腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

高齢乳がん患者へのアベマシクリブ、リアルワールドでの治療実態/日本臨床腫瘍学会

 日本においてアベマシクリブによる治療を受けた、転移を有するHR+/HER2-乳がん患者の全体集団および高齢者集団(65歳以上)の患者特性、治療パターン、転帰をレトロスペクティブに解析した結果、両集団の治療開始から中止までの期間(TTD)や減量が必要となった割合は同等であり、高齢者でも適切な用量であればアベマシクリブによる治療は実施可能であることを、国立がん研究センター中央病院の下井 辰徳氏が第22回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2025)で発表した。

固形がん患者における初回治療時CGP検査実施の有用性(UPFRONT)/日本臨床腫瘍学会

 本邦における包括的ゲノムプロファイリング検査(CGP)は、「標準治療がない、または局所進行もしくは転移が認められ標準治療が終了となった(見込みを含む)」固形がん患者に対して生涯一度に限り保険適用となる。米国では、StageIII以上の固形がんでのFDA承認CGPに対し、治療ラインに制限なく全国的な保険償還がなされており、開発中の新薬や治験へのアクセスを考慮すると、早期に遺伝子情報を把握する意義は今後さらに増大すると考えられる。本邦の固形がん患者を対象に、コンパニオン診断薬(CDx)に加えて全身治療前にCGPを実施する実現性と有用性を評価することを目的に実施された、多施設共同単群非盲検医師主導臨床試験(NCCH1908、UPFRONT試験)の結果を、国立がん研究センター中央病院/慶應義塾大学の水野 孝昭氏が第22回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2025)で発表した。

CAR-T naive再発・難治性B細胞リンパ腫におけるエプコリタマブの有効性(EPCORE NHL-1)/日本臨床腫瘍学会

 抗CD3xCD20二重特異性抗体エプコリタマブは第II相EPCORE NHL-1試験で、再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫(R/R LBCL)患者に対する深く持続的な効果と管理可能な安全性を示している。同試験では、すでにCAR-T治療歴がある患者における有効性が示されている(全奏効割合[ORR]54%、完全奏効[CR]割合34%)。第22回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2025)では、CAR-T未使用(CAR-T naive)集団のサブ分析をミシガン大学のYasmin H. Karini氏が報告した。

慢性リンパ性白血病、原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫に対してザヌブルチニブ発売/BeiGene Japan

 BeiGene Japanは、2025年3月19日、未治療および再発・難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、未治療および再発・難治性の原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫に対して、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬ザヌブルチニブ(商品名:ブルキンザ)を発売したと発表した。  本剤は、未治療の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)患者を対象としたSEQUOIA試験、再発・難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)患者を対象としたALPINE試験、未治療および再発・難治性の原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫患者を対象としたASPEN試験の3つの主要な第III相試験に基づき、2024年12月27日に承認されている。

再発/難治性濾胞性リンパ腫に対する二重特異性抗体モスネツズマブを発売/中外

 中外製薬は、2024年12月27日に「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」に対して製造販売承認を取得した抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体であるモスネツズマブ(遺伝子組換え)(商品名:ルンスミオ)について、2025年3月19日に薬価収載され、販売を開始したことを発表した。  本剤は、過去に少なくとも2つの標準治療が無効または治療後に再発した濾胞性リンパ腫に対する新たな治療選択肢である。効果に応じ投与期間があらかじめ定められているfixed durationの治療であり、治療に伴う患者さんの負担軽減が期待されるという。

HR+/HER2-乳がんへのダトポタマブ デルクステカンを発売/第一三共

 第一三共は、化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がんの治療薬である抗TROP-2抗体薬物複合体ダトポタマブ デルクステカン(商品名:ダトロウェイ)について、2025年3月19日に薬価収載され、同日より発売したことを発表した。  本剤は、TROP-2に対するヒト化モノクローナル抗体とトポイソメラーゼI阻害作用を有するカンプトテシン誘導体を、リンカーを介して結合させた抗体薬物複合体である。化学療法の前治療歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能または転移を有する乳がん患者を対象とした第III相TROPION-Breast01試験において、ダトポタマブ デルクステカン投与群では医師選択化学療法投与群よりも有意に無増悪生存期間が延長し、かつGrade3以上の治療関連有害事象は半数以下であったことが示された。なお、アジア人サブグループ解析においても、全体集団と同様の結果が得られている。

超迅速遺伝子検査が脳腫瘍の手術の助けに

 慎重を要する脳腫瘍患者の腫瘍の摘出で、実験段階にある超迅速遺伝子検査が外科医の助けとなることが、米ニューヨーク大学(NYU)グロスマン医学部神経外科・病理学准教授のDaniel Orringer氏らによる新たな研究で示唆された。この検査では、組織標本中のがん細胞の量を15分以内に測定することができる。これは、患者が手術室にいる間に外科医がフィードバックを得るのに十分な速さだ。また、腫瘍辺縁部の1mm2当たり5個未満という低密度のがん細胞も検出可能であるという。詳細は、「Med」に2月25日掲載された。  Orringer氏らは、「その迅速性と正確性から、脳腫瘍の手術中にリアルタイムでがん細胞を検出できる、この種のものとしては初の実用的なツールになる」と結論付けている。Orringer氏は、「脳腫瘍をはじめとする多くのがんにおいて、がんの手術の成功と再発の予防は、できる限り安全に腫瘍とその周囲のがん細胞を切除することが前提となる」とNYUのニュースリリースの中で述べている。

進行乳がんでのT-DXdの効果と関連するゲノム異常/日本臨床腫瘍学会

 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)の効果に関連するゲノム異常の影響については十分に解明されていない。今回、進行乳がん患者の組織検体における包括的ゲノムプロファイリング(CGP)検査データの後ろ向き解析により、CDK4およびCDK12異常がT-DXdへの1次耐性に寄与する可能性が示唆された。第22回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2025)にて、国立がん研究センター中央病院の山中 太郎氏が発表した。  本研究では、2019年6月~2024年8月に組織検体のCGP検査を受け、国立がん研究センター・がんゲノム情報管理センター(C-CAT)に登録された進行乳がん患者のデータを後ろ向きに解析した。CGP検査には、NCCオンコパネルシステム、FoundationOne CDx、GenMineTOPが含まれる。T-DXd投与前の検体を用いてCGP検査を受けた患者を対象とし、actionableな遺伝子異常はpathogenic/oncogenicバリアントまたはlikely pathogenic/likely oncogenicバリアントに分類された場合にカウントした。

頻回の献血によるクローン性造血への影響は?/Blood

 頻回の献血が健康や造血幹細胞に及ぼす影響についてはほとんど解明されていない。今回、ドイツ赤十字献血センターのDarja Karpova氏らが100回以上の献血者と10回未満の献血者を調べた結果、前がん病変であるクローン性造血の発生率には差はなかったが、DNMT3Aに明らかに異なる変異パターンがみられることがわかった。Blood誌オンライン版2025年3月11日号に掲載。  本研究では、100回超の献血歴を有する高齢男性の頻回献血者217人と10回未満の献血歴の散発的献血者212人のデータを比較した。

非がん性慢性疼痛へのオピオイド、副作用対策と適切な使用のポイント~ガイドライン改訂

 慢性疼痛はQOLを大きく左右する重要な問題であり、オピオイド鎮痛薬はその改善に重要な役割を果たす。一方、不適切な使用により乱用や依存、副作用が生じる可能性があるため、適切な使用が求められている。そこで、2024年5月に改訂された『非がん性慢性疼痛に対するオピオイド鎮痛薬処方ガイドライン改訂第3版』の作成ワーキンググループ長を務める井関 雅子氏(順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座 教授)に、本ガイドラインのポイントを中心として、オピオイド鎮痛薬の副作用対策と適切な使用法について話を聞いた。