統合失調症のEPS発現にカルバマゼピン処方が関連 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/12/21 第2世代抗精神病薬(SGA)使用患者における錐体外路症状(EPS)の発生に関連する因子について、ブラジル・Universidade Federal do Rio Grande do NorteのSusana Barbosa Ribeiro氏らが検討を行った。European journal of clinical pharmacology誌オンライン版2016年11月26日号の報告。 本研究は、3つの外来診療所の患者を対象とした、ランダムサンプルに基づく観察的横断研究。対象基準は、男女共に18~65歳のSGA単剤治療中統合失調症患者。過去に長時間作用型抗精神病薬注射剤を使用した患者は除外した。対象患者の家族に電話で連絡をとり、調査参加時の家庭訪問が計画された。すべての対象者およびその親族より、インフォームドコンセントを得た。患者背景、臨床的特徴、使用薬剤と関連するEPSリスクは、ロジスティック回帰を用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者は213例であった。 ・対象者の38.0%にEPSが認められた。 ・使用頻度の高いSGAは、オランザピン(76例、35.7%)、リスペリドン(74例、34.3%)、クエチアピン(26例、12.2%)、ziprasidone(23例、10.8%)であった。 ・統合失調症の補助療法として使用された薬剤は、ベンゾジアゼピンが最も多く(31.5%)、次いでカルバマゼピン(24.4%)、抗うつ薬(20.2%)であった。 ・多変量解析では、EPSリスクはカルバマゼピン使用と関連していることが示唆された(オッズ比:3.677、95%CI:1.627~8.310)。 ・SGAの種類によるEPSリスク変化は確認されなかった。 関連医療ニュース 抗精神病薬の血漿中濃度とEPS発現 統合失調症患者の副作用認識状況は:さわ病院 統合失調症治療、ベンゾジアゼピン系薬の位置づけは (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ribeiro SB, et al. Eur J Clin Pharmacol. 2016 Nov 26. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)