腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:5

再発・転移子宮頸がん、化学療法+cadonilimabがPFS・OS改善/Lancet

 持続性、再発または転移を有する子宮頸がんの1次治療において、標準治療の化学療法単独と比較して、化学療法にPD-1とCTLA-4のシグナル伝達経路を同時に遮断する二重特異性抗体cadonilimabを追加すると、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を有意に改善し、安全性プロファイルは管理可能であることが、中国・復旦大学上海がんセンターのXiaohua Wu氏らが実施した「COMPASSION-16試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2024年10月26日号で報告された。

女性医師の未来を開くリーダー育成とキャリア展望/日本血液学会

 女性医師キャリアシンポジウムは、三谷氏が女性初の会長を務めた2016年の第78回日本血液学会学術集会より続けられている。そうした背景もあり、現在、本学会における女性会員の比率は25%を超え、女性評議員が14%を占めるまでになっている。しかし一方で、「日本の女性は本来あるべき地位をいまだ得ていない」「管理職における男女格差は依然大きい」といった指摘もある。熱田氏は、「女性医師がいかにリーダーシップを発揮し、自身のキャリアを築き上げていくのかを、お招きした先生方にご教授賜りたい」と、本シンポジウムの開会を宣言した。

局所進行子宮頸がん、導入化学療法+CRTがPFS・OS改善/Lancet

 局所進行子宮頸がん患者において、短期間導入化学療法後に化学放射線療法(CRT)を行うことで、CRTのみの場合と比較して無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)が有意に延長したことが、ブラジル、インド、イタリア、メキシコおよび英国の32施設で実施された無作為化第III相試験「INTERLACE試験」で示された。英国・University College Hospital NHS TrustのMary McCormack氏らINTERLACE investigatorsが報告した。局所進行子宮頸がんの標準治療はCRTであるが、再発する患者が依然として多く、転移がんにより死に至る。結果を踏まえて著者は、「この短期間導入化学療法レジメンと7日以内のCRTを現在の標準治療と考えるべきである」とまとめている。Lancet誌2024年10月19日号掲載の報告。

外来で実施するCAR-T細胞療法も安全で効果的

 急速に進行する大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者に対して、外来ベースでCAR(キメラ抗原受容体)-T細胞療法を実施しても、患者は治療によく反応することが、CAR-T細胞療法の外来環境での使用を検討した研究としては最大規模の前向き研究で明らかになった。CAR-T細胞療法は、患者の血液から採取したT細胞にCARを発現させるための遺伝子を導入し、特定のがん細胞を攻撃できるようにした上で患者の体内に戻す治療法。CAR-T細胞製品のブレヤンジ(一般名リソカブタゲン マラルユーセル)を製造販売するブリストル・マイヤーズ スクイブ社の資金提供を受けて米マイアミがん研究所リンパ腫サービス責任者のYuliya Linhares氏らが実施したこの研究の詳細は、「Blood Advances」に9月30日掲載された。

早期乳がんの遠隔転移再発率、1990年代からどのくらい低下した?/Lancet

 英国・Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Group(EBCTCG)は同グループのデータベースを用いた統合解析を行い、エストロゲン受容体(ER)陽性およびER陰性乳がんの遠隔転移再発率が、1990年代に比べ2000年以降に診断された女性では約5分の1低下していることを報告した。この改善は、本研究に参加する低リスクの女性患者の割合が高くなったことと、補助療法の進歩により説明される。ER陽性乳がんの遠隔再発の長期リスクは、依然として存在するものの前回の報告よりも約10分の1低下した。ER陽性早期乳がん女性の遠隔転移再発率は診断後20年以上にわたって一定の割合で持続するが、ER陰性乳がんに関するデータはこれまでほとんどなかった。Lancet誌2024年10月12日号掲載の報告。

CAR-T療法における血球減少の頻度とパターン/日本血液学会

 遷延性血球減少はCAR-T細胞療法の重篤な合併症の1つである。兵庫医科大学の吉原 享子氏は、実臨床における後方視的研究の結果を第86回日本血液学会学術集会で発表した。  CAR-T療法では、リンパ球除去療法の影響でCAR-T細胞投与後に血球減少がみられる。多くの場合改善するが、未回復のまま遷延する症例があり注意を要する。  血球減少にはQuick recoveryタイプ、Intermittant recoveryタイプ、Aplasticタイプがある。遷延性血球現象の発生機序は、前治療による骨髄予備能の低下、造血幹細胞のCHIPの出現、CAR-TによるCRSやそのほかの免疫学的機序、原疾患の状態などさまざまな機序が関与していると考えられている。

ホジキンリンパ腫、ニボルマブ+AVD療法がPFS延長/NEJM

 III期またはIV期の進行古典的ホジキンリンパ腫を有する思春期および成人患者において、ニボルマブとドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジンの併用投与(N+AVD)は、ブレンツキシマブ ベドチンとドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジンの併用投与(BV+AVD)と比較して無増悪生存期間(PFS)を延長し、良好な副作用プロファイルを示したことが、米国・シティ・オブ・ホープ総合がんセンターのAlex F. Herrera氏らによる検討で示された。進行古典的ホジキンリンパ腫の治療にブレンツキシマブ ベドチンを組み入れることで、成人および小児患者の転帰は改善することが知られている。しかしながら、ブレンツキシマブ ベドチンは、成人の治療において毒性を増加させ、投与を受けた小児患者の半数以上に地固め放射線療法が行われており、再発が依然として課題となっている。ホジキンリンパ腫では、未治療患者を含めた予備的試験などでPD-1の阻害が有効であることが示されており、研究グループはN+AVDの有効性と安全性を評価する試験を行った。NEJM誌2024年10月17日号掲載の報告。

BRCA1/2変異保有者の避妊薬使用、乳がんリスクとの関連/JCO

 生殖細胞系列BRCA1/2変異保有者において、ホルモン避妊薬が乳がんリスクを増加させるかどうかは不明である。今回、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのKelly-Anne Phillips氏らの研究で、ホルモン避妊薬は、とくに長期使用で、BRCA1変異保有者の乳がんリスク上昇と関連することが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2024年10月2日号に掲載。  本研究では、4つの前向きコホート研究からプールされた観察データを用いて、避妊薬使用とBRCA1/2変異保有女性の乳がんリスクとの関連についてCox回帰を用いて評価した。

膀胱がんの拡大リンパ郭清、周術期の合併症・死亡増(SWOG S1011)/NEJM

 膀胱全摘除術を受ける限局性筋層浸潤性膀胱がん患者において、拡大リンパ節郭清は標準的リンパ節郭清と比較して、無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)を延長しないばかりか、高率の周術期合併症および死亡の発生が認められた。米国・ベイラー医科大学医療センターのSeth P. Lerner氏らSWOG S1011 Trial Investigatorsが第III相多施設共同無作為化試験「SWOG S1011試験」の結果を報告した。NEJM誌2024年10月3日号掲載の報告。  研究グループは、臨床病期T2(筋層に限局)~T4a(隣接臓器に浸潤)、リンパ節転移は2個以下(N0、N1、N2)の限局性筋層浸潤性膀胱がん患者を、両側標準リンパ節郭清術(両側骨盤内のリンパ節郭清)または拡大リンパ節郭清術(総腸骨リンパ節、坐骨前リンパ節、仙骨前リンパ節の切除を含む)を受ける群に1対1の割合で無作為に割り付けた。

歯周病原菌は頭頸部がんのリスクを高める?

 歯周病原菌は、頭頸部がんリスクを高める可能性があるようだ。新たな研究で、13種類の口腔内細菌が頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)のリスク上昇と関連していることが示された。米ニューヨーク大学(NYU)グロスマン医学部人口健康学教授のRichard Hayes氏らによるこの研究結果は、「JAMA Oncology」に9月26日掲載された。Hayes氏は、「われわれの研究結果は、口腔衛生習慣を維持すべきことに対する新たな理由を示すものだ。フロスを使っての歯磨きは、歯周病だけでなく頭頸部がんの予防にも役立つ可能性がある」と述べている。