腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

再発・難治性多発性骨髄腫、トアルクエタマブ+ダラツムマブ±ポマリドミドでPFS延長/NEJM

 トアルクエタマブは、骨髄腫細胞表面に発現するGタンパク質共役型受容体クラスCグループ5メンバーD(GPRC5D)と、T細胞上に発現するCD3受容体を標的とする二重特異性抗体。本薬は、正常B細胞への作用は限定的であり、管理可能な感染症プロファイルを示すため併用療法への組み込みが可能とされる。イタリア・トリノ大学のRoberto Mina氏らMonumenTAL-3 Investigatorsは「MonumenTAL-3試験」において、既治療の再発・難治性多発性骨髄腫患者では、トアルクエタマブ+ダラツムマブ+ポマリドミド(Tal-DP)およびトアルクエタマブ+ダラツムマブ(Tal-D)はダラツムマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン(DPd)による標準治療と比較して、2年の時点での無増悪生存率が有意に優れ、全生存率も良好であることを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年6月13日号に掲載された。

monarchE試験、日本人サブグループの長期解析結果/日本乳癌学会

 HR+/HER2-でリンパ節転移陽性の高リスク早期乳がんに対する術後内分泌療法(ET)へのアベマシクリブ追加の有用性を検討したmonarchE試験では、浸潤疾患生存期間(iDFS)、無遠隔再発生存期間(DRFS)および全生存期間(OS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が示され、アベマシクリブ併用の内分泌療法は再発抑制のための重要な標準治療の1つとして推奨されている。今回、同試験に登録された日本人患者における長期(追跡期間中央値76ヵ月)の有効性および安全性を評価したサブグループ解析の結果を、中山 貴寛氏(大阪国際がんセンター)が第34回日本乳癌学会学術総会で発表した。

進行・再発子宮体がん、ペムブロリズマブ+化学療法の長期OS結果(NRG-GY018)/ASCO2026

 進行または再発の子宮体がんに対し、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法はミスマッチ修復機能欠損(dMMR)およびミスマッチ修復機能正常(pMMR)のいずれのコホートにおいても、標準的な化学療法単独と比較して長期的な全生存期間(OS)の改善効果を維持した。  第III相無作為化比較試験NRG-GY018の長期追跡によるOSおよび後治療に関する解析結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)において、Ramez N. Eskander氏(米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校)が発表した。

がん関連VTEのDOACによる出血リスク、新たな予測モデルが有用か

 直接経口抗凝固薬(DOAC)治療を受けるがん関連静脈血栓塞栓症(VTE)患者を対象に開発された出血リスク予測モデル「ONCO-DOAC BLEEDスコア」は、既存の出血リスクスコアと比較して大出血リスクを良好に層別化できることが示された。本結果は京都府立医科大学循環器内科の長井 智之氏や中西 直彦氏ら(COMMAND VTE Registry-2)が報告し、JACC:CardioOncology誌2026年6月号に掲載された。  本研究グループは、国内31施設において2015年1月~2020年8月の期間に、急性の症候性の肺塞栓症および深部静脈血栓症と診断された患者5,197例を登録した多施設共同の観察研究「COMMAND VTE Registry-2」のデータを使用。

プラチナ感受性再発卵巣がんに対するmirvetuximab soravtansine+カルボプラチンの結果(MIROVA/AGO-OVAR 2.34)/ASCO2026

 プラチナ感受性進行再発卵巣がんに対し、新たな抗体薬物複合体(ADC)であるmirvetuximab soravtansine(MIRV)とカルボプラチンの併用療法が高い抗腫瘍効果を示した。しかし、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の延長は示されなかった。  プラチナ感受性進行再発卵巣がんに対し、カルボプラチン・MIRV併用療法のfeasibilityと有効性を評価する国際共同無作為化第II相試験の初回解析結果が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表された。発表者はPhilipp Harter氏(ドイツ・Ev. Kliniken Essen-Mitte)。

ガソリンスタンドの近くに住む子どもはがんリスク上昇の可能性

 ガソリンスタンドの近くに住む子どもは、白血病やその他の小児がんを発症するリスクが高い可能性のあることが報告された。モントリオール大学(カナダ)のStephane Buteau氏らの研究の結果であり、詳細は「Environmental Pollution」に4月1日掲載された。  この研究から、自宅からガソリンスタンドまでの距離が近いほど、子どものがんリスクが高い傾向が示された。統計学的には明確な有意差は認められなかったものの、100m以内ではリスクの上昇が認められた。また、研究者らによると、蒸気回収システム(給油時などに気化したガソリンが大気中に放出される量を減らす装置)の設置を義務付ける条例がある地域では、リスク上昇は小さい傾向がみられたという。

GLP-1受容体作動薬が乳がんの治療成績を改善する可能性

 血糖コントロールや肥満症の治療のために用いられているGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)が、一部の乳がん患者の予後改善につながる可能性を示唆するデータが報告された。肥満または糖尿病のある乳がん患者では、同薬の使用の有無によって全死亡や再発のリスクに有意差が見られるという。米VCUマッセイ総合がんセンターのBernard Fuemmeler氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に5月11日掲載された。  これまでの研究から、肥満や2型糖尿病を有する乳がん患者は、生存率が低い傾向にあることが示されている。

IDH1変異陽性胆道がんに対するイボシデニブ、国内初のIDH1阻害薬として承認/日本セルヴィエ

 日本セルヴィエは2026年6月19日、IDH1遺伝子変異陽性の切除不能な胆道がんを対象として、イボシデニブ(商品名:ティブソボ)の適応追加承認を取得したと発表した。適応は「がん化学療法後に増悪したIDH1遺伝子変異陽性の治癒切除不能な胆道癌」であり、国内初のIDH1遺伝子変異を標的とした胆道がん治療薬となる。  胆道がんは胆管がん、胆のうがん、十二指腸乳頭部がんからなり、多くが進行期に診断されるため予後不良である。なかでも肝内胆管がんは近年国内で増加傾向にあり、10~20%の症例にIDH1遺伝子変異が認められると報告されている。これまで国内では、胆道がんに対するIDH1変異標的薬は承認されておらず、2次治療以降の選択肢は限られていた。

メル・ギブソン氏の発言後、イベルメクチンの併用処方が倍増

 俳優のメル・ギブソン(Mel Gibson)氏が、著名なポッドキャストで抗寄生虫薬イベルメクチンを「がんに有効な適応外治療」として宣伝して以降、同薬を含む併用処方数が倍増したことが、新たな研究で報告された。2025年1月、ギブソン氏はジョー・ローガン(Joe Rogan)氏のポッドキャスト番組「The Joe Rogan Experience」で、ステージ4のがんに罹患していた3人の友人が、イベルメクチンとフェンベンダゾールの併用療法により回復したと語った。フェンベンダゾールは、動物用としてのみ承認されている駆虫薬である。

多発性骨髄腫治療薬イサツキシマブ、皮下注射製剤の承認取得/サノフィ

 サノフィは2026年6月19日、イサツキシマブ(商品名:サークリサ)について、皮下注射製剤の製造販売承認を取得した。この承認は、多発性骨髄腫に対する、ポマリドミド・デキサメタゾン併用療法(Pd)、カルフィルゾミブ・デキサメタゾン併用療法(Kd)、ボルテゾミブ・レナリドミド・デキサメタゾン併用療法(VRd)を対象としている。  今回の承認により、イサツキシマブは点滴静注製剤に加え、皮下注射製剤による提供が可能になる。皮下注射製剤では、市販のシリンジを用いた手動による皮下投与が可能になり、静脈内投与と比較して投与に要する時間の大幅な短縮が可能で、患者さんや医療従事者の負担を軽減することが期待される。