食欲の秋と形容されるこの季節。食べたいと思えるのは、味覚や嗅覚で「おいしい」と感じられてこそだが、その味覚に異常を来す原因の1つが亜鉛の不足によるもの。今月4日、都内で開催されたセミナー「食欲の秋に考える、味覚異常や食欲不振からおこる負の連鎖―亜鉛不足からはじまるフレイルへの道―」(ノーベルファーマ株式会社主催)では、この点に着目して、2人の専門家が講演を行った。このうち、味覚異常に特化した外来診療に携わる任 智美氏(兵庫医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科)は、「高齢者においては、薬剤性の味覚障害が多いのが特徴。患者さんが最も自覚しやすい不調であり、亜鉛補充で好転するケースも多いので、丁寧に訴えを聞いて、解決に導いてほしい」と述べた。