腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

胃癌学会の認定施設、術後死亡率リスクを有意に低下

 2023年に日本胃癌学会は胃がん診療の質を担保するため、関連する専門医の在籍数、手術数を主な認定基準とした「機関認定制度」をスタートさせた。2026年1月現在、最高水準の「認定施設A」が149、それに次ぐ「認定施設B」が299ある。一方で、この制度が実際の診療の質向上につながるのかは明らかでなかった。鳥取大学の松永 知之氏による研究チームは、2020〜22年に実施された遠位胃切除術および胃全摘術を対象に、認定施設と非認定施設の術後短期成績を比較する後ろ向きコホート研究を実施した。  全国臨床データベース(NCD)登録例を用い、2020年1月~2022年12月に実施された遠位胃切除術および胃全摘術を受けた患者を対象とした。

歯の本数と死因別死亡の関連を検証、入れ歯使用でリスクが減弱か——4.4万人の7年追跡研究

 高齢者で歯を失うことは死亡リスクの上昇と関連することが知られてきたが、入れ歯やブリッジなどの補綴物がその影響をどこまで緩和するのかは明確ではなかった。今回、国内4.4万人を7年間追跡した研究で、残存歯が少ないほど複数の死因で死亡率が高まり、補綴物の使用でそのリスクが弱まる可能性が示された。研究は、東北大学大学院歯学研究科地域共生社会歯学講座国際歯科保健学分野のFaiz Abdurrahman氏、草間太郎氏、竹内研時氏らによるもので、詳細は11月19日付で「Scientific Reports」に掲載された。

転移乳がんへのT-DXd+放射線療法、重篤な毒性増加は示されず

 転移を有するHER2陽性またはHER2低発現の乳がん患者において、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)と放射線の併用療法は治療上の利点が期待される一方で、安全性と実現可能性に関するエビデンスは限られている。今回、T-DXd治療と放射線療法を同時に併用しても重篤な毒性や治療継続を妨げる毒性の増加は認められなかったことを、イタリア・Azienda Ospedaliero-Universitaria CareggiのLuca Visani氏らが明らかにした。The Breast誌2026年1月2日号掲載の報告。  転移乳がんの治療では全身治療が病勢コントロールの中心であるが、放射線療法も症状緩和や局所制御のために用いられる。そこで研究グループは、T-DXd治療中に放射線療法を同時に併用しても安全かどうかを後ろ向きに検証した。

リスクベースvs.年1回の乳がん検診、乳がん発生率や生検率を比較/JAMA

 集団ベースの遺伝子検査を含むリスクに基づく乳がん検診について、StageIIB以上の乳がん発生率が従来の年1回の検診に対し非劣性で、生検率は低減しないものの、個々のリスクに基づく検診の強度、検診法、開始年齢の層別化の安全にもつながることが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のLaura J. Esserman氏らが実施した「WISDOM試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2025年12月12日号で報告された。  米国の実践的無作為化臨床試験 WISDOM試験は、全米50州で行われた実践的な並行群間無作為化臨床試験であり、2016年9月~2023年2月に、40~74歳で、乳がんや非浸潤性乳管がん(DCIS)の既往歴がなく、予防的両側乳房切除術を受けていない女性2万8,372人を登録した(Patient-Centered Outcomes Research Institute[PCORI]などの助成を受けた)。

HPVワクチンは1回接種で十分な有効性がある可能性(解説:前田裕斗氏)

本研究はコスタリカで12〜16歳の女子2万330人を対象とし、2価および9価HPVワクチンの1回接種が2回接種に対して非劣性かを検証した二重盲検RCTである。5年間の追跡の結果、2価・9価ワクチンいずれにおいても1回接種は2回接種に対して非劣性であり、HPV16/18型に対するワクチン有効率は全群で97%以上であった。この結果は試験開始後0、6ヵ月目の検査両方でHPV陰性であった人のみを新規感染の評価対象とした場合である。試験に組み入れられた女子のうち約13.2%が登録時点ですでに性的活動を開始していたと報告されており、これらの女子を含めた解析でもすべての群で92%以上の有効性を示していた。日本において本研究結果を適用するためには、当然まず日本人における短期間の有効性について検討が必要である。一方で日本は勧奨接種が中止されていた時期があったこともあり接種率が依然低いことから、1回接種により免疫が十分つく可能性が示唆されたのは大変心強い結果といえるだろう。

高リスク頭頸部がん、術後化学放射線療法へのニボルマブ追加でDFS改善/Lancet

 切除後の再発高リスク局所進行頭頸部扁平上皮がん(LA-SCCHN)に対し、術後シスプラチン+放射線療法にニボルマブを追加することにより、中等度の毒性が増加するものの無病生存期間(DFS)が有意に改善された。スイス・ローザンヌ大学のJean Bourhis氏らが、欧州6ヵ国82施設で実施された、フランスの頭頸部がん放射線治療グループ(GORTEC)主導の無作為化非盲検第III相試験「GORTEC 2018-01 NIVOPOST-OP試験」の結果を報告した。シスプラチン+放射線療法は、高リスクLA-SCCHNに対する術後補助療法の標準治療であるが、ニボルマブ追加の有効性と安全性は不明であった。著者は、「ニボルマブ+シスプラチン+放射線療法は、新たな標準治療として提案可能である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2025年12月22日号掲載報告。

再発・難治性多発性骨髄腫へのiberdomide+低用量シクロホスファミド+デキサメタゾンの第II相試験(ICON)/Lancet Haematol

 2~4ラインの治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫に対するiberdomide+低用量シクロホスファミド+デキサメタゾン(IberCd)の現在進行中の前向き単群第II相非盲検試験(ICON試験)において、追跡期間25.4ヵ月で無増悪生存期間(PFS)中央値が17.6ヵ月と良好であったことを、オランダ・アムステルダム自由大学のCharlotte L. B. M. Korst氏らが報告した。Lancet Haematology誌2026年1月号に掲載。  iberdomideは、経口セレブロンE3リガーゼモジュレーターであり、レナリドミドやポマリドミドとは薬理学的に異なりセレブロンとの親和性が高いため、直接的な抗腫瘍効果と免疫刺激効果をもたらすことが示されている。

日本人末期がん患者のせん妄、その発生率と薬理学的介入の現状

 末期がん患者では、疼痛やせん妄の発生が少なくない。しかし、疼痛管理のために投与されるオピオイドは、患者のせん妄を悪化させる可能性がある。名古屋市立大学病院の長谷川 貴昭氏らは、がん性疼痛とせん妄を有する末期がん患者において、実際の症状経過とオピオイドおよび抗精神病薬を含む薬理学的介入との関連を調査するため、多施設共同プロスペクティブ観察研究の2次解析を実施した。Palliative Medicine Reports誌2025年10月24日号の報告。 対象は、日本のホスピスまたは緩和ケア病棟に入院している成人患者のうち、Palliative Performance Scale(PPS)が20点以下に低下した時点(1日目、死亡直前)で、がん性疼痛(Integrated Palliative care Outcome Scale[IPOS]の疼痛スコア2以上)およびせん妄を有していた患者。薬理学的治療戦略、疼痛レベル(IPOSに基づく)、せん妄症状(Memorial Delirium Assessment Scale[MDAS]の9項目に基づく)を測定した。

高リスク早期TN乳がん、術後EC+PTXにCBDCA追加で3年DFS・OS改善/BMJ

 高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者に対する術後補助療法として、エピルビシン+シクロホスファミド(EC療法)後の週1回パクリタキセル(PTX)投与にカルボプラチン(CBDCA)を追加することで、新たな安全性の懸念なく早期再発リスクが低下し、生存アウトカムが有意に改善したことが示された。中国・復旦大学上海がんセンターのYin Liu氏らが、第III相の無作為化非盲検試験「CITRINE試験」の結果を報告した。高リスクの早期TNBCの予後は不良であり、術後補助療法の強化戦略の最適化が依然として必要とされていたが、TNBCに対する術後補助療法としてのアントラサイクリン/タキサン系化学療法へのカルボプラチン追加の有益性については、意見が分かれていた。BMJ誌2025年12月23日号掲載の報告。

再発・難治性濾胞性リンパ腫、タファシタマブ追加でPFS改善(inMIND)/Lancet

 濾胞性リンパ腫は長期生存率が高いが、一般的に根治が困難で、寛解と再発を繰り返すことから複数の治療ラインが求められている。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のLaurie H. Sehn氏らによる「inMIND試験」において、再発・難治性濾胞性リンパ腫の治療では、レナリドミド+リツキシマブへの追加薬剤として、プラセボと比較しFc改変型抗CD19抗体タファシタマブは、統計学的に有意で臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の改善をもたらし、全奏効割合や奏効期間も良好で、安全性プロファイルは許容可能であることが示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2025年12月5日号で報告された。