てんかん治療の術前評価/切除が標準化、一方で困難な患者が増大

提供元:ケアネット

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公開日:2012/10/23

 

 術前評価と手術はてんかん治療の標準となりつつある。ドイツ・ボン大学医療センターのBien氏らは、1988~2009年の単一施設での治療実績の傾向を調べた。その結果、てんかん手術は、とくに明確に定義された局所病変を有する患者において効果が高いことが明らかになったと報告。一方で、調査をした同施設では、困難な患者が増えており、術前評価前のてんかん症状を有した期間が延びていることにも言及した。J Neurol Neurosurg Psychiatry誌オンライン版2012年10月10日号の報告。

 前向きに文書化された術前評価を受けた患者のデータを、後ろ向き解析にて検討した。年ごとの解析によって傾向を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・2,684例の患者が術前評価を受け、そのうち1,721例(64.1%)が続けて切除術を受けた。
・最も多数を占めた術前評価/切除術群は、海馬硬化症を伴う内側側頭葉てんかんであった(29.5%/35.4%)。
・切除術を受けた患者1,160例(67.4%)は全員、2年以上のフォローアップを受けた。そのうち計586例(50.5%)は、前兆も含め持続的な発作の抑制がみられた(良性腫瘍:61.0%、局所の皮質形成異常57.6%、海馬硬化症を伴う内側側頭葉てんかん:49.4%、非損傷性:27.6%)。
・術前評価を受けた患者数をベースとした、術前評価/切除プログラムの効果を測る新規尺度の「intention-to- treatてんかん発作抑制率」は32.4%であった。
・時間とともに評価を受ける患者数(不適切で好ましくない侵襲性尺度の評価を受ける患者数)は増大した。
・切除術の年間実施数は、安定的であった。
・術前評価を受けた入院患者における、てんかん症状を有した平均期間は増大していた。
・良性腫瘍患者の割合は減少した。
・脳内精査とMRI組織病理学所見の不一致は減少した。
・発作抑制率は一定していた。

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(ケアネット)