世界的に増加する抗精神病薬処方、製薬企業の影響は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/12/23 抗精神病薬(主に第2世代抗精神病薬:SGA)の処方数は、世界的に急速に増加している。しかし、第1世代抗精神病薬(FGA)と比較し、SGAの急増は、エビデンスでは説明できない。いくつかの研究では、FGAとSGAは、統合失調症の陽性症状、陰性症状、認知機能に対し同等の有効性を有するとされている。そのような中、製薬企業が処方行動に及ぼす影響について、高い関心を集めている。ベルギー・Universiteit AntwerpenのStijn Cleymans氏らは、抗精神病薬の処方パターンと製薬企業による直接的な情報提供との関連について研究を行った。Journal of medical ethics誌オンライン版2016年11月28日号の報告。 フランダースの精神科医、一般開業医(GP)、研修医を対象に横断的オンライン調査を行った。処方行動、SGAとFGAの有効性とその性質に関する意見、製薬企業との接触頻度についての質問に回答を得た。異なる変数と集団差の関係は、スピアマンの順位相関係数とχ2検定を用いて調査が行われた。 主な結果は以下のとおり。 ・対象者は、オランザピン、リスペリドンをとくに好み、次いでクエチアピン、アリピプラゾールを好んでいた。 ・この行動は、SGAがFGAと比較し、優れた有効性と良好な副作用プロファイルを有することを確信しているためであった。 ・医薬情報担当者との頻繁な接触は、FGAを上回るSGAの優先度と相関していた。 ・対象者の41%が製薬企業の影響を受けていることを認識しており、これまで報告されていたよりも高かった。 関連医療ニュース 警告後、認知症への抗精神病薬処方は減少したのか 認知症者に対する抗精神病薬処方は地域差が大きい FDAの承認が抗精神病薬の適応外処方に与える影響 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Cleymans S, et al. J Med Ethics. 2016 Nov 28. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 大腸がん死亡率への効果、1回の大腸内視鏡検査vs.2年ごとの便潜血検査/Lancet(2025/04/11) 死亡リスクの高いPAH患者に対するsotaterceptの有効性/NEJM(2025/04/11) 子供も食事の早食いは肥満に関係する/大阪大(2025/04/11) 高感度CRP、心不全の悪化予測に有用か/日本循環器学会(2025/04/11) 高齢者の治療抵抗性うつ病に対して最も効果的な治療は?〜メタ解析(2025/04/11) 乳がんサバイバーは多くの非がん疾患リスクが上昇/筑波大(2025/04/11) 鼻の軟骨で膝の損傷を修復できる可能性(2025/04/11) 精液の質が良い人は寿命が長い?(2025/04/11) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)