男性型脱毛症の人は皮膚がんを発症しやすい?

米国・ブラウン大学のWen-Qing Li氏らの前向き研究で、男性型脱毛症が、浸潤性悪性黒色腫・浸潤性有棘細胞がん(SCC)・基底細胞がん(BCC)の発症リスクの増加に関連する可能性が示唆された。ただし、この関連は頭頸部、とくに頭皮で発症する皮膚がんに限られるようだ。International journal of cancer誌オンライン版2016年8月20日号に掲載。
本研究は、Health Professionals' Follow-up Studyにおける3万6,032人による前向き研究である。1992年、参加者が45歳時点の男性型脱毛症の状況を、ノーウッド分類に基づく5つの頭頂ピクトグラムから選択し、報告した。皮膚がんの診断については1年おきに報告され、悪性黒色腫およびSCCについては病理学的な情報を確認した。
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中に悪性黒色腫327例、SCC 1,324例、BCC 8,438例を特定した。
・男性型脱毛症は、悪性黒色腫の発症リスクと有意な関連は認められなかったが、SCCおよびBCCの発症リスク増加と有意に関連していた。
・脱毛症の最も高いカテゴリー(「前頭部脱毛+重度の頭頂部脱毛」)における、脱毛なしに対する多変量調整ハザード比(HR)(95%信頼区間[CI])は、SCCで1.33(1.06~1.68)(傾向のp=0.001)、BCCで1.23(1.12~1.35)(傾向のp<0.0001)であった。
・身体部位別の分析では、「前頭部脱毛+中等度~重度の頭頂部脱毛」と頭頸部の悪性黒色腫(HR:1.83、95%CI:1.01~3.34)および頭頸部のSCC(HR:1.30、95%CI:1.02~1.66)との関連が認められた。とくに、頭皮の悪性黒色腫(HR:7.15、95%CI:1.29~39.42)と頭皮のSCC(HR:7.09、95%CI:3.84~13.08)で関連が強かったが、頭皮以外の頭頸部についてはそうではなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)
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