腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

抗TROP-2 ADCはTROP-2発現レベルで効果が変わるか

 抗TROP-2抗体薬物複合体(ADC)は、転移乳がんの治療薬として有効性を示しているが、患者のTROP-2の発現レベルによって効果がどの程度異なるかは明らかではなかった。今回、イタリア・Istituto Nazionale Tumori, IRCCS Fondazione G. PascaleのRoberto Buonaiuto氏らのシステマティックレビューおよびメタ解析により、抗TROP-2 ADCは転移乳がんの無増悪生存期間(PFS)を有意に改善するが、その治療効果はTROP-2発現レベルが高い患者でより顕著であることが示された。Journal of the National Cancer Institute誌オンライン版2026年7月10日号掲載の報告。

アレルギーや喘息で、がんリスクは上がる?下がる?〜JPHC研究

 アレルギーや喘息に伴う過敏な免疫反応や慢性炎症が、がん発症に防御的に働くのか、あるいは促進するのかについては、依然として議論されている。今回、国立がん研究センターの平林 万葉氏らが、日本人の多目的コホート研究(JPHC Study)から得られたデータを用いて前向き観察研究を実施したところ、アレルギーや喘息の既往はがん全体のリスクとは関連しないものの、喫煙男性では大腸がん、非喫煙女性では子宮頸がんのリスク上昇と関連することが示された。Cancer Medicine誌2026年7月号に掲載。

既治療CLL/SLL、ピルトブルチニブ+VRでPFS改善(BRUIN CLL-322)/Lancet

 前治療歴のある慢性リンパ性白血病(CLL)患者において、非共有結合型BTK阻害薬ピルトブルチニブは、ベネトクラクス+リツキシマブ療法(VR)との併用により、VRと比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に改善し、この効果は共有結合型BTK阻害薬の前治療歴のある患者においても一貫しており、新たな安全性シグナルは認められないことが示された。米国・ダナファーバーがん研究所のMatthew S. Davids氏らが、22ヵ国152施設で実施された無作為化非盲検実薬対照第III相試験「BRUIN CLL-322試験」の結果を報告した。Lancet誌オンライン版2026年7月9日号掲載の報告。

StageIV肺限局型NSCLCへの肺移植、1年OS率100%/JAMA

 内科的治療に抵抗性の病変が肺に限局したStageIVの非小細胞肺がん(NSCLC)で、呼吸不全を呈する患者において、内科的治療単独と比較して肺移植を受けた患者の早期生存成績は良好であることが、米国・ノースウェスタン大学のAnkit Bharat氏らによる前向き単施設レジストリ研究の結果で示された。移植群の推定1年全生存(OS)率は100%であったのに対し、内科的治療単独群は40.8%であった。著者は、「長期の追跡評価および生活の質(QOL)の評価が求められる」とまとめている。両肺移植は、肉眼的に確認できる病変をすべて切除可能であるが、肺がんについては過去の肺移植成績が不良であったことから適応にならないとされている。JAMA誌オンライン版2026年7月8日号掲載の報告。

未治療若年マントル細胞リンパ腫へのイブルチニブ療法、リツキシマブ維持療法でPFS延長(TRIANGLE)/JCO

 未治療の若年マントル細胞リンパ腫(MCL)患者において、BTK阻害薬イブルチニブを含む治療にリツキシマブ維持療法(RM)を追加することにより無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することが、TRIANGLE試験の2次解析で示された。イタリア・Universita del Piemonte OrientaleのMarco Ladetto氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年7月14日号に報告した。

若年発症がんの増加、背景に生物学的老化の加速?

 近年、若い世代でのがん発症リスクが増加していることが示されているが、それを説明し得る要因が新たな研究によって浮かび上がった。この研究を実施した米セントルイス・ワシントン大学医学部准教授のYin Cao氏らによると、若い世代に見られる生物学的老化の加速が、がんに対処する体の仕組みに影響を及ぼしている可能性があるという。詳細は、「Nature Medicine」に6月22日掲載された。  研究グループの説明によると、50歳未満または55歳未満で診断される若年発症がんは、1990年から2019年にかけて世界全体で24%増加し、現在も増加し続けている。

IB~IIIB期ALK陽性NSCLC、完全切除後ensartinibが有効/NEJM

 完全切除されたIB~IIIB期のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法において、経口投与が可能で強力なALK阻害薬であるensartinibはプラセボと比較して、24ヵ月の時点で生存かつ無病状態(非再発)を維持していた患者の割合が有意に高く、新たな安全性シグナルを認めないことが、中国・Tianjin Medical University Institute and HospitalのDongsheng Yue氏らELEVATE Study Groupが実施した「ELEVATE試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2026年7月9日号に掲載された。

移植不適応の再発・難治性DLBCL、R-GemOxにポラツズマブ ベドチン追加でOS改善(POLARGO)/JCO

 移植不適応の再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する、ポラツズマブ ベドチン+リツキシマブ+ゲムシタビン+オキサリプラチン(Pola-R-GemOx)療法の有効性と安全性を評価した第III相POLARGO試験の結果、Pola-R-GemOxがR-GemOxと比較して全生存期間(OS)を有意に改善したことを米国・Rutgers Cancer InstituteのMatthew Matasar氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年7月6日号に掲載。  本試験は16ヵ国64施設で実施された無作為化非盲検の国際共同第III相試験である。Pola-R-GemOxの安全性導入期間(15例)の後、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発・難治性DLBCL患者を、Pola-R-GemOx群もしくはR-GemOx群に無作為に1:1に割り付け、21日ごとに最大8サイクル投与した。主要評価項目はOSであった。

Burnt-out MASLD、肝癌切除後予後を左右する新たな高リスク表現型か

 代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)では、病態の進行に伴って肝脂肪が消失する「Burnt-out MASLD」と呼ばれる状態に至ることがある。今回、肝細胞癌(HCC)患者931例を対象とした研究で、Burnt-out MASLDを有する患者では肝切除後の再発および生存予後の悪化と独立して関連することが示された。術後のリスク層別化に役立つ新たな高リスク表現型として注目される。研究は、埼玉医科大学国際医療センター消化器外科(肝胆膵外科)の渡邉幸博氏らによるもので、詳細は5月29日付の「Liver International」に掲載された。

高分化型の進行GEP-NET、PRRT vs. エベロリムス/Lancet

 高分化型の進行膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)の患者において、新規ペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)である[177Lu] Lu-edotreotideは、分子標的療法のエベロリムスと比較して、無増悪生存期間(PFS)に関して統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善をもたらした。フランス・Hopital Edouard HerriotのThomas Walter氏らCOMPETE Investigator Teamが、第III相多施設共同無作為化非盲検優越性試験「COMPETE試験」の結果を報告した。PRRTおよび分子標的療法はいずれも、転移のあるGEP-NET患者における承認された治療選択肢であるが、臨床的に推奨される選択順位のエビデンスは不足していた。Lancet誌オンライン版2026年7月2日号掲載の報告。