呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:296

ペムブロリズマブ 肺がん1次治療の新戦略

 2017年3月13日、MSD株式会社は、抗PD-1抗体「キイトルーダ点滴静注20mg」および「キイトルーダ点滴静注100mg」(一般名:ペムブロリズマブ)の発売に伴うプレスセミナーを開催した。その中で、京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 教授の高山 浩一氏による、「肺がん治療における免疫療法の展望~免疫チェックポイント阻害剤の登場で変わる治療戦略~」と題した講演が行われた。その内容をレポートする。

「3大がん」死亡リスクが高い職業は?:日本人男性

 肺がん・胃がん・大腸がんは、日本人男性におけるがん関連死亡原因のトップ3となっている。北里大学の江口 尚氏らは、これらの3大がんによる死亡リスクが高い職業および産業を特定することが、健康に関する社会的マーカーを解明するための第一歩であると仮定し、調査を行った。Scientific Reports誌2017年2月23日号の報告。

ネズミ由来の小児喘息に総合的有害生物管理は有効か/JAMA

 米国では、ネズミのまん延が、都市近郊の低所得層居住区に特有の問題となっており、ネズミに感作した喘息児がネズミ由来アレルゲンに曝露すると、感作あるいは曝露がない患児に比べ喘息症状の発現頻度が高いとの報告がある。また、専門家が行う総合的有害生物管理(integrated pest management:IPM)による介入は、ネズミ由来アレルゲン濃度を低下させることが知られている。そこで、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のElizabeth C Matsui氏ら研究グループは、有害生物管理教育へのIPMの併用による喘息症状の抑制効果を検証する無作為化臨床試験(MAAIT試験)を行った。研究の成果は、JAMA誌2017年3月6日号に掲載された。

セリチニブがALK陽性肺がん1次治療の優先審査対象に:FDA

 ノバルティスは2017年2月23日、米国食品医薬品局(FDA)が、ALK陽性の転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の患者に対する1次治療薬として、セリチニブ(商品名:ジカディア)の医薬品承認事項変更申請(sNDA)を受理したと発表した。 FDAはまた、脳転移を伴うALK陽性の転移性NSCLC患者のセリチニブをブレークスルーセラピーに指定した。

座高は循環器・呼吸器疾患の死亡率と逆相関

 成人の身長および座高は、遺伝的・環境的要因を反映しうる。以前の研究で、身長とがんや循環器疾患の死亡率との関連は報告されているが、座高と死亡率との関連の報告は少ない。今回、欧州における40万人以上の大規模コホート研究で、身長はがん死亡率と正相関する一方、循環器疾患死亡率とは逆相関を示し、また座高は循環器疾患死亡率および呼吸器疾患死亡率と逆相関を示した。PLOS ONE誌2017年3月3日号に掲載。

IPF初ガイドライン 抗線維化薬治療の指針示す

 2017年3月1日、塩野義製薬株式会社主催の第3回「いのちを考える」メディアセミナーが都内で開催された。「変わる難病治療―国内初の特発性肺線維症(IPF)治療ガイドライン―」と題し、本セミナーでは杉山 幸比古氏(練馬光が丘病院 常勤顧問/自治医科大学 名誉教授)と本間 栄氏(東邦大学医学部内科学講座 呼吸器内科学分野 教授)が、「特発性肺線維症」(以下IPF)の治療とガイドラインについて解説を行った。

2型糖尿病、併存疾患ごとの超過死亡リスク

 2型糖尿病の患者は、大血管疾患・慢性腎臓病・慢性呼吸器疾患・がん・喫煙習慣を伴うことが多い。山梨大学の横道 洋司氏らは、これらを伴う2型糖尿病患者の超過死亡リスクについて、バイオバンク・ジャパン・プロジェクトのデータを用いて定量化した。その結果、慢性腎臓病・大血管疾患・慢性呼吸器疾患の既往、もしくは現在喫煙している糖尿病患者において高い死亡リスクが示された。著者らは、糖尿病の予後改善のために併存疾患の改善および禁煙の必要性を提言している。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年2月10日号に掲載。

テロメアが長いとリスクが高い疾患は?

 テロメアの長さと、がんや非腫瘍性疾患の発症率の関連について、その因果関係と強さは不明である。今回、Telomeres Mendelian Randomization Collaborationによるメンデル無作為化研究から、テロメアが長いと数種のがんリスクを上げる一方で、心血管疾患など、いくつかの非腫瘍性疾患のリスクを下げる可能性があることがわかった。JAMA oncology誌オンライン版2017年2月23日号に掲載。