腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

未治療および再発・難治性CLL/SLLへのピルトブルチニブ、イブルチニブと直接比較(BRUIN-CLL-314)/JCO

 BTK阻害薬投与歴のない慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者(未治療および再発・難治性症例)に対して、非共有結合型BTK阻害薬ピルトブルチニブを共有結合型BTK阻害薬イブルチニブと直接比較した無作為化比較試験で、全奏効率(ORR)についてピルトブルチニブがイブルチニブに非劣性を示したことを、米国・The Ohio State University Comprehensive Cancer CenterのJennifer A. Woyach氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2025年12月7月号に掲載。

非小細胞肺がん、アミバンタマブ・ラゼルチニブ併用における予防的抗凝固療法に関する合同ステートメント/日本臨床腫瘍学会ほか

 日本臨床腫瘍学会、日本腫瘍循環器学会、日本循環器学会、日本肺癌学会、日本癌治療学会、日本血栓止血学会、日本静脈学会は2025年12月8日、非小細胞肺がん(NSCLC)のアミバンタマブ・ラゼルチニブ併用療法における予防的抗凝固療法の適正使用に関する合同ステートメントを発表した。  EGFR遺伝子変異陽性の切除不能進行・再発NSCLCに対する新たな治療戦略として二重特異性モノクローナル抗体であるアミバンタマブと第3世代EGFR-TKIラゼルチニブの併用療法が臨床導入された。アミバンタマブ・ラゼルチニブ併用療法では、静脈血栓塞栓症(VTE)の発症が高頻度であることが国内外の臨床試験により報告されている。このためVTE発症予防を目的として、併用療法開始後4ヵ月間にわたる直接経口抗凝固薬アピキサバンの投与が2025年3月27日付で厚生労働省保険局医療課により承認された。

HR+/HER2-進行乳がん1~2次治療、パルボシクリブvs.ribociclib vs.アベマシクリブ

 ホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)進行乳がんに対する1次および2次治療として、CDK4/6阻害薬と内分泌療法の併用療法は標準治療となっている。パルボシクリブ、ribociclib、アベマシクリブの3種類のCDK4/6阻害薬について、内分泌療法との併用におけるリアルワールドでの生存ベネフィットを比較した多施設共同後ろ向きPOLiCDK試験の結果を、ポーランド・Military Institute of Medicine-National Research InstituteのRenata Duchnowska氏がBreast誌オンライン版2025年11月24日号で報告した。

再発・難治性DLBCLに対するチサゲンレクルユーセルの5年追跡結果(JULIET)/JCO

 再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)へのチサゲンレクルユーセルを評価した単群非盲検多施設共同国際第II相JULIET試験における5年の解析結果について、米国・Oregon Health and Science University Knight Cancer InstituteのRichard T. Maziarz氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2025年11月18日号に掲載。  本試験の対象は、2ライン以上の治療後に病勢進行した再発・難治性DLBCL(原発性縦隔DLBCLを除く)の成人患者115例で、主要評価項目は奏効率(ORR)、副次評価項目は奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性などであった。

20年で大きく生存率が向上したがん・変化の少ないがん/国立がん研究センター

 国立がん研究センターがん対策研究所を中心とする厚生労働科学研究費補助金「がん統計を活用した、諸外国とのデータ比較にもとづく日本のがん対策の評価のための研究」班は2025年11月19日、地域がん登録データを活用した2012~15年診断症例の5年生存率を報告書にまとめ、公表した。  なお、今回の集計から生存率の推定方法が変更されている。これまで利用されてきた「相対生存率」は実際より過大推定となる恐れがあり、本集計から国際比較にも利用できる「純生存率」(“がんのみが死因となる状況”を仮定して、実測生存率に重み付けして推定)に変更された。

1~2個のSLN転移陽性早期乳がん、ALND省略で生存アウトカムは?メタ解析

 センチネルリンパ節(SLN)転移陽性の乳がん患者に対しては、これまで腋窩リンパ節郭清(ALND)が推奨されてきたが、乳房温存術(BCS)を受ける患者でSLN転移が限局的な患者に対しては、Z0011試験などの結果を踏まえALND省略が考慮されるようになっている。しかし、乳房全切除術(TM)を受ける患者に関しては、エビデンスが限られ、結果も一貫していない。中国・Qilu Hospital of Shandong UniversityのJinyi Xie氏らは、1〜2個のSLN転移陽性早期乳がん患者において、ALND群とセンチネルリンパ節生検(SLNB)単独群の生存アウトカムを比較することを目的としてメタ解析を実施。BCSを受ける患者とTMを受ける患者におけるサブグループ解析も行い、結果をOncologist誌オンライン版11月14日号で報告した。

子宮体がん再発後も妊孕性温存に挑戦~GL改訂も視野にクラウドファンディング実施/婦人科悪性腫瘍研究機構

 婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)の子宮体がん委員会副委員長や『子宮体がん治療ガイドライン 2023年版』の作成委員を務める山上 亘氏(慶應義塾大学医学部産婦人科学教室 教授)は、「子宮体癌/子宮内膜異型増殖症に対する任孕性温存治療後の子宮内再発に対する反復高用量黄体ホルモン療法に関する第II相試験」を継続するため、2025年10月16日よりクラウドファンディングを実施。第一目標金額680万円、第二目標金額980万円を達成し、現在、追加支援を募集している。

乳がん化学療法中の頭皮冷却で発毛が回復しにくい患者の因子は?

 頭皮冷却は化学療法誘発性脱毛症(CIA)を軽減する効果的な介入として注目されており、脱毛抑制に加えて治療後の発毛促進も期待されている。しかし、一部の患者では頭皮冷却を実施しても持続性化学療法誘発性脱毛症(pCIA)が生じることがある。今回、韓国・成均館大学校のHaseen Lee氏らは、乳がん患者を対象に、頭皮冷却を実施してもpCIAが生じる患者の臨床的・遺伝的因子を解析し、NPJ Breast Cancer誌2025年11月12日号で報告した。  研究グループは、韓国・ソウルのサムスンメディカルセンターで、アントラサイクリン系および/またはタキサン系抗がん剤による化学療法と頭皮冷却を併用したStageI~IIIの乳がん女性123例を解析した。主要評価項目はpCIAで、化学療法6ヵ月後に発毛が認められない、または不完全と定義した。

肝細胞がん、周術期の併用補助療法で無イベント生存改善/Lancet

 再発リスクが中等度または高度の切除可能な肝細胞がん患者において、手術+周術期camrelizumab(抗PD-1抗体)+rivoceranib(VEGFR2チロシンキナーゼ阻害薬)併用療法は手術単独と比較して、無イベント生存期間(EFS)を有意に改善し、安全性プロファイルは管理可能と考えられることが、中国・Liver Cancer Institute and Key Laboratory of Carcinogenesis and Cancer InvasionのZheng Wang氏らによる「CARES-009試験」の結果で示された。本研究の成果は、Lancet誌2025年11月1日号に掲載された。

HR+/HER2-乳がんの局所領域再発、術後化学療法でiDFS改善/ESMO Open

 ホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)乳がんの局所領域再発(LRR)に対して、根治的手術後の術後化学療法が無浸潤疾患生存期間(iDFS)を改善することが、JCOGの多施設共同後ろ向きコホート研究で示唆された。とくに、非温存乳房内再発(IBTR)例、原発腫瘍に対する術後内分泌療法中の再発例や周術期化学療法未施行例において、iDFS改善と関連していた。がん研究会有明病院の尾崎 由記範氏らがESMO Open誌2025年11月7日号に報告。