血圧における果糖の悪影響はほとんどの試験で示されていないが、高血圧における果糖の影響が懸念され続けている。そこで、カナダ・Clinical Nutrition and Risk Factor Modification CenterのViranda H Jayalath氏らは、果糖を含む糖(異性化糖、ショ糖、果糖)摂取と高血圧発症との関連を定量化するため、米国の男女における3つの大規模前向きコホート研究の系統的レビューとメタ解析を行った。その結果、果糖全体の摂取量は高血圧リスク増加と関連していなかったことが報告された。Journal of the American College of Nutrition誌オンライン版2014年8月21日号に掲載。
著者らは、2014年2月5日までMEDLINE、EMBASE、CINAHL、Cochrane Libraryから関連研究を検索した。2人のレビュワーがそれぞれ独立して関連データを抽出した。リスク推定値は、逆分散の変量効果モデルを用いて、摂取量の最も低い五分位(基準)と最も高い五分位を比較し、リスク比(RR)と95%信頼区間(CI)で表した。また、試験間異質性を評価(コクランQ検定)、定量化(I2統計)し、研究の質をNewcastle-Ottawa スケールで評価した。
主な結果は以下のとおり。
・3つの前向きコホート(男性3万7,375人、女性18万5,855人)が適格基準を満たし、5万8,162例の高血圧症例が250万2,357人年にわたり追跡された。
・果糖摂取量の中央値は、最低五分位では総エネルギーの5.7~6.0%、最高五分位では13.9~14.3%であった。
・果糖摂取量は、高血圧発症と関連しておらず(RR:1.02、95%CI:0.99~1.04)、異質性も認められなかった(I2=0%、p=0.59)。
・スプライン曲線モデルでは、摂取量が50パーセンタイル以下で負の相関、それ以上で正の相関となるU字型の関係を示した。
(ケアネット 金沢 浩子)