アスピリンまたはクロピドグレルへのシロスタゾール併用、日本人脳梗塞の出血リスクを増やさず再発抑制:CSPS.com試験
虚血性脳血管障害に対する長期の抗血小板薬2剤併用は、脳卒中を抑制せず大出血リスクを増やすとされている。これは大規模試験MATCH、CHARISMAサブスタディ、SPS3で得られた知見に基づく。
しかし、これらのランダム化試験で検討されたのは、いずれもアスピリンとクロピドグレルの併用だった。ではCSPS 2試験においてアスピリンよりも出血リスクが有意に低かった、シロスタゾールを用いた併用ではどうだろう――。この問いに答えるべく、わが国で行われたのが、ランダム化非盲検試験CSPS.comである。その結果、アスピリン、クロピドグレル単剤に比べ、それらへのシロスタゾール併用は、重篤な出血リスクを増やすことなく、脳梗塞を有意に抑制することが明らかになった。2019年2月6~8日に、米国・ハワイで開催された国際脳卒中会議(ISC)初日のOpening Main Eventにおいて、豊田 一則氏(国立循環器病研究センター病院・副院長)が報告した。