耳鼻咽喉科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:21

うつ病患者の多い診療科はどこか

 うつ病や抑うつ症状は、患者の健康関連QOLや医療満足度に大きな影響を及ぼす一般的な精神疾患であるが、どの程度まん延しているかは、公表された研究間で大きく異なる。中国・中山大学のJinghui Wang氏らは、異なる臨床専門分野における外来患者のうつ病または抑うつ症状の有病率について的確な推定値を導き出すため、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。BMJ open誌2017年8月23日号の報告。

眼瞼下垂、睡眠時無呼吸との関連は?

 眼瞼弛緩症候群と睡眠時無呼吸症候群(OSA)の関連は数多く報告されているが、眼瞼弛緩症候群の診断基準は主観的で曖昧である。米国・マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のTimothy P. Fox氏らが、睡眠クリニックで終夜睡眠ポリグラフ検査を行った患者201例を対象に調査した結果、眼瞼弛緩スコアとOSAの存在または重症度の関連は認められなかったと報告した。著者は、「サブグループ解析の結果から、先行研究は交絡因子や眼瞼弛緩の確認手技において限界があったことが示唆される」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年9月7日号掲載の報告。

がん診断後の禁煙、生存率への効果は?

 がん患者が禁煙することで死亡率が低下するかはわかっていない。今回、英国・オックスフォード大学のConstantinos Koshiaris氏らが、喫煙関連がんの患者において禁煙と予後の関連を検討した結果、肺がんと上部気道消化管がんでは禁煙した患者は喫煙し続けた患者より死亡リスクが低いことが示された。British journal of cancer誌2017年9月12日号に掲載。

口腔がんになりやすい職業

 フィンランド・ヘルシンキ大学のLaura Tarvainen氏らが、舌・口腔(oral cavity)・咽頭がんにおける職業別リスクについて、飲酒・喫煙を調整し評価したところ、歯科医師などいくつかの職業で舌がんの相対リスクが高いことがわかった。著者らは、職業的な化学物質への曝露、飲酒や喫煙の増加、ヒトパピローマウイルス感染が関連する可能性を示唆している。Anticancer research誌2017年6月号に掲載。

大部分のがんは男性で発症しやすく生存率も低い

 がんの発症リスクと生存率における性差について、スウェーデンがん登録のデータで調査したところ、男性のほうが39がん種のうち34がん種で発症リスクが高く、27がん種で生存率が低いことをスウェーデン・カロリンスカ研究所のCecilia Radkiewicz氏らが報告した。著者らは、「これらの性差を引き起こす原因を特定して排除することで、全体的ながん負担を軽減させる可能性がある」としている。European journal of cancer誌オンライン版2017年8月10日号に掲載。

ebselenは騒音性難聴の予防に有効か?/Lancet

 騒音性一過性閾値変化(TTS)の予防に、新規グルタチオンペルオキシダーゼ1(GPx1)様物質ebselenの投与(400mgを1日2回)は有効かつ安全であることが示された。米国・Sound Pharmaceuticals社のJonathan Kil氏らが、若年成人を対象とした第II相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。先行研究において、急性騒音曝露後にGPx1活性が減少することや、ebselenが一過性騒音性難聴および永久性騒音性難聴の両方を軽減させることが動物実験で示されていた。騒音性難聴は、職業性または娯楽に関連した難聴の主たる原因であり、加齢性難聴の主要な決定要素でもあるが、その予防薬あるいは治療薬は開発されていない。著者は、「今回の結果は、急性騒音性難聴におけるGPx1活性の役割を支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年7月14日号掲載の報告。

【JSMO2017見どころ】プレナリーセッション、免疫・細胞療法

 2017年7月27日(木)から3日間にわたって、第15回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立ち先月、日本臨床腫瘍学会(JSMO)のプレスセミナーが開かれ、プレナリーセッションをはじめ、「免疫・細胞療法」「Precision medicine」「AYA世代のがん治療」「緩和・支持療法」の4つのテーマにおける注目トピックが紹介された。

多くのがん種で開発中、ペムブロリズマブの最新トピックス

 2017年7月4日、MSD株式会社はメディアラウンドテーブルを開催し、同社グローバル研究開発本部オンコロジーサイエンスユニット統括部長の嶋本 隆司氏が、ASCO2017の発表データを中心にキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)の最新トピックスを解説するとともに、併用療法を含めた今後の開発戦略について語った。

未就学児への不適切な抗菌薬処方、小児科以外で多い

 未就学児の上気道感染症(URI)への抗菌薬処方に関する、全国の診療報酬請求データベースを用いた京都大学の吉田 都美氏らの後ろ向き研究から、非細菌性URIへの不適切な抗菌薬処方が、年齢の上昇、男児、施設の特性、小児科以外の診療科、時間外診療に関連することがわかった。Journal of public health誌オンライン版2017年4月27日号に掲載。

咽頭痛に対するステロイドの症状軽減効果(解説:小金丸 博 氏)-679

咽頭痛は、プライマリケアセッティングでみることの多い症候の1つである。咽頭炎の原因の多くはウイルス感染症であるものの、症状軽減効果や化膿性合併症の予防を期待して不必要な抗菌薬が投与されてしまうことも多い。あるsystematic reviewでは、咽頭痛に対してステロイドを単回投与することで24時間以内に症状を消失させることが示されたが、引用された試験はすべて抗菌薬とステロイドを併用したものであり、ステロイド単独の有効性を示した研究は存在しなかった。