胃がん患者の自殺リスクは米国一般住民の約4倍で、診断から3ヵ月以内が最も高いことがわかった。さらに「男性」「白色人種」「独身」「遠隔転移のある病期」が有意に自殺リスクの増加と関連していた。東海大学医学部付属八王子病院放射線治療科の菅原 章友氏らが報告した。Japanese journal of clinical oncology誌オンライン版2016年6月15日号に掲載。
著者らは、SEER(Surveillance, Epidemiology, and End Results)データベースを用いて、1998~2011年に胃がんと診断された患者における自殺率と標準化死亡比(SMR)を算出した。また、自殺リスクの増加に関連する因子を同定するために多変量解析を用いた。
主な結果は以下のとおり。
・患者は合計6万5,535例で、10万9,597人年のフォローアップを行い、68例の患者が自殺した。
・年齢調整後の自殺率は、10万人年当たり34.6(SMR:4.07、95%CI:3.18~5.13)で、診断から3ヵ月以内が最も高かった(SMR:67.67、95%CI:40.74~106.15)。
・多変量解析の結果、以下の因子が自殺リスクの増加と有意に関連していた。
男性(発生率比:7.15、95%CI:3.05~16.78、p<0.0001)
白色人種(発生率比:3.23、95%CI:1.00~10.35、p=0.0491)
独身(発生率比:2.01、95%CI:1.22~3.30、p=0.0060)
遠隔転移のある病期(発生率比:2.90、95%CI:1.72~4.92、p<0.0001)
(ケアネット 金沢 浩子)