日本の認知症者、在院期間短縮のために必要なのは 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/03/07 多くの深刻なBPSD(認知症の周辺症状)を有する認知症者の治療は、自発性にかかわらず精神科病院で行われている。日本における認知症者の平均在院期間は約2年である。症状が安定すれば退院するのが理想的ではあるものの、わが国ではBPSDが落ち着いた後でも、入院を継続するケースがみられる。神戸学院大学の森川 孝子氏らは、認知症者の精神科病院在院期間を短縮する要因を特定するため検討を行った。Psychogeriatrics誌オンライン版2017年2月10日号の報告。 西日本の認知症治療病棟を有する精神科病院121施設に17項目のアンケートを郵送した。 主な結果は以下のとおり。 ・45施設より、アンケートの返信があった。 ・45施設すべての病院における2014年8月の月間新規入院患者は1,428例、そのうち認知症者は384例(26.9%)であった。 ・2014年8月の認知症治療病棟の平均在院期間は、482.7日であった。 ・著者らの知見では、認知症病棟における2ヵ月後の退院率は35.4%であった。 ・認知症者にリハビリ費用を請求または請求を計画している病院における平均在院期間は、リハビリ費用を請求していない病院よりも有意に短縮されていた。 著者らは「日本では、認知症治療病棟を有する精神科病院の新規入院患者の25%以上を認知症者が占めていた。また、平均在院期間は1年以上であった。認知症者の2ヵ月以内の退院は、ほかの病棟と比較し、認知症治療病棟の入院患者で非常にまれであった。医療機関が、リハビリに重点を置くことができれば、精神科病院における認知症者の在院期間を短縮することが可能であると考えられる」としている。 関連医療ニュース 血圧低下は認知症リスクを増加させるか、減少させるか 認知症者のせん妄、BPSDにより複雑化 魚を食べると認知症は予防できるのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Morikawa T, et al. Psychogeriatrics. 2017 Feb 10. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 糞便中ヘリコバクター・ピロリ抗原検査を用いた検診は胃がん予防に有効か(解説:上村直実氏)(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03)