腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

既治療の再発・難治性多発性骨髄腫、mezigdomide追加が有効/Lancet

 主に抗CD38抗体薬やレナリドミドによる治療に抵抗性を示す多発性骨髄腫において、セレブロンE3リガーゼ調節薬であるmezigdomideとカルフィルゾミブ+デキサメタゾンの併用(MeziKd)は、カルフィルゾミブ+デキサメタゾン(Kd)と比較して無増悪生存期間(PFS)の有意な延長をもたらし、感染症を含むGrade3または4の有害事象の頻度が高いものの管理可能であることが、ギリシャ・アテネ大学のMeletios A. Dimopoulos氏らが実施した「SUCCESSOR-2試験」の中間解析で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2026年6月14日号に掲載された。

プラチナ抵抗性卵巣がんに対するrelacorilant+nab-パクリタキセル、タキサン既治療例でも良好な結果(ROSELLA試験)/ASCO2026

 プラチナ抵抗性再発卵巣がん(Platinum-Resistant Ovarian Cancer、以下PROC )に対するグルココルチコイド受容体拮抗薬relacorilantとnab-パクリタキセルの併用は、全集団およびタキサン既治療群において生存ベネフィットを示した。relacorilantの第III相試験であるROSELLA試験についてLucy Gilbert氏(カナダ・McGill University)が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。  コルチゾールがグルココルチコイド受容体(GR)を介して伝えるシグナルは、腫瘍細胞の化学療法に対する感受性を低下させることが明らかとなっている。

GLP-1受容体作動薬、肥満関連がんの進行を抑制か

 新たな研究により、GLP-1受容体作動薬が一部の肥満関連がんの転移進行リスクを抑制する可能性が示された。GLP-1受容体作動薬はもともと糖尿病治療薬として開発されたが、現在は肥満症や心血管疾患の治療にも広く用いられている。米Taussig Cancer InstituteのMark David Orland氏らによるこの研究結果は、米国臨床腫瘍学会(ASCO 2026、5月29~6月2日、米シカゴ)で発表された。  米フォックス・チェイスがんセンターで支持療法腫瘍学・緩和ケアプログラム責任者を務めるMarcin Chwistek氏は、「GLP-1受容体作動薬は、これまでも単なる血糖降下薬ではなかった。その抗炎症作用および免疫調節作用から、以前より幅広い作用を持つことが示唆されている」と述べている。

転移・再発乳がんへのパルボシクリブ、1次治療vs.2次治療~日本人大規模RWデータで検証

 HR+/HER2-転移・再発乳がん患者において、1次治療として内分泌療法とCDK4/6阻害薬の併用療法が推奨されている。一方で、1次治療の期間は長期にわたるため、CDK4/6阻害薬特有の有害事象や経済毒性は無視できない課題となっている。CDK4/6阻害薬の1次治療使用群と2次治療使用群を比較した第III相無作為化比較試験(SONIA試験)では、2次治療での使用の妥当性が示された。東京医科大学の石川 孝氏らは、パルボシクリブ治療に関する日本における大規模多施設共同前向き観察研究を実施。その結果、SONIA試験の知見をリアルワールドデータで支持する結果が得られ、パルボシクリブを2次治療で導入する治療戦略の妥当性が示された。Breast Cancer Research誌オンライン版2026年5月29日号掲載の報告。

“患者・市民の医療情報アクセス向上”のためのコンソーシアム発足

 患者・市民が治療選択や医療用医薬品の適正使用に必要な情報へ適切にアクセスできる環境整備を目指すため、「患者・市民の医療情報アクセス向上コンソーシアム」(代表世話人:奥瀬 正紀氏、垣添 忠生氏、片木 美穂氏、武川 篤之氏)が2026年7月1日に正式に発足した。  本コンソーシアムは、患者・市民が必要な医療情報へ適切にアクセスできる社会の実現を目的として設立されたマルチステークホルダーによる連携組織として、がんに限らずさまざまな疾患にわたって、患者団体を中心に、医療関係者、有識者、関係団体などが連携し、疾患啓発、治療選択、適正使用などに関する情報提供の在り方について議論・提言を行っていく。

便潜血単独法に対してピロリ菌便中抗原の同時併用検査の有用性は(解説:上村直実氏)

がんの中でも早期発見により死亡率が著明に減少するだけでなく、がんの予防にも連なる有用性が明らかになっている大腸がんと胃がん検診(スクリーニング)が世界中で注目されている。わが国の大腸がん検診は便潜血免疫検査(FIT)、胃がんに対してはバリウム検査と内視鏡検査を用いる従来の検診法が踏襲されている。最近、人間ドックや企業検診でピロリ菌感染の検査や血中ペプシノゲン検査による胃がんリスク検診も導入されつつあるが、検診の精度や費用対効果に関して従来法と比較した研究報告は見当たらない。

日本におけるがん薬剤費は10年で3倍に、総医療費最大は肺がん

 日本の全国レセプトデータベース(NDB)を用いて、2011~22年にがん診療を受けた約2,320万人を対象とした大規模解析が実施された。その結果、がん診療に伴う医療費は日本の経済成長率を大きく上回るペースで増加しており、とくに免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を中心とする新規抗がん薬が医療費増加の主要因であることが明らかになった。京都大学の福山 啓太氏らによる研究はScientific Reports誌オンライン版2026年6月15日号に掲載された。

HER2陽性胃がんに対する二重特異性抗体薬zanidatamabの有用性―トラスツズマブとの比較試験(解説:上村直実氏)

最近、分子標的薬を含む生物学的製剤の開発が進み、がん診療において効率の良い治療レジメンを選択するためにバイオマーカー検査が必須となっているが、胃がん治療でも「HER2」「PD-L1」「MSI」「Claudin18.2」の4つのバイオマーカー検査の確立に伴って切除不能胃がんに対する薬物療法が急激な変化を遂げている。HER2陽性胃がんに対する標準治療は、従来の化学療法に抗HER2モノクローナル抗体のトラスツズマブを追加した3剤併用療法が標準的1次治療として推奨されているが、今回、日本を含む33ヵ国の無作為化第III相試験の結果、2つの抗原を同時に標的とする二重HER2標的抗体薬であるzanidatamab+抗PD-1抗体チスレリズマブと化学療法の併用もしくはzanidatamab+化学療法の併用治療が、従来の標準治療であるトラスツズマブ+化学療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが2026年5月のNEJM誌に報告された。

転移TN乳がん1次治療におけるDato-DXd、TROPION-Breast02の日本人サブ解析/日本乳癌学会

 免疫療法が適応とならない未治療の局所再発・切除不能/転移トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を対象に、ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd)の1次治療としての有効性と安全性を治験責任医師選択の化学療法(ICC)と比較した国際第III相TROPION-Breast02試験における日本で登録された38例での解析結果を、福島県立医科大学の佐治 重衡氏が第34回日本乳癌学会学術総会で報告した。  本試験では、ITT集団において全生存期間(OS)および盲検下独立中央判定(BICR)による無増悪生存期間(PFS)が、Dato-DXd群で有意な改善が認められたことがESMO2025で報告されている。

初発または再発の進行dMMR/MSI-H子宮体がんにdostarlimab+化学療法は長期PFSベネフィットを維持(RUBY)/ASCO2026

 ミスマッチ修復機能欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有する初発または再発の進行子宮体がん患者に対し、dostarlimabと化学療法の併用療法は、長期にわたる無増悪生存(PFS)ベネフィットを維持した。また、混合治癒モデル(mixture cure model[MCM解析])による推定治癒割合は50%を超えることが示された。  この結果はENGOT-EN6-NSGO/GOG-3031/RUBY試験の4年長期追跡および治癒モデリングに関する事後解析によるもの。米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)において、Matthew A. Powell氏(米国・ワシントン大学)が発表した。