小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:93

小児のてんかん、外科的治療は有益か/NEJM

 脳外科手術を受けた18歳以下の薬剤抵抗性てんかん患者は、薬物療法のみを受けた患者と比べて、12ヵ月時点のてんかん発作がない割合が有意に高く、行動やQOLに関するスコアも良好であった。神経障害の発生は、脳切除部位に関連した想定内のものであったという。全インド医科大学のRekha Dwivedi氏らが単施設無作為化試験を行い、NEJM誌2017年10月26日号で発表した。脳外科手術は、薬剤抵抗性てんかんを有する小児・思春期の発作を改善する可能性が示唆されていたが、無作為化試験による、さらなるデータが求められていた。

先天性ジカウイルス症候群、石灰化は診断指標にならず/BMJ

 新生児の先天性ジカウイルス症候群の診断では、「脳石灰化の検出を主要な基準とみなすべきではなく、石灰化の非検出を診断の除外基準として用いるべきではない」とする所見を、ブラジル・Barao de Lucena病院のNatacha Calheiros de Lima Petribu氏らが示した。先天性ジカウイルス症候群の小児について、出生直後と1年時点に受けた脳CT所見を比較した症例シリーズ研究の結果で、BMJ誌2017年10月13日号で発表した。

新規インフルエンザ薬S-033188、先駆け審査指定制度下で国内承認申請

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功)は、自社創製の新規キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬S-033188について、成人および小児におけるA型又はB型インフルエンザウイルス感染症を適応症として、2017年10月25日付で日本国内における製造販売承認申請を行ったと発表。

5~19歳のBMI値の世界的動向は?/Lancet

 1975~2016年の未成年者(5~19歳)のBMI値の世界的な動向について、成人の動向と比較分析した結果、多くの高所得国では高止まりの傾向がみられるが、アジアの一部で高値ではないが加速度的な上昇がみられ、成人の動向とは相関していないことなどが明らかになった。世界200ヵ国の非感染性疾患(NCD)について調査を行っている科学者ネットワーク「NCD Risk Factor Collaboration」(NCD-RisC)が、住民ベース試験2,416件のデータをプール解析し、Lancet誌オンライン版2017年10月10日号で発表した。

妊娠中の飲酒、子供の認知機能に及ぼす影響

 妊娠中のアルコール摂取は、子供の発育の危険因子であると考えられている。子宮内アルコール曝露の子供におけるバイオマーカーについては、ほとんど研究されていない。ドイツ・フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン・ニュルンベルクのAnna Eichler氏らは、胎便中のアルコール代謝物(エチルグルクロニド:EtG)が、小学校就学年齢の子供における認知機能の発達、ADHD関連行動、注意および執行制御の神経生理学的マーカーと関連しているかを調査した。Journal of child psychology and psychiatry, and allied disciplines誌オンライン版2017年9月11日号の報告。

妊婦のマルチビタミン摂取、児のASDリスク減/BMJ

 妊娠中のマルチビタミン・サプリメントの摂取は、出産児の知的障害を伴う自閉症スペクトル障害(ASD)と、逆相関となる可能性が示された。米国・ドレクセル大学のElizabeth A. DeVilbiss氏らが、スウェーデン・ストックホルムの登録住民をベースにした前向き観察コホート研究の結果を報告した。著者は、「母体栄養と自閉症発症への影響を、さらに詳しく調査することが推奨される」とまとめている。母体のマルチビタミン、鉄分または葉酸のサプリメント摂取が、出産児のASDを予防するかについて、これまでの観察研究では一貫したエビデンスは得られていない。ASDの原因は知的障害の有無によって異なるが、認知機能レベルをベースに栄養サプリメントとASDの関連を調べた研究は、ほとんどなかった。BMJ誌2017年10月4日号掲載の報告。

流行性耳下腺炎アウトブレイク時のMMRワクチン追加接種の有効性(解説:小金丸博氏)-744

流行性耳下腺炎(ムンプス)は、ワクチンで予防可能なウイルス疾患である。米国では麻疹・ムンプス・風疹混合ワクチン(MMRワクチン)の2回接種がワクチンプログラムに組み込まれており、ムンプス症例は2005年までに99%減少したが、近年も数千人規模のアウトブレイク事例が報告されている。ムンプスのアウトブレイクは、90%以上がきちんとワクチンの2回接種を済ましている大学生の間でも、たびたび報告されている。アウトブレイクを制御するための手段の1つにMMRワクチン3回目の追加接種が挙げられるが、この方法の有効性は明確になっていなかった。

小児不安症に効果的な治療は

 小児における不安症は、一般的に認められる。複数の治療オプションが存在するが、既存のガイドラインでは、どの治療を使用するかについて一貫性がない。米国・メイヨー・クリニックのZhen Wang氏らは、小児不安症に対する認知行動療法(CBT)および薬物療法の有効性および有害事象を比較し、評価を行った。JAMA pediatrics誌オンライン版2017年8月31日号の報告。