呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:4

閉塞性睡眠時無呼吸症候群、女性は男性より症状負担が大きい

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の女性では、OSAの重症度の指標である無呼吸低呼吸指数(AHI)は男性よりも低いものの、頭痛、悪夢、夜間頻尿などの症状負担は男性よりも大きい傾向があることが、新たな研究で示された。米ピッツバーグ大学の睡眠医学研究者であるStuti Vaidya氏らによるこの研究は、米国睡眠関連学会連合(APSS)の年次総会(SLEEP 2026、7月14〜17日、米ボルチモア)で発表予定であり、要旨は「Sleep」5月増刊号1に掲載された。APSSは、米国睡眠医学会(AASM)および睡眠研究学会(Sleep Research Society)が共同で設立した組織である。

リファンピシン耐性肺結核、4~5剤併用6ヵ月投与が有用/NEJM

 リファンピシン耐性肺結核の治療では、最近まで最大7種の薬剤を含むレジメンの9~18ヵ月間の投与が行われてきた。2022年、WHOは治療ガイドラインを改訂し、ベダキリンやpretomanidなどの新薬を含むレジメンの6ヵ月間の投与を、推奨される標準治療として追加したが、現在、pretomanidは14歳未満の小児や妊娠中または授乳中の女性には禁忌とされる。南アフリカ共和国・University of the WitwatersrandのFrancesca Conradie氏らは、「BEAT Tuberculosis試験」において、小児や妊娠中・授乳中の女性を含む患者集団の治療では、ベダキリン、リネゾリド、デラマニド、レボフロキサシンまたはクロファジミンを含む新戦略の6ヵ月間投与は同国の標準治療の9ヵ月間投与に対し、有効性に関して非劣性であり、安全性プロファイルは同程度であることを示した。研究の成果は、NEJM誌2026年6月25日号に掲載された。

高パフ数の電子タバコでアルデヒド類が増加

 吸引回数の多い電子タバコは、使用が進むにつれて健康リスクを高める可能性があるようだ。高パフ数の電子タバコは、長期間の使用を想定してリキッドの容量が多めに設計されており、数千回の吸引が可能とされている。しかし新たな研究で、こうした電子タバコでは、リキッドが繰り返し加熱される過程でメチルグリオキサール(MGO)やグリオキサール(GO)などの有毒なアルデヒド類が有意に増加することが示された。米カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)分子細胞・システム生物学教授のPrue Talbot氏らによるこの研究結果は、「ACS Omega」に5月28日掲載された。

EGFR-TKI後のNSCLC、ivonescimabがOSを改善/JAMA

 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の変異を有する進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療では、現在、第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が標準治療であるが、獲得耐性は避けられず、EGFR-TKIの投与中に病勢が進行した患者は、耐性のメカニズムが不均一か不明であるため治療選択肢が限られている。中国・中山大学がんセンターのWenfeng Fang氏らHARMONi-A Study Investigatorsは「HARMONi-A試験」において、EGFR-TKI療法後のEGFR変異陽性NSCLC患者では、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)と血管内皮増殖因子(VEGF)の二重特異性抗体であるivonescimabと化学療法の併用は、化学療法単独と比較して、許容範囲内の安全性プロファイルを保持しつつ、全生存期間(OS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善をもたらすことを示した。本研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年6月17日号で報告された。

症状モニタリングアプリが進行がん患者のQOL維持に有効

 緩和ケアを受けている進行がん患者の症状への対処や健康関連QOLの維持に、スマートフォンのアプリによる症状モニタリングが役立つ可能性があることが、新たな研究で示された。香港大学(中国)臨床腫瘍学准教授のWendy Wing-lok Chan氏らによるこの研究結果は、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO 2026、5月29日~6月2日、米シカゴ)で発表されるとともに、「JAMA Network Open」に6月1日掲載された。  今回の研究では、さらなる全身性抗がん治療を受けないことを決めた進行固形がん患者1,214人(年齢中央値78歳、男性50.8%)を対象に、症状モニタリングアプリを活用した緩和ケアの有効性をランダム化比較試験で検討した。

テゼペルマブで重症喘息患者のステロイド減量が可能に

 最近承認された喘息治療薬テゼペルマブ(商品名テゼスパイア)により、喘息コントロールを維持しながら経口ステロイドの使用量を減らせる可能性が、臨床試験で示された。テゼペルマブ群では、喘息コントロールを維持しつつ日常的なステロイド使用量をより大きく減らせるオッズがプラセボ群の約3倍であったという。米National Jewish HealthにあるCohen Family Asthma Institute所長であるMichael Wechsler氏らによるこの研究結果は、「The Lancet Respiratory Medicine」6月号に掲載された。Wechsler氏は、「長期的な経口コルチコステロイドの使用は、糖尿病、骨粗鬆症、心血管疾患などの健康被害をもたらす可能性があり、生活の質(QOL)にも重大な影響を与え得る」と述べている。

SCORPIO-PEP試験:エンシトレルビルはCOVID-19家族内発症を予防できるか(解説:小金丸博氏)

NEJM誌2026年5月14日・21日合併号に掲載されたSCORPIO-PEP試験は、エンシトレルビル(商品名:ゾコーバ)をCOVID-19患者の同居家族に対して曝露後予防に用いた第III相試験である。主要評価項目である「症候性COVID-19発症」は、エンシトレルビル群2.9%、プラセボ群9.0%で、リスク比0.33と有意な抑制効果を示した。絶対リスク減少は約6%であり、NNT(治療必要数)は17と計算される。家庭内感染という高曝露環境を考慮すると、かなり良好な成績といえる。本試験の強みは、二重盲検ランダム化比較試験であること、多国籍試験であること、さらにオミクロン株流行期に実施された点にある。参加者の大多数が既感染あるいはワクチン接種由来の抗体を保有しており、現在の実臨床に近い集団で有効性が示された意義は大きい。また、有害事象発現率はプラセボ群と同等であり、安全性に関しても大きな問題を認めなかった。

急性感染症患者の鉄欠乏性貧血、鉄剤は投与する?/Blood

 鉄欠乏性貧血に対する静注鉄は速やかな鉄補充が期待できるが、急性感染症患者の場合は、病原体への鉄供給により感染を悪化させる可能性が懸念されている。そこで、米国・Charleston Area Medical CenterのHaris Sohail氏らは、鉄欠乏性貧血を有する急性感染症患者を対象に、静注鉄投与と生存、ヘモグロビン(Hb)値の回復などとの関連を検討した。その結果、静注鉄投与は検討したすべての感染症で14日および90日生存率の上昇と、Hb値の良好な回復に関連していた。本研究結果は、Blood誌2026年5月21日号に掲載された。

日本におけるがん薬剤費は10年で3倍に、総医療費最大は肺がん

 日本の全国レセプトデータベース(NDB)を用いて、2011~22年にがん診療を受けた約2,320万人を対象とした大規模解析が実施された。その結果、がん診療に伴う医療費は日本の経済成長率を大きく上回るペースで増加しており、とくに免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を中心とする新規抗がん薬が医療費増加の主要因であることが明らかになった。京都大学の福山 啓太氏らによる研究はScientific Reports誌オンライン版2026年6月15日号に掲載された。

ほこりの中にウイルス流行の手がかり

 ほこりには、オフィスや学校などの建物の中で流行しているウイルスに関する手がかりが含まれていることが、米オハイオ州立大学環境保健科学准教授のKaren Dannemiller氏らによる研究で明らかになった。Dannemiller氏は、「こうした研究は、懸念されるさまざまな問題について幅広い種類の建物をモニタリングする上で有用だ」とニュースリリースの中で述べている。詳細は、「Building and Environment」に5月15日掲載された。  排水などの廃棄物は、地域社会におけるウイルス拡散を追跡するために以前から利用されてきた。