鼻洗浄は副鼻腔疾患で補助治療として用いられているが、小児においては調査が十分ではなかった。台湾のWang氏らはアトピー患児の急性副鼻腔炎治療に対する鼻洗浄の有用性を検討し、副鼻腔炎のアトピー患児への鼻洗浄は効果的な補助療法であると結論づけた。J Microbiol Immunol Infect誌2012年9月30日号の報告。
60例の急性副鼻腔炎のアトピー患児が登録され、そのうち29例が生理食塩水による鼻洗浄を実施し、31例が実施しなかった。すべての参加者は鼻の最大呼気流量(nPEFR)テスト、鼻汁検査、X線検査、小児鼻結膜炎QOLのアンケート(PRQLQ)を実施し、症状を日誌で記録した。フォローアップは1週間ごとで、身体検査、鼻汁検査、nPEFRテストを実施、日誌を収集した。
主な結果は以下のとおり。
・最終フォローアップ時(3週間後)、鼻洗浄実施グループでは、非実施グループに比べて平均PRQLQとnPEFRで顕著な改善がみられた。
・X線所見では両グループで有意な差はみられなかった。
・鼻洗浄実施グループでは、非実施グループに比べて眼の充血、鼻漏、鼻のかゆみ、くしゃみと咳症状で著明な改善がみられた。
(ケアネット 森 幸子)