地中海食が乳がんリスクを減少

提供元:ケアネット

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公開日:2014/08/13

 

 Instituto de Salud Carlos IIIのA Castello氏らは、スペイン人女性における食事パターンと乳がんリスクの関連を、閉経状態と腫瘍のサブタイプ別に層別化し、症例対照研究で検討した(EpiGEICAM試験)。その結果、西洋食パターン(高脂肪乳製品・加工肉・精製穀物・菓子・高カロリー飲料などを高摂取、低脂肪乳製品・全粒穀物は低摂取)が乳がんリスクに悪影響を及ぼすことが認められた。さらに、すべてのサブタイプの乳がん(とくにトリプルネガティブ乳がん)の予防に、果物・野菜・豆類・多脂性魚・植物油の豊富な食事パターンによるベネフィットが示唆された。British Journal of Cancer誌オンライン版2014年8月7日号に掲載。

 著者らは、乳がん患者1,017人と、乳がん既往歴のない健常コントロールとして同年齢層(±5歳)でマッチさせた1,017人を登録した。食事パターンと乳がんの関連は、全体および閉経状態・腫瘍サブタイプ(ER+/PR+かつHER2-、HER2+、ER-/PR-かつHER2-)により、ロジスティックおよび多項回帰モデルを用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・西洋食パターンは高い乳がんリスクに関連し(最低四分位に対する最高四分位のオッズ比:1.46、95%CI:1.06~2.01)、とくに閉経前女性では関連が強かった(同オッズ比:1.75、95%CI:1.14~2.67)。
・逆に、地中海食パターン(魚・野菜・豆類・茹でたジャガイモ・果物・オリーブオイル・植物油を高摂取、ジュースは低摂取)は低い乳がんリスクに関連していた(最低四分位に対する最高四分位のオッズ比:0.56、95%CI:0.40~0.79)。
・西洋食パターンによる有害な影響は、すべての腫瘍サブタイプで同様に観察されたが、地中海食パターンによる予防効果はトリプルネガティブ乳がんで強かった(オッズ比:0.32、95%CI:0.15~0.66、異質性のp=0.04)。
・Prudent食パターン(低脂肪乳製品・野菜・果物・全粒穀物・ジュースを高摂取)と乳がんリスクの間に関連は認められなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)