腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

EGFR変異NSCLC、オシメルチニブ+化学療法の日本人解析結果(FLAURA2)/日本臨床腫瘍学会

 EGFR遺伝子変異陽性の進行・転移非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療として、オシメルチニブ+化学療法はオシメルチニブ単剤と比較して、日本人集団においても無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)が良好であった。第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)において、国際共同第III相無作為化比較試験「FLAURA2試験」の日本人集団の結果を柳谷 典子氏(がん研究会有明病院)が報告した。日本人集団のOSの解析結果は、2025年11月に開催された第66回日本肺癌学会学術集会でも報告されていたが、今回はさらに詳細な結果が報告された。

T-DXdが胃がん2次治療に、胃癌学会がガイドライン速報発表

第一三共は2026年3月23日、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd、商品名:エンハーツ)の添付文書改訂が行われ、HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がんの2次治療として使用が可能となったことを発表した。今回の改訂は、2025年6月に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2025)で発表されたDESTINY-Gastric04試験の結果に基づくもの。HER2陽性胃がん/胃食道胃接合部腺がんに対し、T-DXdはそれまでの標準2次治療であるラムシルマブ+パクリタキセル(RAM+PTX)療法と比較して全生存期間(OS)を有意に延長することが示された。

高齢HER2+早期乳がん、術後化学療法省略の判断にHER2DXが有用な可能性(Trans-RESPECT)/日本臨床腫瘍学会

 高齢のHER2陽性早期乳がん患者における長期転帰の予測に、多遺伝子アッセイ「HER2DX」が有用である可能性が示された。また探索的解析の結果、同アッセイによるpCRスコア高値群で術後化学療法の上乗せが有効となることも示唆された。名古屋市立大学臨床研究戦略部の能澤 一樹氏が、RESPECT試験の追加解析「Trans-RESPECT」の結果を、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)で発表した。  RESPECT試験は本邦で実施された第III相無作為化比較試験で、70~80歳のHER2陽性早期乳がん患者を対象に、術後トラスツズマブ単独療法(H群)とトラスツズマブ+化学療法(H+CT群)を比較。

HER2変異陽性NSCLCへのゾンゲルチニブ、脳転移例にも奏効(Beamion LUNG-1)/ELCC2026

 ゾンゲルチニブは、未治療のHER2遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、管理可能な安全性プロファイルとともに高い抗腫瘍活性を示し、活動性脳転移を有する患者においても良好な頭蓋内活性を示した。欧州肺がん学会(ELCC2026)において、John V. Heymach氏(米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンター)が、国際共同第Ia/Ib相試験「Beamion LUNG-1試験」のコホート2(未治療のチロシンキナーゼドメイン[TKD]の変異陽性患者)、およびコホート4(ベースライン時に活動性脳転移を有するTKDの変異陽性患者)の結果を報告した。

肝がん、TACE後のアテゾリズマブ+ベバシズマブが有用(TALENTACE)/日本臨床腫瘍学会

 Intermediate Stage(中間期)の肝細胞がん(HCC)に対して、TACE(肝動脈化学塞栓療法)が標準治療として広く用いられているものの、腫瘍負荷の高いHCCではその有効性は限定的である。TACE後にアテゾリズマブ+ベバシズマブを投与することで予後が改善する可能性があることが報告された。中国と日本のHCC患者を対象に行われたTALENTACE試験の結果を、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)のPresidential Sessionで近畿大学の工藤 正俊氏が発表した。

1次治療前のがん遺伝子パネル検査の結果が生存期間を延長する可能性(FIRST-Dx)/日本臨床腫瘍学会

 1次治療前からのがん遺伝子パネル検査(CGP検査)は推奨治療を受けた患者の生存を改善するという結果が第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)において報告された。  日本でのCGP検査は2019年6月から保険診療で実施可能となったが、その適応は「標準治療がない、もしくは終了した症例」に限られている。そのため、CGP検査の結果から、有効な治療薬に到達する割合は低い。厚生労働省第12回がんゲノム医療中核拠点病院等連絡会議資料では、CGP検査結果に基づいた治療を実際に受けた症例は8.2%にとどまる。

多臓器mCRC、腫瘍減量療法追加で全生存期間は改善するか/JAMA

 多臓器の転移を有する大腸がん(mCRC)患者の治療では、局所治療と全身療法の併用が生存率を改善する可能性が、多くの後ろ向き研究で示唆されている。オランダ・Radboud University Medical CenterのElske C. Gootjes氏らORCHESTRA Study Groupは、この課題を前向きに検討し(ORCHESTRA試験)、緩和的全身化学療法単独と比較して、全身療法に局所治療として腫瘍減量療法を加えても、全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)は改善せず、重篤な有害事象が有意に増加することを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年3月16日号に掲載された。

転移乳がんへのサシツズマブ ゴビテカン、アジアを含む安全性統合解析/日本臨床腫瘍学会

 サシツズマブ ゴビテカン(SG)は、既治療で転移を有するトリプルネガティブおよびHR+/HER2-乳がん患者を対象とした複数の臨床試験において、標準治療と比較して患者の転帰を大幅に改善し、安全性プロファイルは管理可能であることが示されている。今回、米国やカナダ、欧州、アジアで実施された試験でSGを投与された転移乳がん患者の安全性データを統合した解析結果を、米国・UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのHope S. Rugo氏が第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)で発表した。

再発・難治性濾胞性リンパ腫へのエプコリタマブ+R2併用療法のEPCORE FL-1試験、日本人解析を含む最新データ/日本臨床腫瘍学会

 1ライン以上の治療歴を持つ濾胞性リンパ腫に対するエプコリタマブ+R2(レナリドミド+リツキシマブ)療法とR2療法を比較した国際第III相試験であるEPCORE FL-1試験において、規定された2回目の中間解析から得られた、日本人データを含む最新版のデータについて、がん研究会有明病院の丸山 大氏が第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)で発表した。エプコリタマブ+R2療法群はR2療法群に比べ、有意に高い全奏効割合(ORR)と無増悪生存期間(PFS)の延長が認められ、日本人集団の追跡期間は短いものの全体集団の結果と一貫していることが示唆された。

HER2陽性転移乳がん1次治療、pyrotinib上乗せで予後改善/BMJ

 中国・Cancer Hospital Chinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical CollegeのFei Ma氏らは、中国の40施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「PHILA試験」の主要評価項目である、治験責任医師評価による無増悪生存期間(PFS)の最終解析結果を報告した。未治療のHER2陽性転移乳がんに対するトラスツズマブ+ドセタキセルへのpyrotinib併用は、プラセボ併用と比較してPFSの有意な改善が維持されており、全生存期間(OS)においても改善傾向が認められたという。安全性プロファイルは中間解析結果と一致しており、長期追跡期間中に新たな安全性に対する懸念は認められなかった。著者は、「今回の解析結果は、同患者集団に対する治療戦略として、pyrotinib+トラスツズマブによる抗HER2併用療法の有効性を裏付けるものである」とまとめている。BMJ誌2026年3月16日号掲載の報告。