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統合失調症、双極性障害で新たに注目される「アデノシン作用」

 アデノシン・モジュレータ補助療法は、統合失調症の精神病理全般(とくに陽性症状)および双極性障害の躁病エピソードの治療において、より大きなベネフィットをもたらすことが示唆された。米国・ヴァンダービルト大学メディカルセンターのTomoya Hirota氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。Schizophrenia Research誌2013年9月号の掲載報告。

酒さは片頭痛持ちの女性に多い

 スイス・バーゼル大学病院のJulia Spoendlin氏らは、住民ベースコホート研究の結果、片頭痛を有する女性において、わずかだが酒さ発症のリスクの増大が観察されたことを報告した。とくに50歳以上の重度の片頭痛を有する女性でリスク増大が認められたという。酒さは一般によくみられる皮膚疾患であり、神経性炎症や神経血管性調節障害を伴う。片頭痛は、血管性変化と無菌性炎症を伴う。両疾患の関連は数十年にわたり示唆されているが、エビデンスは不足している。

がん患者が思う“自分らしい”生活とは

 がん患者にとって“自分らしい”生活とは何だろうか。アストラゼネカは11日、「治療のゴール」「治療による後遺症・副作用が日常生活に与える影響」「医療従事者と患者さんの信頼関係・コミュニケーション」などについて、がん患者とその家族、医師、薬剤師、看護師を対象に調査を実施した結果をまとめて発表し、同日付で自社サイト『がんになっても』の新コンテンツとして掲載した。その結果、それぞれの立場で考える、がんの治療のゴールや、がんに罹患してからの生き方、生活に関する意識の違いなどが明らかになったという。

てんかんにVNSは有効、長期発作抑制効果も

 現在、12歳以上のてんかん部分発作に対する補助療法として承認されている迷走神経刺激療法(VNS)。Aurora Epilepsy CenterのGeorge L. Morris III氏らは、VNSに関する一連のエビデンスを評価した。その結果、VNSは小児の発作、レノックス・ガストー症候群(LGS)関連発作、成人てんかんの気分障害の改善に効果が期待できること、また治療継続により発作抑制効果が高まることが示唆され、これらをエビデンスレベルCとして推奨した。Neurology誌オンライン版2013年8月28日号の掲載報告。

脊椎手術研究の有害事象報告、4割にバイアス

 最近、企業主導型の脊椎手術研究における報告記事について、有害事象の報告に関する懸念が生じている。対策として独立した臨床事象判定委員会(CEC)による評価が行われることがあるが、これまで、有害事象の報告にどの程度研究者バイアスが存在しているか、CECがバイアス削減にどう影響するかを検討した報告はなかった。

爪真菌症治癒の再定義を

 米国・University Hospitals Case Medical CenterのM. Ghannoum氏らは、爪真菌症治癒の定義について、菌類学的アウトカムと臨床試験期間の解釈を再検証した。その結果、現状の臨床試験期間は見直す必要があり、爪真菌症治癒の定義は、十分なウォッシュアウト後の臨床所見が、KOH直接鏡検法が陰性か否かにかかわらず、培養検査が陰性であることでみなすべきであると報告した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年8月19日号の掲載報告。

葉酸摂取は双極性障害の治療に有効

 双極性障害の治療に葉酸が有効である可能性について、米国・マサチューセッツ総合病院のJi Hyun Baek氏らがレビューを行った結果を報告した。葉酸は、気分障害の治療に最も広く用いられている栄養補助食品の1つである。Baek氏らは、葉酸の代謝について調べるとともに、双極性障害との関連およびその治療可能性について検討した。Australian & New Zealand Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年8月22日号の掲載報告。

消化性潰瘍、5人に1人がH.pylori感染やNSAIDs/アスピリン内服と関連なし

 フランスの総合病院では、消化性潰瘍患者の5人に1人がヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染ともNSAIDs/アスピリン内服とも関連のない特発性潰瘍であることが、仏・ヴィルヌーヴ・サン・ジョルジュ病院消化器内科 C.Charpignon氏らによる研究で明らかになった。Alimentary pharmacology & therapeutics誌オンライン版2013年8月27日号の報告。

睡眠障害は痛覚過敏を誘発する

 慢性疼痛患者では睡眠障害が非常によくみられることから、睡眠障害や睡眠不足と疼痛知覚との関連の解明が重要な研究課題となっているが、これまでのところヒトにおける研究で一貫した結果は得られていない。ドイツ・ハイデルベルグ大学のSigrid Schuh-Hofer氏らは、健常人において、全断眠(TSD)は全般的な痛覚過敏を誘発するとともに状態不安を高めることを示した。

アリピプラゾール治療を見極めるタイミングは何週目か

 抗精神病薬の治療効果を見極めるタイミングは難しい。韓国・全北大学医学部のPark Jong-Il氏らは、初回エピソード精神疾患におけるアリピプラゾール治療の有効性および安全性を確認するとともに、同治療の3週時点の反応が2週時点の反応よりもその後の反応を正確に予測することが示されたことを報告した。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2013年8月21日号の掲載報告。

イソトレチノインの新製剤は吸収率が2倍に

 にきび治療薬として世界中で使用されているイソトレチノイン(国内未承認)は、吸収率を至適なものとするために高脂肪食の摂取が必要とされるが、脂肪食を摂取しない場合に吸収率を高める新しい製剤が開発され、米国食品医薬品局(FDA)において承認されたという。米国・ジェファーソン医科大学のGuy F. Webster氏らは、その薬物動態について従来製剤との比較を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2013年8月13日号の掲載報告。

小腸用カプセル内視鏡は胃食道病変も見つけられるのか?

 小腸用カプセル内視鏡検査(CE)は、門脈圧亢進症における小腸病変のスクリーニングだけでなく、F2/F3およびLs/Lmの食道静脈瘤、胃体部の門脈圧亢進症性胃症の診断においても信頼性が高いことが、広島大学大学院 消化器・代謝内科の青山 大輝氏らによる研究で明らかになった。Journal of gastroenterology and hepatology誌オンライン版2013年8月23日号の報告。

乾癬が就業に与えるリアルな影響

 イタリア・ナポリ大学のAyala.F氏らによって、中等症~重症乾癬患者における、就業への影響が調査された。それによると、乾癬の罹患が患者の就業に対して深刻な影響を及ぼし、雇用の機会、就業日数、将来への期待、収入を得る機会に影響することが報告された。乾癬が及ぼす身体的、心理社会的な影響のため、患者さんは充実した生活を送るのが難しいことがあるが、これまで就業関連への影響については、調査が十分とはいえなかった。J Eur Acad Dermatol Venereolオンライン版2013年8月21日掲載報告。

精神疾患のグルタミン酸仮説は支持されるか

 初回エピソードの精神疾患患者において、右連合野線条体においてグルタミン酸値の上昇が示されている。しかし、この上昇が、効果的な抗精神病薬治療後に持続するかどうかについては不明であった。メキシコ・Instituto Nacional de Neurologiay NeurocirugiaのCamilo de la Fuente-Sandoval氏らは検討の結果、4週間の抗精神病薬治療により臨床的有効性が認められた初回エピソードの精神疾患患者ではグルタミン酸値が正常化していたことを報告し、「これらの結果は、臨床症状の改善にグルタミン酸値低下が関連している可能性があるとの仮説を支持するものである」と結論している。JAMA Psychiatry誌オンライン版2013年8月21日号の掲載報告。