腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

HR+/HER2-乳がん、2回目の同側局所再発後の転帰

 早期乳がん患者において、局所再発(LRR)は遠隔転移および乳がん関連死亡リスクの増加と関連しているが、2回連続して同側LRRを経験した場合の転帰に関するデータはきわめて少ない。今回、イタリア・European Institute of OncologyのMonica Milano氏らは、ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)乳がんで2回の同側LRRを経験した患者の転帰について単施設コホート研究で評価した。その結果、約半数の患者で7年以内に無浸潤性乳がん生存(IBCFS)イベントが発生し、とくに内分泌療法抵抗性や胸壁・領域リンパ節再発で予後不良の傾向が示された。eClinicalMedicine誌2026年8月31日号に掲載。

重度腹膜転移を伴う進行胃がん、mFOLFOX6は選択肢か

腹腔全体に及ぶ大量腹水や輸液補助を要する経口摂取不良を伴う重度腹膜転移を有する進行胃がん患者は、主要な臨床試験から除外されてきた。そこで、愛知県がんセンター薬物療法部の舛石 俊樹氏らは、重度腹膜転移を有するHER2陰性・化学療法未治療の進行胃がん患者を対象に、mFOLFOX6療法を評価する第II相試験「WJOG10517G」を実施した。その結果、mFOLFOX6療法は忍容可能で、治療選択肢となりうることが示された。本研究結果は、Gastric Cancer誌オンライン版2026年8月27日号に掲載された。

T-DXd関連ILD、日本人の胃がん・乳がん患者で死亡例に多い所見は?

トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)に関連する間質性肺疾患(ILD)/肺臓炎は、治療継続や生命予後に関わる重要な有害事象である。そこで、愛知県がんセンター呼吸器内科の藤原 豊氏らは、日本人の乳がんおよび胃がん患者を対象とした市販後全例調査のデータを用いて、独立したILD判定委員会により判定されたT-DXd関連ILDの臨床的・画像的特徴を検討した。その結果、多くは軽度~中等度で副腎皮質ステロイドに反応した一方、びまん性肺胞傷害(DAD)パターンは死亡例に多くみられた。本研究結果は、The Oncologist誌オンライン版2026年9月7日号に掲載された。

卵巣がん患者の17.1%が診断後3年で心血管イベントを発症/Gynecol Oncol

 卵巣がん患者は、非がん患者と比較して心血管イベントリスクが増加していることが明らかになった。また、その傾向は若年患者(55歳未満)においてより顕著であった。  婦人科がん患者の間では心血管疾患(CVD)の負担が大きいとされる。治療の進歩により生存率が向上するにつれ、CVDの脅威は増大している。  卵巣がんとCVDの関係は十分に解明されていないものの、卵巣がんの両側卵巣摘出術(外科的閉経)は、エストロゲンの心臓保護効果の喪失を介してCVDリスクの上昇に関与しているとされる。

未治療AML、アザシチジン+ベネトクラクスが有望/NEJM

 寛解導入化学療法が適応の急性骨髄性白血病(AML)患者の治療において、アザシチジン+ベネトクラクス併用療法は寛解導入化学療法と比較して、無イベント生存期間(EFS)を有意に延長し、予後不良例が多数であるにもかかわらず多くの患者で造血幹細胞移植への移行が可能になったことが、米国・ハーバード大学のAmir T. Fathi氏らによる「PARADIGM試験」の結果で報告された。AMLの治療では、重篤な副作用が頻発し、医療資源の多大な消費を伴うにもかかわらず、長年にわたり寛解導入化学療法が重要な根治的治療とされ、その対象とならない患者に対しては、低メチル化薬とベネトクラクス(BCL2阻害薬)の併用が、初期治療の標準となっている。研究の成果は、NEJM誌2026年9月3日号に掲載された。

ピロリ菌感染、胆道がんや膵がんリスクとの関連は/愛知県がんセンターほか

胃がんの確立したリスク因子であるHelicobacter pylori(H. pylori)感染は、胆道がん(BTC)や膵がん(PC)にも関与する可能性が指摘されているが、これまでのエビデンスは一貫していない。また、生殖細胞系列病的バリアントがH. pylori感染と胃がんリスクとの関連を修飾する可能性がある一方、BTCやPCでの役割は明らかではない。そこで、愛知県がんセンター研究所の山本 清花氏らは、日本人集団を対象に、遺伝的感受性や生活習慣因子を考慮してH. pylori感染とBTCおよびPCリスクとの関連を検討した。その結果、BTCリスクとの有意な関連は認められなかったが、PCではH. pylori感染指標とリスクの関連が、発生部位によって異なる可能性が示された。本研究結果は、International Journal of Cancer誌オンライン版2026年7月14日号に掲載された。

胃がん前がん病変、サブタイプ別の進行率~メタ解析

胃の腸上皮化生(IM)および異形成は胃がんの前がん病変とされるが、サブタイプ別の有病率や胃がんへの進行リスクについては十分に整理されていない。そこで、米国・Weill Cornell Medical College of Cornell UniversityのYende Grell氏らは、IMおよび異形成のサブタイプ別の有病率や胃がんへの進行リスクを、世界的なデータを用いてシステマティックレビューおよびメタ解析で検討した。その結果、不完全型IMおよび高異型度異形成(HGD)では、対応するほかのサブタイプと比べて胃がんへの進行率が高かった。本研究結果は、Clinical Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2026年9月1日号に掲載された。

骨盤リンパ節郭清のAI支援、医師の認識能を向上/国立がん研究センター、Jmees

 骨盤リンパ節郭清においてAIによる支援は外科医の重要な解剖学的構造の認識を向上させることがわかった。  骨盤リンパ節郭清は、大腸がんや子宮頸がん、前立腺がん、膀胱がんなどの手術において、がんのリンパ節転移の確認とともに、転移のあるリンパ節を切除し再発を防ぐ重要な手術手技である。しかし、骨盤内には血管、神経、尿管などの重要な臓器および組織が存在しており、これらを損傷すると重大な合併症につながる可能性がある。そのため、手術には高度な解剖学的知識と技術が求められる。

新規汎RAS阻害薬daraxonrasib、NSCLCへの有用性は?/NEJM

 プラチナ製剤併用化学療法および抗PD-1/PD-L1抗体で病勢進行が認められたRAS変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者は、治療選択肢が限られている。また、RAS遺伝子ファミリー(KRAS、HRAS、NRASを含む)の変異は、NSCLCにおいて最も頻度の高いがんドライバー遺伝子で、NSCLC患者の約30%に認められる。しかし、その大部分には承認された標的治療薬が存在しない。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのKathryn C. Arbour氏らRMC-6236-001 Investigatorsは、第I/II相用量設定試験「RMC-6236-001試験」において、RAS変異を有する固形腫瘍患者に対する経口RAS(ON)マルチ選択的阻害薬daraxonrasib(RMC-6236)の安全性と有効性を評価した。

IBD患者の大腸がん発生、家族歴でどこまで増える?

炎症性腸疾患(IBD)では大腸がん(CRC)リスクが高いことが知られており、CRC家族歴も重要なリスク因子とされる。一方、IBD患者においてCRC家族歴がCRC発生に及ぼす影響を検討した研究は少ない。そこで、スウェーデン・カロリンスカ研究所のAsa H. Everhov氏らは、IBD患者とマッチさせた一般人口対照を対象に、CRC家族歴別のCRC発生率と発生率差、およびIBDとCRC家族歴の相互作用を検討した。その結果、CRC家族歴はIBD患者と一般人口対照のいずれにおいても絶対尺度では同程度にCRC発生を増加させ、増加幅はCRC罹患者が複数いる場合に最も大きかった。本研究結果は、Gastroenterology誌オンライン版2026年9月3日号に掲載された。