腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

新規診断AML、経口decitabine-cedazuridine+ベネトクラクスが有用/NEJM

 新たに診断された75歳以上または強力な寛解導入療法非適応の急性骨髄性白血病(AML)患者において、経口decitabine-cedazuridineとベネトクラクスの併用療法により、骨髄抑制作用が認められたものの、薬物相互作用を起こすことなく約半数の患者で完全寛解が認められた。米国・New York Presbyterian HospitalのGail J. Roboz氏らが、第I/II相多施設共同非盲検非無作為化臨床試験「ASCERTAIN-V(ASTX727-07)試験」の結果を報告した。75歳以上または強力な寛解導入療法非適応のAML患者に対しては、アザシチジンまたはdecitabineとベネトクラクスの併用療法が標準治療であるが、非経口投与は患者と医療従事者の双方に負担となっている。

病理像とゲノムをつなぐ空間統合解析の最前線/日本臨床腫瘍学会

 がんの病態は、腫瘍細胞そのものの遺伝子異常だけでなく、それを取り巻く微小環境や、組織内で細胞がどう配置されているかといった“空間情報”にも大きく左右される。こうした背景から、複雑な組織情報をこれまで以上に精緻かつ統合的に捉えることの重要性が高まっている。  2026年3月26~28日に開催された第23回日本臨床腫瘍学会学術集会のシンポジウム「がん組織の空間情報の抽出と基盤AIモデル」において、中岡 博史氏(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先端治療科学専攻 医療情報解析学講座 データサイエンス分野)により、がんや関連病変の多様性を空間的視点から読み解く最新研究が紹介された。

がん診療初心者でも学べる!楽しめる!第16回亀田総合病院腫瘍内科セミナー【ご案内】

 2026年7月19日(日)に、第16回亀田総合病院腫瘍内科セミナーが御茶ノ水での現地開催とWeb上のLIVE配信のハイブリッド形式で開催される。白井 敬祐氏(ダートマス大学腫瘍内科)、池田 貞勝氏(東京科学大学病院がんゲノム診療科)、小山 隆文氏(国立がん研究センター中央病院先端医療科)を講師として迎え、がん診療総論、がん患者の救急対応、チーム医療のTipsやコミュニケーション方法、そしてゲノム診療など幅広い領域を扱う。また、亀田総合病院腫瘍内科スタッフによる「実臨床における思考過程」を解説する講座も用意されているほか、同科の日常診療を体験できるワークショップも企画されている。

高リスクDLBCLの初回治療、タファシタマブ+レナリドミド+R-CHOPでPFS延長/Lancet

 未治療の高リスクびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者の約40%は、初回治療のR-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、prednisoneまたはプレドニゾロン)で再発・進行に至る。ドイツ・University Hospital MunsterのGeorg Lenz氏らMIND Study Investigatorsは、DLBCLを含む高リスクB細胞リンパ腫を対象とした検討(frontMIND試験)で、R-CHOP+タファシタマブ(Fc領域を改変した抗CD19モノクローナル抗体)+レナリドミド(tafa-len-R-CHOP)療法がR-CHOP療法と比較し、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことを示した。ただし、追加併用により、治療中に発現し死亡に至った有害事象(TEAE)を含む有害事象の増加が認められた。

EGFR遺伝子変異陽性肺がんの耐性機序と新規治療から見た今後の展望/日本臨床腫瘍学会

 EGFR遺伝子変異陽性肺がんの治療は、分子標的薬の登場によって大きく進歩してきた。一方で、治療経過で生じる薬剤耐性、EGFRエクソン20挿入変異やHER2変異をはじめとする uncommon 変異への対応、さらに治療シークエンスや併用療法に伴う有害事象の管理など、なお多くの課題が残されている。  2026年3月26〜28日に開催された第23回日本臨床腫瘍学会学術集会のシンポジウム「EGFR遺伝子変異陽性肺癌の治療課題と新規治療の展望」では、EGFR変異陽性肺がん診療が直面する近年の課題を踏まえ、その解決に向けた最新のエビデンスや治療戦略について幅広い議論が交わされた。

転移APMS前立腺がん、タラゾパリブ追加でPFS改善(TALAPRO-3)/NEJM

 相同組み換え修復遺伝子に変異を有する転移のあるアンドロゲン経路修飾感受性(APMS)前立腺がんの治療において、タラゾパリブ(PARP阻害薬)+エンザルタミドはプラセボ+エンザルタミドと比較して、画像評価に基づく3年無増悪生存率(PFS)が有意に優れ、その一方で重篤な有害事象が多く発現することが、米国・ユタ大学のNeeraj Agarwal氏らが実施した「TALAPRO-3試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年5月30日号で発表された。  TALAPRO-3試験は、日本を含む27ヵ国266施設で進行中の第III相二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験(Pfizerの助成を受けた)。

HER2+およびTN早期乳がん、腫瘍径とリンパ節転移の関連

 2021年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)ガイドラインでは、リンパ節転移陽性またはT1c以上のHER2陽性(HER2+)およびトリプルネガティブ(TN)早期乳がんに対して術前全身療法を推奨しているが、臨床的にはリンパ節転移陰性のT1c腫瘍の管理に関しては議論が続いている。今回、カナダ・トロント大学のYerin R. Lee氏らは、T1-T2のHER2+およびTN乳がんにおける腫瘍径とリンパ節転移の関連を評価し、T1c腫瘍におけるリンパ節転移陽性の予測因子を検討した。その結果、HER2+およびTN乳がんにおいて、T1a/bであってもリンパ節転移率は高く、T1cではホルモン受容体陰性(HR-)/HER2+および50歳以下がリンパ節転移リスクの独立した予測因子であることが示唆された。Annals of Surgical Oncology誌2026年7月号に掲載。

ALK-TKI既治療のALK陽性進行NSCLCに新規ALK-TKIのneladalkibが有望(ALKOVE-1)/ASCO2026

 既治療の進行ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、新たなALK-TKIのneladalkibが、有望な抗腫瘍効果と忍容性を示した。同剤は同時に頭蓋内病変やALK G1202R耐性変異例に対しても良好な奏効を示している。neladalkibの第I/II相試験であるALKOVE-1のNSCLCコホートの初回解析結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)において、Jessica J. Lin氏(米国・Mass General Brigham Cancer Institute)が発表した。  TRKは、ヒトの神経系の発達、痛み、記憶などの調節に重要な役割を果たしている。多くのALK阻害薬はTRKファミリーも阻害してしまう。これが同薬によるCNS系の副作用の原因とされる。neladalkibはALKを阻害しつつ正常なTRKの阻害を避けるように設計されたTKIである。さらに良好な脳移行性を有し、G1202Rを含むALK獲得耐性にも対応する。

米国がん協会、大腸がん検診の改訂ガイドラインを公表

 米国がん協会(ACS)はこのほど、医療機関で受ける血液検査を大腸がん検診に使用できるとする大腸がん検診の改訂ガイドラインを公表した。同ガイドラインではまた、便中の血液とがんに関連するDNAマーカーの両方を検出できる自宅検査キット「Cologuard」の使用も推奨されている。ガイドラインの全文は、「CA: A Cancer Journal for Clinicians」に5月27日掲載された。  ガイドラインをまとめた研究グループによると、今回の改訂は、専門家らが大腸がん検診のさらなる普及と罹患率の低下を推し進めようとする中で行われた。

ALK陽性NSCLC、術前ロルラチニブでpCR 46.9%(LORIN)/ASCO2026

 ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)において、StageIB~IIIAに対する術後アレクチニブの有効性が示されている。一方、局所進行例や切除不能StageIIIに対する周術期治療のエビデンスは限定的である。第3世代ALKチロシンキナーゼ阻害薬のロルラチニブは、ALK融合遺伝子陽性の進行NSCLCで高い有効性を示しており、術前治療としての有用性も注目される。  そこで、Chao Zhang氏(中国・Guangdong Lung Cancer Institute)らの研究グループは、ALK融合遺伝子陽性のStageIII NSCLCに対する術前ロルラチニブの有効性と安全性を検討する海外第II相試験「LORIN試験」を実施した。