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膵管ステント留置はERCP後膵炎を予防できるか?:国内における無作為化比較試験結果

 国内における無作為化比較試験から、膵管ステント留置により、安全かつ効果的に内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)後膵炎を予防できることを示唆する論文が、World Journal of Gastroenterology誌2012年4月14日号に掲載された。これは、東海大学の川口義明氏らの報告で、高リスク患者への膵管ステント留置術を勧めている。

進行胃がん治療におけるベバシズマブのバイオマーカーの検討:無作為化第III相試験(AVAGAST)での評価

進行胃がんの1stライン治療において、ベバシズマブ(商品名:アバスチン、胃がんには未承認)を化学療法と併用する場合の転帰を予測するバイオマーカーとして、血漿VEGF-Aと腫瘍neuropilin-1が候補となることが、5月7日付Journal of Clinical Oncology誌オンライン速報版に掲載された。これは、未治療の局所進行または転移性胃がん患者における、化学療法へのベバシズマブ併用の有用性を検討した無作為化第III相試験であるAVAGASTにおいて評価されたもの。Eric Van Cutsemらが報告した。

【第56回日本リウマチ学会】 新規TNF抗体の患者QOLに与える影響 ~迅速かつ持続的な改善~

2012年4月26日~28日に第56回日本リウマチ学会総会・学術集会が品川で開催された。その中で開発中のTNF抗体「セルトリズマブペゴル(以下CZP)」の日本での臨床試験(HIKARI試験、J-RAPID試験)の患者QOL改善効果に関する解析結果が東京女子医科大学 山中寿氏によって報告された。

精神疾患患者におけるメタボリックシンドローム発症要因は?

精神疾患患者における心血管イベント発症要因の一つとして葉酸が関与しているといわれている。特にメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)やカテコール-o-メチルトランスフェラーゼ(COMT)の異常がリスクを増大させると考えられる。Ellingrod氏らはこれら遺伝子異型が抗精神病薬とメタボリックシンドロームとの関係にどのような影響を及ぼすのかを分析した。

職場におけるうつ病患者に対し電話認知行動療法は有効か?

 年々増加している職場におけるうつ病は、生産性の低下など大きな社会的損失をきたす。そのため、様々な治療法が検討されている。古川氏らは職場における小うつ病(閾値下うつ病)および労働効率が低下している状態(presenteeism)に対する電話認知行動療法(tCBT)の有効性を検討した。古川氏らは「tCBTは職場におけるうつ病患者への簡便な治療法のひとつとなりうるが、さらに長期間の検討が必要である」と結論づけている。

C型慢性肝炎治療薬テラビック投与1週間以内は週2回以上の腎機能検査を -テラビック投与直後における急性腎不全-

田辺三菱製薬株式会社は9日、C型慢性肝炎治療薬テラビック錠250mg(一般名:テラプレビル)について、投与直後の急性腎不全等の重篤な腎機能障害が認められたことを受け、「適正使用に関する重要なお知らせ」を発表し、投与開始 1 週間以内の腎機能検査(週2回)を実施するなどの注意を呼びかけた。

内臓脂肪に及ぼす影響は、ARB間で差があるのか?-メタボリックシンドロームを合併した高血圧-

 メタボリックシンドロームと診断された本態性高血圧症患者における内臓脂肪組織の減少に関してARB間で差がある可能性がDiab Vasc Dis Res誌オンライン速報版に5月4日、掲載された。これは岡山大学の村上和敏氏らによる無作為化比較試験Abdominal fat Depot Intervention Program of Okayama (ADIPO)の結果によるもの。

無作為化試験の患者データを基にしたメタ解析:DES vs BMS

現在のプールされた患者レベルのメタ解析の結果、プライマリPCIを受けたST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において、シロリムスやパクリタキセルの薬剤溶出ステント(DES)が、ベアメタルステント(BMS)に比較し、長期間におけるターゲット部位の血行再建を減少させたが、逆に、遅発性再梗塞およびステント血栓症はDES群において増加したと報告された。

【British Journal of Dermatologyより】成人のアトピー性皮膚炎と肥満に関連性はあるのか?

幼少期における肥満は、アトピー性皮膚炎(AD)のリスクや重症度と関連があるとの報告があるが、成人期の場合も同様のことがいえそうだ。筆頭著者であるSilverberg氏は「体重の減少が成人のADの予防または症状の軽減につながるか否かについては、今後さらなる検討が必要である」と結んでいる。

脂質異常症治療薬「JTT-705(dalcetrapib)」開発中止

 JTは7日、脂質異常症治療薬「JTT-705(dalcetrapib)」について、本日、スイスのエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社(以下ロシュ社)が同剤のすべての開発を中止することを発表したことを公表した。JTT-705については、2004年10月にロシュ社と導出に関するライセンス契約を締結し、日本を除く海外において同社が開発を行っていた。

未成年2型糖尿病患者の最適な治療は?(4月29日掲載NEJMオンライン速報版より)

メトホルミン単独療法で血糖コントロールが不十分な10-17歳の2型糖尿病患者に対する次の治療選択肢として、チアゾリジン薬の追加併用療法が、メトホルミン単独療法を継続するより有意に血糖を管理できることが、無作為化比較試験The Treatment Options for Type 2 Diabetes in Adolescents and Youth (TODAY) 試験の結果より明らかになった。この結果は4月29日、NEJM誌オンライン速報版に発表された。

抗血栓薬を服薬している脳卒中における至適血圧レベルは?

抗血栓薬を服薬している一過性脳虚血発作または脳卒中既往例において、降圧治療によって頭蓋内出血が有意に減少し、頭蓋内出血の発症は治療中の収縮期血圧レベルが低いほど少ないことが、4月24日にStroke誌オンライン速報版に発表された。この研究結果は国立循環器病研究センター 有馬久富氏らによってまとめられた。

団体・企業のうつ病対策の資材になる小冊子 GSKがデータ版提供中

グラクソ・スミスクラインは25日、同社が2011年夏に実施した「うつ病の私や家族を支えてくれた“ことばの贈りもの”」に寄せられたお便りの一部をまとめた小冊子の内容をPDFファイルに収めた「ことばの贈りもの」データ版を作成、同日より希望者に提供を開始した。データ版は、6月29日(金)までの期間中に申し込んだ団体や企業向けに配布するという。