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2024/07/10
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精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:21

せん妄マネジメントに対する抗精神病薬のQT延長リスク

 集中治療室でせん妄に関連した重度の興奮や知覚障害を認める患者では、抗精神病薬による短期治療が有用である可能性がある。しかし、一部の抗精神病薬は、QTc間隔を延長する可能性があり、致死的な心室性不整脈のリスク増加が懸念される。米国・マサチューセッツ総合病院のMonika Sadlonova氏らは、抗精神病薬とQTc延長に関するエビデンスをレビューし、QTc間隔のモニタリングにより不整脈リスクを軽減するための実践的な方法について検討を行った。Journal of Intensive Care Medicine誌オンライン版2023年12月21日号の報告。

脳卒中による認知症を防ぐために!治療可能なリスク因子は

 脳卒中後の認知機能障害および認知症の確立したリスク因子として、高齢や重度の脳卒中が報告されているほか、心房細動や糖尿病の既往歴なども示唆されている。今回、治療可能なリスク因子に焦点を当て、それらの関連の強さを、ドイツ・ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのJule Filler氏らがシステマティックレビューおよびメタ解析で明らかにした。Lancet Healthy Longevity誌2024年1月号掲載の報告。  脳卒中後の認知機能障害は脳卒中後4年の時点で最大80%に、脳卒中後の認知症は脳卒中後1年の時点で最大40%に認められ、患者・介護者・医療制度に大きな負担をもたらしている。研究グループは、システマティックレビューおよびメタ解析を行い、年齢や脳卒中の重症度以外のリスク因子、とくに治療可能なリスク因子に焦点を当てて評価を行った。

早期アルツハイマー病患者の記憶定着と睡眠依存性

 空間ナビゲーションは、アルツハイマー病において早期に影響を受ける海馬-嗅内皮質回路機能の重要な基盤となっている。アルツハイマー病の病態生理は、睡眠/覚醒サイクルと動的に相互作用し海馬の記憶を損なうというエビデンスの報告が増えている。ドイツ・University Hospital of Schleswig HolsteinのAnnika Hanert氏らは、早期アルツハイマー病患者の記憶定着と睡眠依存性との関連を評価した。Neurobiology of Disease誌2024年1月号の報告。  症候性アルツハイマー病コホート(12例、平均年齢:71.25±2.16歳)における睡眠依存性の影響を解明するため、夜間睡眠の前後における、仮想現実タスクによる海馬の場所記憶および単語ペア連想タスクによる言語記憶を評価した。

疲労と日中の過度な眠気、どちらがよりうつ病と関連しているか

 一般集団における疲労と日中の過度な眠気のどちらが、うつ病とより密接に関連しているかを明らかにするため、韓国・蔚山大学校のSoo Hwan Yim氏らは、調査を行った。Sleep & Breathing誌オンライン版2023年12月14日号の報告。  韓国の15の地区で本調査を実施した。日中の過度な眠気、疲労、うつ病の評価には、それぞれエプワース眠気尺度(ESS)、疲労症状の評価尺度(FSS)、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いた。うつ病はPHQ-9スコア10以上と定義し、疲労ありはFSSスコア36以上、日中の過度な眠気ありはESSスコア11以上とした。日中の過度な眠気と疲労との組み合わせにより、4群に分類した。

抑うつ症状と仮面高血圧に関連あり

 大規模な横断研究から、診察室の血圧は正常でも家庭で測定した血圧は高値を示す「仮面高血圧」と抑うつ症状には関連があることが分かったと、東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門の寳澤篤氏らが「Hypertension Research」に10月31日発表した。抑うつ症状は仮面高血圧の危険因子の一つである可能性が示されたとしている。  高血圧の中でも仮面高血圧の患者は、正常血圧の人と比べて心血管疾患リスクが高く、仮面高血圧は心血管疾患の危険因子の一つだとされている。しかし、その診断には家庭血圧測定が必要なため、見過ごされやすく、適切な治療を受けていない可能性が高い。また、これまでの研究で、仮面高血圧のリスク因子として、男性、喫煙習慣、糖尿病、治療中の高血圧、診察室血圧で正常高値などが挙げられている。さらに、不安や抑うつ、ストレスなどの精神状態も血圧に影響を与える可能性が報告されている。そこで、寳澤氏らは今回、抑うつ症状と仮面高血圧の関連を評価する横断研究を実施した。

進行慢性疾患の高齢入院患者、緩和ケア相談は有益か?/JAMA

 進行した慢性疾患を有する高齢患者の入院時に、緩和ケア相談がデフォルトでオーダーされていても在院日数を短縮しなかったが、緩和ケア提供の増加や迅速化ならびに終末期ケアの一部のプロセスは改善した。米国・ペンシルベニア大学のKatherine R. Courtright氏らによる、プラグマティックなステップウェッジクラスター無作為化試験の結果が報告された。入院患者への緩和ケア提供の増加が優先課題となっているが、その有効性に関する大規模で実験的なエビデンスは不足していた。JAMA誌2024年1月16日号掲載の報告。

統合失調症の遺伝的リスクが摂食障害の臨床症状に及ぼす影響

 統合失調症と摂食障害との関連についての報告は増加しており、統合失調症の家族歴が神経性やせ症患者の臨床アウトカムに及ぼす影響が示唆されている。摂食障害患者における統合失調症の遺伝的要因の影響を調査するため、スウェーデン・カロリンスカ研究所のRuyue Zhang氏らは、統合失調症の多遺伝子リスクスコア(PRS)と摂食障害患者の臨床症状(全体的な健康状態および摂食障害関連症状を含む)との関連を評価した。Translational Psychiatry誌2023年11月29日号の報告。  研究には、スウェーデン国立患者レジストリに登録されている1973年以降に生まれた神経性やせ症(Anorexia Nervosa Genetics Initiative[ANGI])患者3,573例、および過食症(Binge Eating Genetics Initiative[BEGIN])患者696例を含む摂食障害の遺伝子関連研究2件のデータを用いた。統合失調症のPRSと摂食障害の臨床的特徴、精神医学的併存疾患、身体的および精神的健康への影響を検討した。

小児双極性障害患者の診断ミスに関するシステマティックレビュー

 双極性障害は、複雑な症状を呈する精神疾患の1つである。カナダ・Brock UniversityのTabeer Afzal氏らは、DSM-IVおよびDSM-V基準を用いた小児双極性障害の診断ミスに関するエビデンスを要約し、未治療の双極性障害患者の生命アウトカムに及ぼす影響を検討した。さらに、小児双極性障害の診断精度向上につながる可能性のある推奨事項の概要および要約も試みた。Research on Child and Adolescent Psychopathology誌オンライン版2023年12月18日号の報告。  2023年3月21日までに公表された文献を、Scholars Portal Journal、PsychINFO、MEDLINEデータベースより検索した。レビュー対象基準に従い、18歳未満の小児サンプルを用い、1995~2022年に出版された文献に限定した。除外基準は、自己申告による診断を伴うサンプルを含む文献とした。

うつ病や不安症などの診療におけるライブ双方向ビデオ治療~24週間のランダム化対照試験

 スマートフォンやその他のデバイスを用いて自宅から簡単にアクセス可能な双方向ライブビデオは、精神科治療における新たな医療アクセスになりつつある。しかし、実臨床現場では、その有効性を示すエビデンスが限られており、一部の国において保険診療による承認の妨げとなっている。慶應義塾大学の岸本 泰士郎氏らは、現在の主な通信手段となっているスマートフォンおよびその他のデバイスを用いた双方向ビデオのさまざまな精神疾患に対する長期治療の有効性を評価するため、実用的な大規模ランダム化比較試験を初めて実施した。その結果から、スマートフォンやその他のデバイスを用いた双方向ビデオによる治療は、実臨床における対面治療と比較し、劣っていないことが明らかとなった。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2023年12月15日号の報告。

ソーシャルメディアの使用時間削減で仕事もメンタルヘルスも上向きに?

 仕事の合間にInstagramやTikTokを見ることはちょっとした気晴らしになるように思われるが、この行為は、実際には仕事の満足度を低下させている要因なのかもしれない。ソーシャルメディアの使用時間を1日わずか30分減らすだけで、その人のメンタルヘルス、仕事の満足度、仕事へのコミットメント(責任を持って仕事に積極的に関わっていくこと)が向上したとする研究結果が報告された。ルール大学ボーフム(ドイツ)メンタルヘルス研究・治療センターのJulia Brailovskaia氏らによるこの研究の詳細は、「Behavior and Information Technology」に12月8日掲載された。