腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

切除不能早期NSCLC、SBRTへのアテゾリズマブ併用は?/Lancet

 切除不能早期非小細胞肺がん(NSCLC)に対するアテゾリズマブ+体幹部定位放射線治療(SBRT)の併用療法について、SBRT単独療法と比較して全生存期間(OS)の改善は認められず、Grade3以上の有害事象の発現が多かった。米国・カリフォルニア大学アーバイン校チャオファミリー総合がんセンターのMegan E. Daly氏らが、同国国立がん研究所(NCI)の臨床試験ネットワーク内の146施設で実施した第III相無作為化非盲検比較試験「SWOG/NRG S1914試験」の結果を報告した。SBRTは、早期の切除不能NSCLCに対する標準治療であるが、早期NSCLCに対するSBRTとアテゾリズマブの併用療法の有効性は明らかになっていなかった。Lancet誌オンライン版2026年9月6日号掲載の報告。

TP53共変異を伴うEGFR陽性進行肺がんに対するオシメルチニブ+化学療法(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)

EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療は、FLAURA2試験の結果を受け、オシメルチニブ+プラチナ併用化学療法が臨床の現場で幅広く選択されている。しかし、併用療法は骨髄抑制や消化器毒性を伴い、頻回の点滴通院が必要となる。故に、本当に併用療法が必要な集団はどのような症例か、といった議論は今も絶えない。その選別の一助となりうるのが、EGFR陽性例の約50%に認められる「TP53共変異」である。TP53変異はゲノム不安定性やアポトーシス回避を惹起し、EGFR-TKI単剤に対する初期耐性をもたらす強力な予後不良因子として知られる。

静岡がんセンター、世界の専門家を招く「Oncology Seminar」をスタート

 静岡県立静岡がんセンターは2026年8月、国内外のがん診療の専門家を招く「Shizuoka Cancer Center Oncology Seminar」をスタートした。英語で講演とディスカッションを行う30分間のウェビナーで、以後月1回開催が予定されている。国内と海外の演者が交互に登壇し、最新のがん診療について学ぶとともに、若手医師が英語で議論する機会をつくることも狙いだ。  セミナー企画の中心となったのは、同センター消化器内科(胆膵)医長の大場 彬博氏。企画の出発点には、従来の院内勉強会をもっと魅力あるものにしたいという思いがあった。

EGFR変異陽性NSCLCに対するオシメルチニブ術後補助療法、8年OS率7割超(ADAURA)/WCLC2026

 完全切除後のEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するオシメルチニブ術後補助療法の8年解析追跡結果が発表され、同レジメンの8年全生存(OS)率は、全体集団(StageIB~IIIA)においても、主要評価集団(StageII~IIIA)においても7割を超えたことが明らかとなった。  この結果は、世界肺がん学会(WCLC2026)において、米国・Dartmouth Cancer CenterのRoy S. Herbst氏が国際共同第III相ADAURA試験の探索的8年OSランドマーク解析の結果を報告したもの。  EGFR変異陽性NSCLCに対するEGFR-TKI術後補助療法は無病生存期間(DFS)改善効果を示したものの、OSの改善効果については複数の臨床試験で認められていなかった。そのような中、ADAURA試験ではDFSとともに、OSについても2023年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2023)で有意な延長が報告されている(5年OS率:88%vs.78%、ハザード比[HR]:0.49、95.03%信頼区間[CI]:0.34~0.70、p<0.0001)。

PD-L1陽性NSCLC1次治療におけるサシツズマブ ゴビテカン+ペムブロリズマブの成績(EVOKE-03/KEYNOTE D46)/WCLC2026

 PD-L1 TPS高発現(50%以上)の転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、サシツズマブ ゴビテカン(SG)とペムブロリズマブの併用療法は、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)の主要評価項目を達成しなかった。世界肺がん学会(WCLC2026)において、ギリシャ・Henry Dunant Hospital CenterのGiannis Mountzios氏が報告した国際共同第III相EVOKE-03/KEYNOTE D46試験の初回解析の結果。

HR+/HER2-転移乳がんへのアベマシクリブ後の治療の検討~日本のリアルワールドデータ

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)で転移のある乳がんの1次治療においてアベマシクリブが広く用いられているが、中止後の治療選択や治療継続期間に関するリアルワールドデータは限られる。今回、国立がん研究センター東病院の内藤 陽一氏らが、日本の医療レセプトデータベースを用い、1次治療でアベマシクリブを投与された患者の治療パターンを検討した結果、アベマシクリブ+非ステロイド性アロマターゼ阻害薬(NSAI)後の2次治療でCDK4/6阻害薬を継続した患者では、ほかの2次治療レジメンより全体の治療中止までの期間(TTD)が数値的に長いことが示された。とくに2次治療でアベマシクリブ+フルベストラントを投与された患者では、2次治療のTTDが長い傾向であったという。Future Oncology誌オンライン版2026年9月11日号に掲載。

SCLCの頭蓋内管理、MRIサーベイランス単独かPCI併用か(SWOG S1827/MAVERICK)/WCLC2026

 初回治療後に脳転移を認めない小細胞肺がん(SCLC)患者において、MRIによる脳サーベイランス単独と、MRIサーベイランスおよび予防的全脳照射(PCI)の併用を比較した第III相試験の結果、認知機能低下または死亡までの期間(CFFS)はMRI単独群で有意に良好であった。  米国・コロラド大学のChad G. Rusthoven氏が、世界肺がん学会(WCLC2026)で発表した第III相無作為化比較試験SWOG S1827/MAVERICKの結果である。  SCLCは脳転移の頻度が高く、予防的治療を行わない場合、約40~60%が脳転移を発症するとされる。PCIは頭蓋内病勢進行を約50%低下させる一方で、認知機能やQOLへの障害を引き起こす。

イサツキシマブ皮下注が多発性骨髄腫の治療とSDMにもたらすもの/サノフィ

 抗CD38抗体薬を含む4剤併用療法の導入により、多発性骨髄腫(MM)の1次治療は進化を遂げている。そのような中、従来の静注製剤に加え、イサツキシマブ(商品名:サークリサ)に皮下注製剤が登場した。サノフィが開催したメディアセミナーでは、日本赤十字社医療センターの鈴木 憲史氏、湘南鎌倉総合病院の佐藤 淑氏が登壇。イサツキシマブによる治療の進展と、皮下注製剤の登場がShared Decision Making(SDM)にもたらす影響を紹介した。  近年、MMの治療成績は向上し、標準リスク患者の約6割が10年生存する時代となっている。

ピロリ除菌の保険適用拡大後、日本の胃がん死亡・罹患はどう推移したか

日本では、2013年2月にHelicobacter pylori(H. pylori)陽性の内視鏡診断慢性胃炎に対する除菌療法が保険適用となり、胃がん予防に関わる診療環境が大きく変化した。一方、この保険適用拡大後の胃がん死亡・罹患数の全国的な推移については、人口高齢化や内視鏡検査の普及などを踏まえた解釈が求められる。そこで、札幌・カレス記念病院の浅香 正博氏らは、2013年の保険適用拡大前後における日本の胃がん死亡および罹患の推移を検討した。その結果、2013年以降、日本の胃がん死亡数は減少し、とくに80歳未満で死亡数の減少が顕著であった。罹患数もその後のピークを経て減少した。本研究結果は、Helicobacter誌2026年9・10月号に掲載された。

男性乳がんに術前化学療法は有効か~SEERデータでの検討

 術前化学療法(NAC)は女性の乳がんで広く行われているが、男性の乳がんにおけるNACの有効性は十分に明らかになっていない。今回、中国・Zhejiang University School of MedicineのLiwei Pang氏らは、SEERデータベースを用いて、男性乳がんに対するNAC後の病理学的完全奏効(pCR)率および全生存期間(OS)をサブタイプ別に検討した。その結果、男性乳がん患者では女性乳がん患者と比較してpCR率が有意に低く、とくにホルモン受容体(HR)+/HER2-およびHR+/HER2+ではNACへの抵抗性がより高かった。また、男性乳がんにおいてpCRはOSの予後因子ではないことが示唆された。Breast Journal誌2026年9月12日号に掲載。