60歳以上の4回目ファイザー製ワクチン、感染・発症予防効果は/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2022/04/25

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の4回目接種は、4ヵ月以上前に受けた3回目接種と比較して、接種後30日までのCOVID-19関連アウトカムの改善に有効であることが示された。イスラエル・Clalit Research InstituteのOri Magen氏らが、同国の半数超の国民が加入する健康保険データを基に解析して報告した。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のB.1.1.529(オミクロン株)による感染が拡大するとともに、COVID-19ワクチンのブースター接種(3回目接種)後の免疫減弱が示されており、いくつかの国では高リスク者への4回目接種が開始されている。NEJM誌オンライン版2022年4月13日号掲載の報告。

4回目接種者vs.マッチング3回接種者、それぞれ約18万2千人について解析

 研究グループは、イスラエル最大の医療保険組織「Clalit Health Services」のデータベースを用い、同国でオミクロン株が優勢であった2022年1月3日~2月18日のデータを解析した。対象は、60歳以上で研究期間中に4回目接種を受ける資格があり(すなわち、少なくとも4ヵ月前に3回目接種済み)、SARS-CoV-2感染歴がない人である。

 研究期間の各日に4回目接種を受けた人(4回目接種群)、ならびに4回目接種者と交絡因子(年齢、性別、居住区等)がマッチした同日時点でまだ4回目接種を受けていない人(対照群)について、マッチングした日からSARS-CoV-2感染、死亡、30日間、2022年2月18日、または対照者が4回目接種を受ける日のいずれか早い日まで追跡した。

 主要評価項目は、PCR検査で確認されたSARS-CoV-2感染、症候性COVID-19、COVID-19関連入院、重症COVID-19およびCOVID-19関連死である。4回目接種後7~30日目および14~30日目の2期間について、4回目接種の相対的有効性を解析した。解析対象は、適格基準を満たした4回目接種群18万2,122例、対照群18万2,122例であった。

4回目接種、入院・重症化・死亡に高い効果、感染・発症予防効果は45~55%

 4回目接種後7~30日目の相対的有効率は、PCR検査で確認されたSARS-CoV-2感染に関して45%(95%信頼区間[CI]:44~47)、症候性COVID-19が55%(53~58)、COVID-19関連入院が68%(59~74)、重症COVID-19が62%(50~74)、COVID-19関連死が74%(50~90)であった。

 4回目接種後14~30日目における相対的有効率は、SARS-CoV-2感染52%(95%CI:49~54)、症候性COVID-19が61%(58~64)、COVID-19関連入院72%(63~79)、重症COVID-19が64%(48~77)およびCOVID-19関連死76%(48~91)であった。

 4回目接種後7~30日目における絶対リスク差(3回接種vs.4回接種)は、COVID-19関連入院が180.1例/10万人(95%CI:142.8~211.9)、重症COVID-19が68.8例/10万人(48.5~91.9)であった。

 パラメトリック・ポアソン回帰を用いた感度分析の結果、SARS-CoV-2感染に対する相対的有効率推定値は主要解析と類似していた。

(ケアネット)