便秘はCVD死亡リスクを高める~日本のコホート研究

提供元:ケアネット

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公開日:2016/04/19

 

 排便回数は、日本人集団でのCVD死亡リスクと関連することが、東北大学の本藏 賢治氏らによる研究で明らかになった。今後、慢性便秘とCVD死亡リスクとの関連の根底にあるメカニズムの解明を目指した研究が、ますます進むことが期待される。Atherosclerosis誌2016年3月号(オンライン版2016年1月13日号)の掲載報告。

 便秘は、心血管疾患(CVD)の発症と関連することが示唆されているが、排便頻度とCVDによる死亡リスクとの関連を検討した大規模研究は、これまで報告されていない。そこで著者らは、「大崎国保コホート研究」のデータを用いて、排便頻度と13年間のCVDによる死亡との関連について分析を行った。
 大崎コホート研究に参加した4万5,112人(40~79歳)に生活習慣に関するアンケートを実施し、排便頻度に関する質問への回答を検討した。排便頻度によって「1日1回以上群」「2~3日に1回群」「4日に1回以下群」の3群に分け、循環器疾患による死亡、虚血性心疾患による死亡、脳卒中による死亡との関連を検討した。ハザード比は、Cox比例ハザードモデルを用いて算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・13.3年のフォローアップ期間中、2,028人がCVDにより死亡した。
・「2~3日に1回群」、「4日に1回以下群」の全体的なCVD死亡リスクは、「1日1回以上群」と比較して、有意に高かった[多変量ハザード比はそれぞれ1.21(95%CI:1.08~1.35)、1.39(95%CI:1.06~1.81)]。

(ケアネット 武田 真貴子)