抗コリン作用を有する薬剤の累積使用量が多いほど、認知症およびアルツハイマー病の発症リスクが高まることが、米国・ワシントン大学のShelly L Gray氏らが行った前向き住民ベースコホート試験の結果、明らかにされた。抗コリン作用を有している薬剤は多い。これまでの検討で、抗コリン作用誘発性の認知障害は、抗コリン薬の中止により回復すると考えられている。一方で、抗コリン作用を有する薬剤が、認知症リスク増加と関連する可能性については、少数の検討しか行われていなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「抗コリン薬の長期使用を最小限に抑えるため、薬剤に関連するリスクの可能性について医療関係者および高齢者の認識を高める努力が重要である」と指摘している。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2015年1月26日号の掲載報告。