関節リウマチ患者、アダリムマブ、インフリキシマブ服用は帯状疱疹リスクが増大

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2009/03/03

 



関節リウマチ患者で、ヒト型抗TNF-αモノクロナール抗体のアダリムマブ(商品名:ヒュミラ)やインフリキシマブ(同:レミケード)を服用する人は、そうでない人に比べ、帯状疱疹の発症リスクが増大するようだ。一方、抗TNF-αクラスの薬全体、また完全ヒト型可溶性TNFα/LTαレセプターのエタネルセプト(同:エンブレル)のみでは、同リスクの増大は認められなかった。ドイツGerman Rheumatism Research CenterのAnja Strangfeld氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年2月18日号で発表されている。

抗TNF-αクラスまたは抗リウマチ薬(DMARDs)服用の5,000人超を調査




同氏らは、2001~2006年にかけて、抗TNF-αクラスの薬または抗リウマチ薬(DMARDs)を服用する5,040人の関節リウマチ患者について、調査した。

追跡期間中、帯状疱疹を発症したのは、合わせて82人(86イベント)だった。そのうちアダリムマブかインフリキシマブを服用していたのは39イベント、エタネルセプトが23イベント、DMARDsが24イベントだった。

補正前の帯状疱疹発症率は、アダリムマブ/インフリキシマブ群が11.1件/千患者・年、エタネルセプト群が8.9件/千患者・年、DMARDs群が5.6件/千患者・年だった。


アダリムマブ/インフリキシマブ群の補正後ハザード比は1.82




補正後の帯状疱疹発症に関するハザード比は、アダリムマブ/インフリキシマブ群が1.82(95%信頼区間:1.05~3.15)と有意に高かった。一方、抗TNF-αクラス全体としては、同ハザード比は1.63(同:0.97~2.74)、エタネルセプト群では同ハザード比は1.36(同:0.73~2.55)と、有意差は見られなかった。

ただし、アダリムマブ/インフリキシマブ群のハザード比1.82は、同氏らが事前に定めた臨床最低基準には達していなかった。そのため同氏らは、ヒト型抗TNF-αモノクロナール抗体と帯状疱疹のリスク増大の関連については、さらなる研究が必要だとしている。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)