コロナ2価ワクチンのブースター接種、安全性が示される/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2023/08/17

 

 50歳以上の成人において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する4回目ブースター接種ワクチンとしてのオミクロン株対応2価mRNAワクチンは、事前規定の27種の有害事象に関するリスク増大との関連は認められなかったことが、デンマーク・Statens Serum InstitutのNiklas Worm Andersson氏らによる同国の50歳以上の接種者を対象に行った試験で示された。BMJ誌2023年7月25日号掲載の報告。

接種後28日間の27種の有害事象による病院受診率を評価

 研究グループは2021年1月1日~2022年12月10日に、COVID-19ワクチンを3回接種した50歳以上の成人222万5,567人を対象とするコホート試験を行った。

 主要アウトカムは、オミクロン株対応2価mRNAワクチンの4回目ブースター接種後28日間(主要リスク期間)の27種の有害事象による病院受診率で、同ワクチン3回目あるいは4回目接種後29日以降(参照期間)の同受診率と比較した。

27種の有害アウトカムいずれも増大せず

 2価mRNAワクチンの4回目接種者は、174万417人(平均年齢67.8[SD 10.7]歳)だった。

 2価mRNAワクチンの4回目接種は、参照期間と比較して、主要リスク期間の全27種の有害アウトカムの統計学的に有意な増大と関連していなかった。たとえば、虚血性心イベントの発生件数は、主要リスク期間で672件、参照期間では9,992件で、発生率比は0.95(95%信頼区間[CI]:0.87~1.04)だった。

 年齢や性別、ワクチンタイプに基づく解析や、別の解析手法を用いた場合でも、同様の結果が得られた。

 ただし事後分析で、心筋炎のリスクが検出されたが(女性被験者では統計学的に有意に関連)、発現はまれで少数の症例に基づく所見だった。また、脳梗塞リスクの増大はみられなかった(主要リスク期間644件vs.参照期間9,687件、発生率比:0.95、95%CI:0.87~1.05)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)