BRAF変異メラノーマのPFSを著明改善。dabrafenibの第III相試験

提供元:ケアネット

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公開日:2012/07/16

 



BRAF変異阻害薬dabrfaenibは、BRAF変異陽性の転移性メラノーマに対する臨床効果と安全性プロファイルが第I・II相試験で示されている。Hauschild氏らは、dabrafenibの臨床効果を検証するためオープンラベル第III相試験を実施し、その結果をLancet誌オンライン版2012年6月22日付で報告した。

今回の試験の対象は、年齢18歳以上、未治療のStageIVまたは切除不能StageIIIBのBRAF V600遺伝子変異陽性の転移性メラノーマ患者で、2010年12月~2011年9月に登録された。登録患者中、250名が無作為にdabrafenib群(187例)とダカルバジン群(63例)に3:1に割り付けされた。プライマリエンドポイントは無増悪生存期間(PFS)であり、intention to treatで解析された。

その結果、PFS中央値はdabrafenb群で5.1ヵ月、ダカルバジン群で2.7ヵ月でありdabrafenib群で有意に長かった(HR:0.30、95%CI:0.18~0.51、p<0.0001)。データカットオフ時、dabrafenib群では107例(57%)、ダカルバジン群では14例(22%)の患者が治療を行っていた。

grade2以上の有害事象は、dabrafenib群では187例中100例(53%)に、ダカルバジン群では59例中26例(44%)に発現している。dabrafenib群でもっとも頻度が高い有害事象は、皮膚障害、発熱、倦怠感、関節痛、頭痛であった。grade3~4の有害事象は両群とも頻度は高くなかった。

転移性メラノーマによる死者は世界で年間約46,000名いるが、標準療法は化学療法(ダカルバジン)あるいは高用量IL-2のどちらかであった。一方、転移性メラノーマの50%はBRAF遺伝子変異を来しており、近年vemurafenibのようなBRAF阻害薬が登場している。

(ケアネット 細田 雅之)