朝食を食べない習慣の人は、食べる習慣の人よりも、男性の循環器疾患による死亡リスクと全死亡リスク、女性の全死亡リスクが有意に上昇することが、鳥取大学の横山 弥枝氏らの研究で明らかになった。Yonago acta medica誌2016年3月号の報告。
朝食を食べる習慣は、食事パターンのマーカーであり、健康的なライフスタイルの有用な予測因子である。朝食を抜くことで不健康な影響があることは、多くの研究で報告されているが、朝食抜きと死亡との関連を検討した研究は少ない。
そのため、本研究では、JACC study(Japan Collaborative Cohort Study)の大規模コホート研究データを用いて、朝食抜きとがん/循環器疾患/すべての原因による死亡との関連を調査した。
対象は、日本人の生活習慣ががんとどのように関連しているのかを明らかにすることを目的に行われた、JACC studyの参加者(男性3万4,128人、女性4万9,282人;40~79歳)。参加者は1988~90年にベースライン調査を完了し、2009年末まで追跡調査が行われた。朝食を食べる習慣の有無で参加者を2群に分け、比較した。COX比例ハザード回帰モデルを用いて、多変量解析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・中央値19.4年の追跡期間中に、がんで死亡した人は5,768人、循環器疾患で死亡した人は5,133人、すべての原因により死亡したのは1万7,112人であった。
・朝食抜きは、不健康な生活習慣に関連していた。
・朝食抜き群は、朝食を食べる群に比べ、男性の循環器疾患による死亡リスク(ハザード比[HR]:1.42)と全死亡リスク(HR:1.43)、女性の全死亡リスク(同:1.34)が有意に上昇した。
(ケアネット 武田 真貴子)