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2024/07/10
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リハビリテーション科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

ウォーキングに腰痛の再発防止効果

 腰痛がようやく治ったという人は、再発防止のためにウォーキングをすると良いようだ。オーストラリアの新たな研究で、ウォーキングを始めた人は、ウォーキングをしない人に比べて腰痛が再発するまでの期間がはるかに長かったことが示された。マッコーリー大学(オーストラリア)理学療法学教授のMark Hancock氏らによるこの研究結果は、「The Lancet」に6月19日掲載された。  本研究の背景情報によると、腰痛に悩まされている人は全世界で8億人以上に上る。腰痛患者の10人中7人は腰の痛みが和らぐものの、後に再発を経験する。本研究では、最近、特定の疾患を原因としない、24時間以上続く腰痛を経験している18歳以上の成人701人(平均年齢54歳、女性81%)を対象にランダム化比較試験を実施し、6カ月間にわたる個別化された段階的なウォーキングプログラムと理学療法士による教育セッションから成る介入が腰痛の再発予防に有効であるかどうかが検討された。対象者は、351人が介入群、350人が介入を提供されない対照群に割り付けられ、12カ月以上(最長36カ月間)追跡された。

定年退職前後の高強度トレーニングで老後も活動的に

 定年退職が視野に入ってきたら、高強度の筋力トレーニングをしておくと良いかもしれない。それにより、身体的に自立した生活にとって重要な下肢の筋力が、退職後にも長期間維持されるという。ウメオ大学(スウェーデン)のCarl-Johan Boraxbekk氏らの研究の結果であり、詳細は「BMJ Open Sport & Exercise Medicine」に6月18日掲載された。  筋力トレーニングによって、加齢による筋肉量や筋力の低下が抑制される。ただし筋力トレーニングを一定期間継続した後に、その効果がどれだけ長く維持されるのかという点はよく分かっていない。Boraxbekk氏らはこの点を検証するために、無作為化比較試験を実施した。

自然の中での運動は屋内での運動よりも有益

 公園での散歩や小道を自転車で走るなどの自然の中で行う運動は、室内で行う運動よりも有益である可能性が、新たなレビューで示唆された。ただし、公共の自然エリアへのアクセスは地域により異なり、全ての人が屋外で運動できるわけではないと研究グループは指摘している。米テキサスA&M大学健康・自然センターのJay Maddock氏とHoward Frumkin氏によるこの研究の詳細は、「American Journal of Lifestyle Medicine」に5月11日掲載された。  Maddock氏らは本研究の背景説明の中で、現在、米国成人の4人に3人以上が推奨されている1週間の運動量を確保できていないと述べている。同氏らは、このような運動は、心臓病、糖尿病、一部のがん、骨粗鬆症などの慢性的な健康問題の予防に役立つ上に、免疫機能を高め、気分を改善し、痛みのコントロールを助け、寿命の延長にもつながると説明している。

中等度~重度の外傷性脳損傷アウトカム、非制限輸血vs.制限輸血/NEJM

 貧血を伴う重度の外傷性脳損傷患者において、非制限輸血戦略は制限輸血戦略と比較して6ヵ月後の不良な神経学的アウトカムのリスクを改善することはなかった。カナダ・ラヴァル大学のAlexis F. Turgeonらが、無作為化比較試験「Hemoglobin Transfusion Threshold in Traumatic Brain Injury Optimization pragmatic trial(HEMOTION試験)」の結果を報告した。重度の外傷性脳損傷患者のアウトカムに対する制限的輸血戦略と非制限輸血戦略の有効性は不明であった。NEJM誌オンライン版、2024年6月13日号掲載の報告。

日本の大学生の2割がロコモ

 日本の大学生400人以上を対象とした研究の結果、ロコモティブシンドローム(ロコモ)の有病率が20%を超えていることが示された。また、ロコモと関連する要因は男性と女性で違いがあることも明らかとなった。国際医療福祉大学理学療法学科の沢谷洋平氏、同大学医学部老年病学講座の浦野友彦氏らによる研究であり、「BMC Musculoskeletal Disorders」に5月10日掲載された。  ロコモは、運動器の障害により起立や歩行などの移動機能が低下した状態であり、ロコモが進行すると最終的には介護が必要となる。若年者にも一定の割合でロコモの兆候が見られると報告されているが、10代~20代の若年者を対象とする研究は不足している。また、男性と女性では筋力や体格に違いがあるため、ロコモと関連する要因も性別により異なる可能性がある。

身体活動の指標、時間ではなく歩数でもOK?

 米国における身体活動のガイドラインでは、健康のために中~高強度の身体活動を週150分以上行うことを推奨しているが、歩数に基づく推奨はエビデンスが十分ではないため発表されていない。今回、米国・Brigham and Women's Hospital/Harvard Medical Schoolの浜谷 陸太氏らによる米国の62歳以上の女性を対象としたコホート研究において、中~高強度身体活動時間および歩数と全死亡率および心血管疾患(CVD)の関連が質的に同様であることが示唆された。JAMA Internal Medicine誌オンライン晩2024年5月20日号に掲載。

乳がん患者のQOLと死亡リスクの関係

 乳がん患者は生活の質(QOL)に悪影響を及ぼすさまざまな問題を抱えているが、乳がん患者のQOLと死亡リスクとの関連については議論の余地がある。静岡県立静岡がんセンターの鈴木 克喜氏らは、QOLが乳がん患者の予後に与える影響についてシステマティックレビューおよびメタ解析を実施し、結果をBreast Cancer誌オンライン版2024年4月9日号で報告した。  本研究では、CINAHL、Scopus、PubMedのデータベースを用いて、2022年12月より前に発表された乳がん患者のQOLと死亡リスクを評価した観察研究が検索された。  主な結果は以下のとおり。 ・11万9,061件の論文が検索され、6件の観察研究がメタ解析に含まれた。 ・身体機能QOL(ハザード比[HR]:1.04、95%信頼区間[CI]:1.01~1.07、p=0.003)、情緒機能QOL(HR:1.01、95%CI:1.00~1.03、p=0.05)、および役割機能QOL(HR:1.01、95%CI:1.00~1.01、p=0.007)は、死亡リスクとの有意な関連が示された。 ・一方で、全般的QOL、認知機能QOL、および社会機能QOLは、死亡リスクとの関連が示されなかった。 ・治療時点に従い行われたサブグループ解析によると、治療後の身体機能QOLが死亡リスクと関連していた。

推奨レベル以下の身体活動でも脳卒中リスクは低下する

 少し体を動かすだけでも、カウチポテト族のように怠惰に過ごすよりは脳卒中の予防に役立つようだ。身体活動レベルがガイドラインで推奨されているレベルに達していなくても、運動をしない人に比べると脳卒中リスクは18%低下することが、新たな研究で示された。ラクイラ大学(イタリア)バイオテクノロジー・応用臨床科学分野のRaffaele Ornello氏らによるこの研究の詳細は、BMJ社発行の「Journal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry」に3月5日掲載された。

植物ベースの食事、内容で骨折リスクは変わるか?

 これまでの研究で、植物性食品を多く摂取し、動物性食品を少なく、あるいはまったく摂取しないヴィーガン食は、骨密度の低下や骨折リスクの上昇に関連する可能性が示唆されている。しかし、植物性食品の質については区別されていなかった。スペイン・マドリード自治大学のMercedes Sotos-Prieto氏らは、閉経後の女性において、植物性食品の質と股関節骨折リスクとの関連を検討した。JAMA Network Open誌2024年2月29日号掲載の報告。  研究者らは、1984~2014年に米国のNurses' Health Studyに参加した7万285例の閉経後女性を対象に、植物性食品(菜食主義とは限らず雑食主義も含む)の質と股関節骨折リスクとの関連を検討した。データは2023年1月1日~7月31日に解析された。

迷走神経刺激療法とリハビリの併用が脳卒中後の上肢の機能回復に有効

 脳卒中の後遺症で腕が不自由になることの影響は計り知れないほど大きいが、脳卒中を経験した人に希望をもたらす臨床試験の結果が明らかになった。迷走神経刺激療法(VNS)と集中的なリハビリテーション(リハビリ)を組み合わせることで、障害が残った腕や手をコントロールする機能の回復を促せる可能性のあることが示された。この試験は米MGHインスティテュート・オブ・ヘルス・プロフェッションズのTeresa Kimberley氏らが実施したもので、国際脳卒中学会(ISC 2024、2月7~9日、米フェニックス)で報告された。