コレステロールや卵の摂取量と2型糖尿病リスクとの関連について、欧米諸国での報告は限定的で一貫性がない。国立国際医療研究センターの黒谷 佳代氏らは、日本人の多目的コホート研究(JPHC study)において、食事性コレステロールと卵摂取と2型糖尿病のリスクの関連をプロスペクティブに検討した。その結果、コレステロールや卵の摂取量と2型糖尿病のリスク増加との関連はみられなかった。ただし閉経後の女性では、コレステロールの摂取量が多いと2型糖尿病のリスクが低かった。The British journal of nutrition誌オンライン版2014年9月18日号に掲載。
対象は、JPHC studyの2回目の調査に参加し、2型糖尿病やその他重篤な疾患の履歴がなかった45~75歳の男性2万7,248人と女性3万6,218人。食事性コレステロールと卵の摂取量は147項目の食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて推定した。5年間に診断されたことを自主報告した2型糖尿病のオッズ比を多重ロジスティック回帰で推定した。
主な結果は以下のとおり。
・全部で1,165例が新たに2型糖尿病と診断されたことを報告した。
・男性では食事性コレステロールの摂取量は2型糖尿病リスクと関連していなかったが、女性では、統計的に有意ではないが、摂取量の最低四分位に比べて最高四分位で2型糖尿病リスクのオッズが23%低かった(傾向のp=0.08)。
・このリスク減少は閉経後の女性でやや多く、コレステロール摂取量の最低四分位と比べた最高四分位の多変量補正後のオッズ比は0.68(95%CI:0.49~0.94、傾向のp=0.04)であった。
・卵の摂取量と2型糖尿病リスクとの関連は、男女とも認められなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)