF試験」の結果、報告された。同患者ではAFリスクが高いと見なされておらず、AF発生率も不明であった。JAMA誌2021年6月1日号掲載の報告。
12ヵ月間の30秒以上持続した心房細動の発症を比較
STROKE-AF試験は、2016年4月~2019年7月にかけて、米国33ヵ所の医療機関を通じて496例を対象に開始され、追跡は2020年8月まで行われた。被験者は、脳卒中リスク因子が1つ以上あり、過去10日以内に大・小血管疾患による脳卒中を呈した60歳以上または50~59歳の患者を適格とした。
研究グループは被験者を無作為に2群に分け、一方にはICM挿入を(ICM群242例)、もう一方には、12誘導心電図やホルターモニタ、テレメトリー、発作時心電図記録計といった通常の心臓モニタリングを行った(対照群250例)。
主要アウトカムは、12ヵ月間の30秒以上持続したAF発症だった。
AF検出率、対照群1.8%に対しICM群は12.1%
無作為化を受けた492例は、平均年齢67.1(SD 9.4)歳、女性185例(37.6%)で、12ヵ月間の追跡を完了したのは417例(84.8%)だった。CHA
2DS
2-VAScスコア中央値は5(四分位範囲:4~6)だった。
12ヵ月時点でAFが検出された患者は、ICM群27例(12.1%)、対照群4例(1.8%)だった(ハザード比:7.4、95%信頼区間:2.6~21.3、p<0.001)。
ICM群の221例において、ICMの挿入に関連した有害事象が報告されたのは4例(1.8%)だった(創感染1例、切開部出血2例、挿入部痛1例)。
これらの結果を踏まえて著者は、「さらなる研究を行い、大・小血管疾患による脳卒中を呈した患者で、AFを特定する臨床的重要性を解明する必要がある」と述べている。
(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)