18歳未満のCOVID-19関連MIS-C、絶対リスクは?/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2022/04/28

 

 デンマークの18歳未満の小児/青少年において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染後の有害疾患の絶対リスクは概して低いが、RT-PCR検査で確認されたSARS-CoV-2感染者の0.05%(32/7万666例)に小児多系統炎症性症候群(MIS-C)が認められ、さらに感染者における急性期後の一般開業医受診割合がわずかに増加していることから、症状が持続している可能性があることを、南デンマーク大学のHelene Kildegaard氏らが報告した。これまで、小児/青少年のSARS-CoV-2感染による入院、集中治療室(ICU)入室、死亡および免疫介在性合併症の発生率は研究によって異なっていた。なお、本研究では18歳未満におけるBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の有効性についても検討され、デルタ株流行期において感染リスク低減に有効であることが示されている。BMJ誌2022年4月11日号掲載の報告。

デンマークの18歳未満の約115万人について調査

 研究グループは、デンマークの小児/青少年におけるSARS-CoV-2感染に続発する急性期および急性期後の有害疾患リスクを評価するとともに、BNT162b2ワクチンの有効性を評価する目的で、デンマークの患者、処方、健康保険およびワクチン接種に関する全国登録を用いたコホート研究を実施した。

 対象は、2021年10月1日までにSARS-CoV-2のRT-PCR検査を受けたか、または同日以前にBNT162b2ワクチンの接種を受け、かつ同年10月31日以前に追跡調査を完了した18歳未満のすべての小児/青少年である。

 評価項目は、入院(12時間以上)、ICU入室、MIS-C・心筋炎・神経免疫疾患などの重篤な合併症、および検査後6ヵ月までの薬物治療開始と医療機関受診のリスクとした。また、ワクチンの有効性について、ワクチン接種者ならびにマッチングした非接種者の、1回目接種20日後ならびに2回目接種60日後のリスク比を算出し、1-リスク比として評価した。

 2021年10月1日時点で、デンマークにおける18歳未満の小児/青少年は115万1,849人であった。

心筋炎や脳炎は認められず

 SARS-CoV-2のRT-PCR検査を受けた小児/青少年は99万1,682例で、このうち7万4,611例(7.5%)が陽性であった。感染判明後30日以内の入院の絶対リスクは0.49%(361/7万4,350例、95%信頼区間[CI]:0.44~0.54)、ICU入室の絶対リスクは0.01%(10/7万3,187例、0.01~0.03)であった。

 また、感染判明後2ヵ月以内のMIS-Cの絶対リスクは0.05%(32/7万666例、95%CI:0.03~0.06)であったが、心筋炎や脳炎は認められず、ギランバレー症候群は5例未満であった。急性期後(感染後1~6ヵ月)においてSARS-CoV-2感染者は、調査期間中にSARS-CoV-2検査を受けた全小児/青少年から抽出した参照コホートと比較し、一般開業医の受診が1.08倍(95%CI:1.06~1.10)増加することが示された。

 BNT162b2ワクチンの接種を受けた小児/青少年は全体で27万8,649例であった。デルタ株が優勢な時期において、ワクチン未接種者と比較し接種者のワクチン有効率は、1回目接種20日後(22万9,799例)で62%(95%CI:59~65)、2回目接種60日後(17万5,176例)で93%(92~94)であった。

(ケアネット)