インフル家庭内感染率、コロナ流行前の2.31倍に/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2023/02/09

 

 米国5州のコホート試験で、2021-2022インフルエンザシーズン中のインフルエンザA(H3N2)ウイルス家庭内感染率は50.0%と、2017~20年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック前のシーズン(2017-2018、2018-2019)の同感染率20.1%に比べ、家庭内感染リスクは有意に上昇(2.31倍)していたことが報告された。米国疾病予防管理センター(CDC)のMelissa A. Rolfes氏らによる検討で、著者は「さらなる検討を行い、関連性の要因を明らかにする必要がある」と述べている。JAMA誌オンライン版2023年1月26日号掲載の報告。

感染者の同居家族、インフルエンザ検査を5~10日間実施

 研究グループは、2021-2022インフルエンザシーズン中の家庭内インフルエンザ感染リスクと、COVID-19パンデミック前のインフルエンザシーズン中の同リスクを比較する前向きコホート試験を行った。

 COVID-19パンデミック前シーズンの米国内2州(テネシー、ウィスコンシン)と、2021-2022シーズン中の4州(テネシー、アリゾナ、ニューヨーク、ノースカロライナ)を対象とした。

 家庭内で最初に検査で確定されたインフルエンザA(H3N2)ウイルス感染者を1次症例とし、同居する家族には試験登録後5~10日間にわたり、毎日の自己採取による鼻腔ぬぐい液でインフルエンザウイルス遺伝子検査を実施するとともに、症状に関する日誌を記録してもらった。

 主要アウトカムは、COVID-19パンデミック前シーズンと比較した2021-2022シーズン中の家庭内での検査確定インフルエンザA(H3N2)ウイルス感染の相対リスクだった。リスクは、年齢、ワクチン接種状況、1次症例との接触頻度、家庭内密度により補正し推算した。また、年齢、ワクチン接種状況、1次症例との接触頻度別のサブグループ解析も行った。

家庭内感染率、COVID-19パンデミック前は20.1%、パンデミック後は50.0%

 解析には、COVID-19パンデミック前シーズン中の1次症例152例(年齢中央値13歳、女性52.0%、黒人3.9%)と同居家族353例(33歳、54.1%、2.8%)、2021-2022シーズン中の1次症例84例(10歳、52.4%、13.1%)と同居家族186例(28.5歳、63.4%、14.0%)が含まれた。

 COVID-19パンデミック前シーズン中に、1次症例からインフルエンザA(H3N2)に感染した同居家族は20.1%(71/353例)だったのに対し、2021-2022シーズン中は50.0%(93/186例)だった。

 2021-2022シーズンのCOVID-19パンデミック前シーズンに対する、インフルエンザA(H3N2)ウイルス家庭内感染の補正後相対リスクは2.31(95%信頼区間[CI]:1.86~2.86)だった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)