精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:281

世界的に増加する抗精神病薬処方、製薬企業の影響は

 抗精神病薬(主に第2世代抗精神病薬:SGA)の処方数は、世界的に急速に増加している。しかし、第1世代抗精神病薬(FGA)と比較し、SGAの急増は、エビデンスでは説明できない。いくつかの研究では、FGAとSGAは、統合失調症の陽性症状、陰性症状、認知機能に対し同等の有効性を有するとされている。そのような中、製薬企業が処方行動に及ぼす影響について、高い関心を集めている。ベルギー・Universiteit AntwerpenのStijn Cleymans氏らは、抗精神病薬の処方パターンと製薬企業による直接的な情報提供との関連について研究を行った。Journal of medical ethics誌オンライン版2016年11月28日号の報告。

陰性症状に対するボディサイコセラピー、男女間で効果が異なる

 ボディサイコセラピーは、統合失調症の陰性症状に対し有効な治療法であることを示唆する研究が、小規模ではあるものの有望な発見として報告されている。しかし、これらの結果は、最近のマルチサイト試験では見出されなかった。これは、以前の研究と比較し、女性の割合が非常に少なく、統合失調症における試験結果に影響を及ぼすことがわかっている性別混合が問題となっている可能性がある。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のMark Savill氏らは、マルチサイト試験のデータについて2次分析を行った。Psychiatry research誌2017年1月号の報告。

新規アルツハイマー型認知症治療剤の発売による処方動向の変化:京都大

 現在、国内においては4種類のアルツハイマー型認知症(AD)治療剤が使用可能であるが、2011年までは1剤しか存在しなかった。京都大学の門原 公子氏らは、2011年の新規AD治療剤発売前後における日本人外来患者の処方動向を明らかにするため検討を行った。Neurology and therapy誌オンライン版2016年11月28日号の報告。

抗精神病薬誘発性体重増加とヒスタミンとの関係

 抗精神病薬誘発性体重増加(AIWG)と脳内ヒスタミンH1受容体(HRH1)アンタゴニスト、H3受容体(HRH3)アゴニストの効果に正の相関があることが実証されている。カナダ・トロント大学のArun K Tiwari氏らは、AIWGに対するHRH1、HRH3遺伝子における一塩基多型(SNP)の潜在的な影響を検討した。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2016年12月15日号の報告。

頭髪分析による薬物モニタリング、頭痛患者での精度は

 慢性的に治療している頭痛患者の服薬アドヒアランスをモニタリングするため、頭髪分析が有益なのかという可能性について、イタリアのモデナ・レッジョ・エミリア大学のAnna Ferrari氏らが評価した。本研究では、(1)頭痛患者の頭髪における23種類の薬剤検出率(2)患者が自己報告した薬剤と頭髪から検出された薬剤の一致度(3)患者自己報告の薬剤摂取量に頭髪から検出されたレベルが反映されているかについて分析を行った。European journal of clinical pharmacology誌オンライン版2016年11月20日号の報告。

アリピプラゾールの至適用量、1週目の血漿中濃度で予測可能:琉球大

 急性増悪期の統合失調症患者に対し、アリピプラゾールで良好な治療反応を得るための血清トラフ濃度は、アリピプラゾールおよびその活性代謝物であるデヒドロアリピプラゾールを合わせて225ng/mLであると言われている。琉球大学の永井 五洋氏らは、アリピプラゾールの至適用量を1週目の血漿中濃度から予測できるかどうかを調査した。Therapeutic drug monitoring誌オンライン版2016年11月16日号の報告。