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2024/07/10
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CLEAR!ジャーナル四天王|page:86

日常診療におけるGFR(糸球体濾過量)の評価には何を用いるべきか(コメンテーター:木村 健二郎 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(135)より-

 CKD(慢性腎臓病)は末期腎不全と心血管疾患のリスクが高いことで注目されている。しかも、GFRが低下するほど、あるいは尿蛋白(アルブミン)量が増加するほど、それらのリスクが上昇する。したがって、日常診療でGFRを手軽に推測することは極めて重要である。

「AMI急性期のPCIは責任病変だけにしろ!」と私は教えられました(コメンテーター:中川 義久 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(133)より-

 私が急性心筋梗塞(AMI)の治療について、これまで教えられ、自分自身も若手医師に教えていることは、「AMI急性期のPCIは責任病変だけにしろ!他の病変は落ちついてから日を改めて治療しろ!」でした。自分にとっては疑いもない正論と信じていた内容に疑問符を投げかける研究結果が発表されました。それが、PRAMI研究です。オランダのアムステルダムで開催されたESC 2013で発表され、同時にNEJM誌に掲載されました。

ネットワーク・メタ解析を読むときの留意点(コメンテーター:折笠 秀樹 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(132)より-

 ネットワーク・メタ解析(Network meta-analysis)とはメタ解析の一種である。通常のメタ解析は治療法Aと治療法Cを比較した臨床試験を収集し、個々の比較結果を統計的に併合する。従って、治療法Aと治療法Dや、プラセボを比較した臨床試験は解析対象とはならない。

急性心筋梗塞の再潅流療法において血栓吸引は有用か?(コメンテーター:上田 恭敬 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(131)より-

 本論文は、スウェーデンの国家的レジストリーであるSwedish Coronary Angiography and Angioplasty Registry(SCAAR)に登録されている患者に加えて、デンマークの追加施設から同レジストリーシステムへ登録される患者を対象として行われた多施設、前向き、オープンラベル、無作為化比較対照試験Thrombus Aspiration in ST-Elevation Myocardial Infarction in Scandinavia(TASTE) trialの結果についての報告である。

トラスツズマブ術後治療1年投与と2年投与の比較-ランドマーク解析-(コメンテーター:勝俣 範之 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(129)より-

 乳がん治療は、ここ10年間で大きく変革した。それは、乳がんの増殖因子であるHER2に対する抗体治療薬であるトラスツズマブの登場による。従来の抗がん剤治療は、殺細胞薬といって、がん細胞も正常細胞も見境なく殺してしまうものしかなく、患者は副作用に苦しむことを余儀なくされていた。1990年代後半から、がん細胞に特異的に発現しているさまざまな分子に対する分子標的治療薬の開発が行われ、分子標的治療薬は、副作用が少ない治療薬ということで注目を浴びた。血液腫瘍ではグリベックが開発され、固形腫瘍で最初に開発された薬剤が、トラスツズマブである。

ピロリ菌感染に対する順次療法のメタ解析とシステマティックレビュー(コメンテーター:上村 直実 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(128)より-

 ピロリ菌感染に対する世界的な標準的除菌治療として使用されている3剤併用療法(プロトンポンプ阻害薬:PPI+amoxicillin:AMPC+clarithromycin:CAMまたはmetronidazole:MNZ)の除菌率が80%以下に低下していることが、大きな問題となっている。

米国における7価結合型肺炎球菌ワクチンの効果を検証(コメンテーター:小金丸 博 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(127)より-

 米国では、2000年に乳幼児に対する7価結合型肺炎球菌ワクチン(PCV7)が導入され、侵襲性肺炎球菌感染症は大幅に減少した。しかし、ワクチンに含まれない血清型による肺炎球菌感染症の増加が報告され、PCV7の有効性が持続しているかどうか懸念されていた。

改めて問われる、心血管リスクとしての腎結石の意義(コメンテーター:石上 友章 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(126)より-

 腎結石を有する女性に、冠動脈性心疾患(CHD)のリスクが増大することが報告された。Ferraroらの長期にわたる観察研究は、質・量において、従来のコホートを圧倒している。したがって、事実として彼らの定義する腎結石とCHDとが統計的に有意に関連していることは、疑いようがないだろう。

受診ごとに血圧が変動する症例では認知機能が低下している(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(125)より-

 受診ごとの血圧変動が大きい高齢者は、認知機能が低下しており、MRIで海馬の萎縮や皮質梗塞が多いという臨床研究である。本試験はPRROSPER試験という高齢者に対するプラバスタチンの心血管合併症予防効果を検討した試験の後付解析として行われたものである。

家庭血圧を薬剤師とともに管理することで降圧達成率は大幅に改善(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(123)より-

 家庭血圧データを薬局に電送し、薬剤師が血圧管理に介入することで、降圧達成率が通常の血圧管理よりも格段に高くなることをランダム化試験で証明した点で価値のある研究である。家庭血圧値が診察室血圧値よりも心血管疾患発症や死亡の予測に有用であることは、すでに多くの追跡調査によって明らかになっている。診察室血圧だけでは、白衣高血圧や仮面高血圧などの病態が把握できない。やはり家庭という普段の場所での日常の血圧管理が予後を決定するのである。

大気汚染を無視できない 生活習慣病としての急性心不全(コメンテーター:平山 篤志 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(122)より-

 1900年初頭、英国でコレラが発生したとき、その対策を立てる中で疫学が生まれた。これにより公衆衛生学が進歩し、下水道の完備などによって感染症は、先進国では克服された。その後、大気汚染による喘息の発生も公害対策により減少した。下水道の完備や環境対策によって、汚染による疾患は減少したように思われていた。

低線量CTによる検診は肺がん死を減少させうるか(コメンテーター:小林 英夫 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(121)より-

 本論文は、2011年に発表されたAmerican National Lung cancer Screening Trial(NLST)、の追加解析報告である。2011年報告は5万名以上という大規模集団での比較試験であり、低線量CT検診により20%の肺癌死亡減少効果が示されたエビデンスレベルの高い研究であった。

再発・難治性B細胞リンパ増殖性腫瘍に対する新規分子標的薬イブルチニブ(コメンテーター:大田 雅嗣 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(120)より-

Bruton's Tyrosine Kinase(BTK) 阻害薬イブルチニブは、B細胞受容体シグナル伝達系阻害薬で、B細胞性慢性リンパ増殖性疾患に対する有望な治療薬である。本論文は再発・難治性CLLに対するPhase 1b-2多施設研究である。用量にかかわらず有害事象の低さ、26ヵ月時点での無増悪生存率(PFS) 75%、全生存率(OS) 83%と、良好な長期有効率が報告されている。

うつ病に対する重点的介入により高齢者の死亡率が低下する(コメンテーター:小山 恵子 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(118)より-

 高齢者のうつ病は、高齢者の自殺と密接に関連するばかりでなく、さまざまな身体疾患や健康問題への影響が指摘されている。うつ病患者において、糖尿病や心血管疾患に対する治療やセルフケアへのアドヒアランスが不良になること、身体活動が低下することなどの要因が、死亡率を高めることにつながると考えられている。

ICUでのMRSA感染症を防ぐために有効な方法とは?(コメンテーター:吉田 敦 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(117)より-

 MRSAは、医療関連感染(Healthcare Associated Infections)の中で最も重要な微生物といっても過言ではなく、とくにICUでは問題になることが非常に多い。米国ではスクリーニングとして、ICU入室時に鼻腔のMRSAを調べ、接触感染予防策を徹底するよう義務づけている州がある。鼻腔にMRSAを保菌しているキャリアーからの伝播を防ぐ方法として、(1)抗菌薬であるムピロシンの鼻腔内塗布や、(2)消毒薬のクロルヘキシジンをしみ込ませた布での患者清拭を行って、除菌decolonizationできるかどうか検討され、それぞれ有効性が示されてきたが、誰にいつの時点で行えばよいかは不明であった。