呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:4

インフルエンザワクチンの有効性、前シーズンの感染・接種歴で変動―17シーズン解析

 前シーズンのインフルエンザ感染歴は今シーズンのワクチン有効性(VE)を高め、前シーズンの接種歴はVEを減弱させることが、日本臨床内科医会 インフルエンザ研究班の河合 直樹氏らによる日本での17シーズンにわたる前向きコミュニティベースコホート研究の解析で示された。今シーズン未接種者における罹患率(AR)は、前シーズン接種歴のある小児で14.0%、接種歴のない小児で8.6%と有意差が認められた(p<0.001)。研究成果はThe Journal of Infectious Diseases誌オンライン版2026年7月11日付で発表された。 本研究は、日本で2002~03年シーズンから2018~19年シーズンにかけて実施された17シーズンにわたる前向きコミュニティベースコホート研究のデータを用いた解析である。

閉塞性睡眠時無呼吸へのCPAP、不眠症併存例でより血圧低下

 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と不眠症の併存(comorbid insomnia and obstructive sleep apnea:COMISA)は血圧コントロール悪化と関連している。今回、中国・Capital Medical UniversityのShuang Li氏らは、4週間の持続陽圧呼吸療法(CPAP)による降圧効果をCOMISA患者とOSA単独患者で比較したところ、COMISA患者で収縮期血圧が有意に低下したことがわかった。Chest誌オンライン版2026年7月31日号に掲載。

肺動脈性肺高血圧症、ralinepagが臨床的悪化リスクを半減/Lancet

 現在の標準治療を受けている肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者において、ralinepagはプラセボと比較し、臨床的悪化の初回イベントリスクを有意に低下させたが、有害事象による治療中止の発現割合は高かった。米国・ミシガン大学のVallerie V. McLaughlin氏らADVANCE OUTCOMES Investigatorsが、30ヵ国の169施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「ADVANCE OUTCOMES」の結果を報告した。PAHは肺血管抵抗の上昇を特徴とする希少かつ進行性の疾患であり、右心不全や早期死亡に至る可能性がある。ralinepagは選択的プロスタサイクリン(IP)受容体作動薬で、1日1回経口投与のPAH治療薬として開発された。Lancet誌オンライン版2026年7月28日号掲載の報告。

進行扁平上皮肺がんにおける免疫チェックポイント阻害薬+血管新生阻害薬の二重特異性抗体ivonescimabの効果(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)

非小細胞肺がん(NSCLC)の約25~30%を占める扁平上皮がんは、腺がんと比較して治療選択肢が限定的であり、肺がん領域の大きな課題である。免疫チェックポイント阻害薬(ICI)により予後は改善したものの、長期生存を期待できる症例は依然として限られている。腺がんにおいて抗腫瘍効果を発揮してきたベバシズマブなど血管新生阻害薬の併用は、扁平上皮がんにおいては中枢型病変や空洞形成、大血管侵襲に伴う致死的な出血リスクとなっている。このような背景の中、注目されているのがPD-1とVEGFの両方を標的とする二重特異性抗体(bispecific antibody)ivonescimabである。ivonescimabは、PD-1とVEGFの両方が存在する腫瘍微小環境において結合親和性が飛躍的に高まる協調的結合(cooperative binding)という特殊な構造特性を有する。全身性のVEGF阻害による毒性を抑えつつ、腫瘍局所で強力な免疫活性化と血管正常化を同時に引き起こす設計となっている。

EGFR陽性NSCLCへのオシメルチニブ、変異の種類でCNS進行は異なる?

 脳転移を伴うEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、オシメルチニブによる1次治療を受けた場合の中枢神経系(CNS)進行が、EGFR遺伝子変異の種類別に比較された。その結果、EGFR遺伝子変異の種類によりCNS進行は異なり、atypical変異、L858R変異はCNS進行リスクが高かった。本研究結果は、Emily Miao氏(米国・メモリアルスローンケタリングがんセンター)らによって、Journal of Thoracic Oncology誌オンライン版2026年7月28日号で報告された。  本研究は、脳転移を伴うEGFR遺伝子変異陽性NSCLCで、1次治療としてオシメルチニブを投与された患者を対象とした多施設共同後ろ向き研究である。対象患者をEGFR遺伝子変異の種類(exon19欠失変異、L858R変異、atypical変異)で分類し、定位放射線手術(SRS)の有無でも分類した。主要評価項目はCNS進行までの期間とした。

新型コロナ・インフルワクチンの同時接種で有害事象は増えず

 この秋は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とインフルエンザの対策が一度で済むかもしれない。新たな研究で、新型コロナウイルスワクチン(以下、新型コロナワクチン)とインフルエンザワクチンを同時接種しても、インフルエンザワクチンのみを接種した場合と比べて安全上のリスクは増加しないことが示された。米ワシントン大学医学部および米VA St. Louis Health Care SystemのYan Xie氏らによるこの研究は、「Annals of Internal Medicine」に6月30日掲載された。  この研究では、米国の退役軍人(VA)約250万人の電子医療記録データを用いて、新型コロナワクチン(二価ワクチン、XBB対応ワクチン、およびKP対応ワクチン)とインフルエンザワクチンを同時接種した場合とインフルエンザワクチンを単独接種した場合とで、接種後90日以内の有害事象の発生について比較・評価した。

がん患者の肺塞栓症診断、YEARSアルゴリズムは有効か?/JAMA

 がん患者における肺塞栓症(PE)の診断戦略について、YEARSアルゴリズムの使用はCT肺動脈造影(CTPA)のみ使用の場合と安全性は同等であることが、オランダ・ライデン大学医療センターのBram Akerboom氏らHydra Study Investigatorsが実施した研究者主導の無作為化非盲検非劣性試験「Hydra試験」の結果で示された。同試験において22%の患者がYEARSアルゴリズムの使用でCTPAの実施を回避できたことも示された。YEARSアルゴリズムは、急性PEを除外する安全かつ効率的な方法とされているが、がん患者における精度に関する確固たるエビデンスは不足しており、現行のガイドラインでは直接CTPAを行うことが推奨されている。JAMA誌オンライン版2026年7月12日号掲載の報告。

ビタミンA高値は喘息患者の良好な肺機能と関連

 ビタミンAは、喘息を有する人の肺機能の改善に役立つ可能性がある。ビタミンAおよびビタミンDの肺機能に対する影響を検討した新たな研究で、血液中のビタミンA濃度が高いことは、喘息を有する小児と成人の双方において良好な肺機能と関連することが示された。一方、ビタミンDについては、効果が見られたのは成人の喘息患者のみであった。米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のMichael McGeachie氏らによるこの研究結果は、「Thorax」に6月30日掲載された。  ビタミンAおよびDは遺伝子発現を調節し、肺の発達に影響すると考えられている。喘息患者ではビタミンA欠乏症が多く見られ、これは気道の過敏性と関連していることが報告されている。

アレルギーや喘息で、がんリスクは上がる?下がる?〜JPHC研究

 アレルギーや喘息に伴う過敏な免疫反応や慢性炎症が、がん発症に防御的に働くのか、あるいは促進するのかについては、依然として議論されている。今回、国立がん研究センターの平林 万葉氏らが、日本人の多目的コホート研究(JPHC Study)から得られたデータを用いて前向き観察研究を実施したところ、アレルギーや喘息の既往はがん全体のリスクとは関連しないものの、喫煙男性では大腸がん、非喫煙女性では子宮頸がんのリスク上昇と関連することが示された。Cancer Medicine誌2026年7月号に掲載。

StageIV肺限局型NSCLCへの肺移植、1年OS率100%/JAMA

 内科的治療に抵抗性の病変が肺に限局したStageIVの非小細胞肺がん(NSCLC)で、呼吸不全を呈する患者において、内科的治療単独と比較して肺移植を受けた患者の早期生存成績は良好であることが、米国・ノースウェスタン大学のAnkit Bharat氏らによる前向き単施設レジストリ研究の結果で示された。移植群の推定1年全生存(OS)率は100%であったのに対し、内科的治療単独群は40.8%であった。著者は、「長期の追跡評価および生活の質(QOL)の評価が求められる」とまとめている。両肺移植は、肉眼的に確認できる病変をすべて切除可能であるが、肺がんについては過去の肺移植成績が不良であったことから適応にならないとされている。JAMA誌オンライン版2026年7月8日号掲載の報告。