抗PD-L1抗体atezolizumab、既治療NSCLCのOS延長/Lancet
既治療の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、新規免疫チェックポイント阻害薬atezolizumabは、ドセタキセル(商品名:タキソテールほか)に比べ予後が良好であることが、米国・カイザーパーマネンテ医療センターのLouis Fehrenbacher氏らが行ったPOPLAR試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年3月9日号に掲載された。ニボルマブやペムブロリズマブがT細胞上のPD-1を標的とするのに対し、atezolizumabは腫瘍細胞および腫瘍浸潤免疫細胞上に発現しているPD-L1(PD-1のリガンド)に対するヒト型IgG1モノクローナル抗体で、T細胞上のPD-1だけでなくB7.1(CD80)との結合を阻害する。それゆえ、T細胞活性化阻害作用の抑制効果が抗PD-1抗体よりも高い可能性があり、またPD-L2とPD-1の相互作用には影響しないことから、免疫系の恒常性への影響を回避できると考えられている。