腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:5

がんと認知症の発症率は相関している?

 がんと認知症は、高齢化と社会経済の変遷の影響を受ける、主要な世界的健康課題である。いずれも大きな負担を強いるものの、人口レベルでの両者の関係は、これまで十分には検討されていなかった。オーストラリア・アデレード大学のWenpeng You氏らは、発達、人口動態、医療関連因子を考慮したうえで、がんと認知症の発生率の世界的な関連性を調査した。Future Science OA誌2026年12月号の報告。  保健指標評価研究所(IHME)より入手したデータを用いて検討を行った。共変量には、経済的豊かさ、都市化、選択機会の減少、60歳の平均寿命を含めた。204ヵ国を対象とした分析では、相関係数、偏相関係数、主成分分析、重回帰分析(エントロピー法とステップワイズ法)を用いた。

多発性骨髄腫患者の感染リスクを予測する免疫バイオマーカー/Blood

 多発性骨髄腫患者において感染予防は最重要課題である。今回、スペイン・Cancer Center Clinica Universidad de NavarraのAintzane Zabaleta氏らによる多発性骨髄腫患者の大規模免疫プロファイリングの結果、骨髄中のCD27陽性B細胞、CD27陰性NK細胞、CD27陰性/CD27陽性T細胞比が、感染の独立したリスク因子であることが示唆された。Blood誌オンライン版2026年1月29日号に掲載。  著者らは感染リスクの高い免疫バイオマーカーを特定するため、さまざまな疾患Stageおよび治療シナリオにある1,786例の多発性骨髄腫患者から骨髄および末梢血検体を採取し、次世代フローサイトメトリーを用いた免疫プロファイリングを実施した。

閉経後HR+早期乳がんへの術後内分泌療法、アロマターゼ阻害薬3剤の長期転帰を比較

 第3世代アロマターゼ阻害薬であるアナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンは、閉経後ホルモン受容体陽性(HR+)早期乳がんに対する標準的な術後内分泌療法であるが、臨床における有効性を比較したデータはほとんどない。フランス・パリ・シテ大学のElise Dumas氏らは、約15万例を対象とした比較効果試験を実施し、エキセメスタンによる術後内分泌療法は、アナストロゾールおよびレトロゾールと比較して、無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)がわずかに低くなる可能性があると明らかにした。JAMA Network Open誌2025年12月26日号に掲載の報告。

泌尿器科ロボット支援手術、遠隔手術が現地手術に非劣性/BMJ

 泌尿器科領域のロボット支援手術(根治的前立腺全摘除術、腎部分切除術)では、遠隔手術は現地手術に対し成功率に関して非劣性であり、遠隔手術システムは1,000~2,800kmの距離で安定して稼働し、合併症や早期回復、腫瘍学的アウトカム、医療チームの作業負担などにも有意差を認めないことが、中国・Chinese PLA General HospitalのYe Wang氏らTeleS Research Groupが実施した「TeleS研究」で示された。研究の成果は、BMJ誌2026年1月28日号で報告された。

HR+/HER2+進行乳がん、導入療法後の維持療法にパルボシクリブ追加でPFS延長(PATINA)/NEJM

 ホルモン受容体陽性、HER2陽性の進行乳がんの1次治療では、標準的な導入療法で病勢の進行を認めなかった患者の維持療法において、標準療法単独と比較して標準療法+パルボシクリブ(サイクリン依存性キナーゼ4/6阻害薬)は、無増悪生存期間(PFS)が有意に1年超長く、奏効率や奏効例の奏効期間も良好だが、Grade3/4の有害事象の頻度が2倍超であることが、米国・Harvard Medical SchoolのOtto Metzger氏らが実施した「PATINA試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2026年1月29日号に掲載された。

閉経前女性における卵巣がんの診断に最適な指標は?/BMJ

 閉経前女性の卵巣がんのリスク予測モデルの研究は、主に専門の超音波検査技師がいる2次検査以降の環境下で行われており、非専門医、プライマリケアまたは地域設定で一般化するには限りがある。すべての検査を直接比較した研究も見当たらないことから、英国・Sandwell and West Birmingham Hospitals NHS TrustのSudha Sundar氏らは、閉経前女性の卵巣がんの診断に寄与する最適なリスク予測モデルを特定する前向きコホート研究「ROCkeTS研究」を行った。現在、英国の国民保健サービス(NHS)の3次医療のトリアージで使用されているRisk of Malignancy Index 1(RMI 1)(閾値250)と比較して、他のほとんどの検査指標は、特異度は低いが感度が高く、なかでもInternational Ovarian Tumour Analysis(IOTA)のADNEXモデル(閾値10%)の感度が最も高く、特異度の低さは他の検査と同程度であることが示された。

乳がん後の心筋梗塞と脳卒中リスク

 乳がんと診断された女性におけるその後の心筋梗塞と脳卒中のリスクを分析したところ、心筋梗塞は20%、脳卒中は58%のリスク増加が示唆された。イタリア・トリノ大学のFulvio Ricceri氏らが、イタリア北西部の130万人の女性を対象とした大規模集団研究で分析した結果を、Breast Cancer Research and Treatment誌2026年1月29日号で報告した。  乳がんの生存期間は検診の普及と治療法の進歩により延長したが、同時に他疾患のリスクも増加している。原因としては、遺伝的要因、共通のリスク因子、治療による副作用などが挙げられる。そこで本研究では、治療の潜在的な副作用を考慮しつつ、乳がん患者における心筋梗塞と脳卒中のリスクを分析した。

LH-RHアゴニスト5年後も閉経前のリンパ節陽性早期乳がん、ET延長は再発抑制と関連するか?/JCO

 5年間のLH-RHアゴニストベースの術後内分泌療法(ET)を完了後も閉経前であったリンパ節転移陽性のHR陽性早期乳がん患者に対するETの延長は、浸潤性乳がん再発および遠隔再発のいずれにおいても臨床的に意義のある減少と関連していたことが、米国・ハーバード大学のCarmine Valenza氏らによって示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年1月15日号掲載の報告。  閉経前および閉経後のER陽性早期乳がん患者では、タモキシフェンによる術後療法を10年に延長すると、乳がん死亡率が低下することが報告されている(ATLAS試験)。

PPIの長期使用と胃がんリスクの関連性否定:北欧5ヵ国での集団ベースの症例対照研究(解説:上村直実氏)

北欧5ヵ国の全国登録レジストリーから前向きに収集したデータを用いた大規模症例対照研究の結果、1年超のPPI長期使用と胃がんリスクの関連性はなく、H2ブロッカーと同様であることが、2026年1月のBMJ誌に発表された。PPI長期使用による胃がんリスクの上昇を示唆する報告は多数あるが、コホート研究などの観察研究における精度の問題を指摘して、考えられるバイアスである診断前のPPI開始時期やH. pylori関連変数の調整不足、噴門部がんの混在などを厳密に調整するデザインを採用した結果、両者の関連性が否定されたとしている。

青年期の進行古典的ホジキンリンパ腫、ニボルマブ+AVDの3年PFS(S1826サブ解析)/JCO

 進行古典的ホジキンリンパ腫に対する1次治療としてニボルマブ(N)+AVD(ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)とブレンツキシマブ ベドチン(BV)+AVDを比較した第III相S1826試験における青年コホートを対象としたサブグループ解析で、N+AVDが放射線療法を最小限に抑えつつ、高い3年無増悪生存(PFS)率を達成したことを、米国・エモリー大学のSharon M. Castellino氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年1月9日号に掲載。  S1826試験は、StageIII~IVの古典的ホジキンリンパ腫と新たに診断された患者を対象に、N+AVD 6サイクルもしくはBV+AVD 6サイクルに無作為に割り付け、主要評価項目としてPFS、副次評価項目として全生存期間、無イベント生存期間、安全性を比較した試験である。