切除不能な局所進行または転移のある胃・胃食道接合部がんの1次治療において、化学療法へのsintilimabの上乗せはプラセボと比較して、すべての患者およびPD-L1複合陽性スコア(CPS)5以上の患者の全生存期間(OS)を有意に改善したことが示された。中国・Chinese PLA General HospitalのJianming Xu氏らが同国の62病院で行った第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「ORIENT-16試験」の結果を報告した。胃・胃食道接合部がんと診断される人は、世界で年間100万人以上に上るが有効な治療はほとんどない。sintilimabは、プログラム細胞死1(PD-1)に結合する組換えヒトIgG4モノクローナル抗体で、化学療法との併用による有望な有効性が示されていた。JAMA誌2023年12月5日号掲載の報告。
化学療法+sintilimab併用のOSを評価
研究グループは、切除不能な局所進行または転移のある胃・胃食道接合部がん患者について、sintilimab+化学療法vs.プラセボ+化学療法のOSを比較した。また、CPS(スコア範囲:1~100)が5以上の患者のサブグループについても比較した。
2019年1月3日~2020年8月5日に、中国の62病院で切除不能な局所進行または転移のある胃・胃食道接合部がん患者650例を登録。最終フォローアップは2021年6月20日であった。
被験者は1対1の割合で無作為に2群に割り付けられ、カペシタビン+オキサリプラチン(CapeOXレジメン)にsintilimabまたはプラセボの併用投与を受けた(3週ごとに最大6サイクル)。維持療法として、sintilimabまたはプラセボ+カペシタビンの併用は最長2年間投与された。
主要評価項目は、全無作為化患者およびCPS5以上の患者におけるOSであった。
全患者およびCPS5以上の患者で、sintilimab併用によりOSが有意に延長
650例(平均年齢59歳、男性483例[74.3%])のうち、327例がsintilimab+化学療法群に、323例がプラセボ+化学療法群に無作為化された。
無作為化された患者650例において、397例(61.1%)がPD-L1 CPS5以上の腫瘍を有しており、563例(86.6%)が試験を中断、388例(59.7%)が死亡となった。追跡不能は1例(<0.1%)。
全無作為化患者において、sintilimabはプラセボと比べてOSを有意に改善したことが示された(中央値15.2ヵ月vs.12.3ヵ月、層別ハザード比[HR]:0.77[95%信頼区間[CI]:0.63~0.94]、p=0.009)。
CPS5以上の患者においても、sintilimabはプラセボと比べてOSを有意に改善した(中央値18.4ヵ月vs.12.9ヵ月、層別HR:0.66[95%CI:0.50~0.86]、p=0.002)。
最も多くみられたGrade3以上の治療関連有害事象は、血小板数の減少(sintilimab併用群24.7% vs.プラセボ併用群21.3%)、好中球数の減少(20.1% vs.18.8%)、貧血(12.5% vs.8.8%)であった。
(ケアネット)