呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:4

経鼻インフルエンザワクチン、鼻腔内に免疫反応を形成

 経鼻弱毒生インフルエンザワクチンのフルミスト(FluMist)は、従来の注射型ワクチンとは異なる仕組みで作用することが、新たな研究で示された。フルミストは、ウイルスが侵入してくる鼻腔内で直接的に免疫反応を引き起こし、ウイルスと闘うための「戦場」を形成することが明らかになったという。米ラホヤ免疫研究所のチーフサイエンティフィックオフィサーであるShane Crotty氏らによるこの研究の詳細は、「Science Translational Medicine」に4月29日掲載された。  研究グループは、こうした免疫反応は上気道にとどまり、血液検査では検出できないため、これまで成人に対する経鼻ワクチンの潜在的な有益性が見過ごされてきたと指摘する。

タブネオスの肝機能障害にブルーレター発出/厚労省

 2026年5月21日、厚生労働省は選択的C5a受容体拮抗薬アバコパン(商品名:タブネオスカプセル10mg)について、添付文書の「警告」を新設し、「重要な基本的注意」などを改訂するとともに、「安全性速報(ブルーレター)」により医療関係者などに対して速やかに注意喚起を行うようキッセイ薬品工業に対し指示した。  アバコパンは顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症に対する治療薬で、承認申請時に提出された臨床試験成績を踏まえ、2021年9月の承認当初から、添付文書において重大な副作用として肝機能障害に関する注意喚起がなされていた。

肺高血圧症治療のセレキシパグ、高用量製剤が発売/日本新薬

 2026年5月20日、日本新薬は肺動脈性肺高血圧症・慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療剤のセレキシパグ(商品名:ウプトラビ錠0.8mg)を発売した。  本剤は、プロスタサイクリン受容体(IP受容体)に対して選択的かつ持続的に作用する経口のIP受容体作動薬。血管平滑筋細胞のIP受容体に結合してcAMP産生を増加させ、血管拡張作用および血管平滑筋増殖抑制作用を介して肺動脈圧を低下させる。国内において本剤の0.2mgおよび0.4mgがすでに販売されているが、本治療は患者の状態に応じて、段階的に用量調整を進める治療設計がなされることから、患者の服薬コンプライアンス向上のために高用量製剤0.8mg錠が追加された。

頻回増悪を示すCOPD、astegolimabが好酸球数によらず増悪を抑制か(ALIENTO・ARNASA併合解析)/ATS2026

 既存の維持療法によっても増悪リスクが残存する慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者が存在し、新たな治療選択肢が求められている。IL-33受容体であるST2を標的とするモノクローナル抗体astegolimabは、頻回増悪歴を有するCOPD患者を対象として、開発が進められている。本剤について、海外第IIb相試験「ALIENTO試験」および国際共同第III相試験「ARNASA試験」が実施されており、米国胸部学会国際会議(ATS2026 International Conference)において、2試験の併合解析結果をJadwiga A. Wedzicha氏(英国・インペリアル・カレッジ・ロンドン)が報告した。

COVID-19患者の同居家族、エンシトレルビルで発症予防/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状発現後72時間以内に、患者の同居家族に対してエンシトレルビルを投与することにより、接触者のCOVID-19発症を抑制できることが示された。米国・バージニア大学のFrederick G. Hayden氏らSCORPIO-PEP(Stopping Covid-19 Progression with Early Protease Inhibitor Treatment for Post-Exposure Prophylaxis) Study Teamが、日本を含む5ヵ国共同で行われた無作為化二重盲検プラセボ対照試験「第III相SCORPIO-PEP試験」の結果を報告した。エンシトレルビルは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)3CLプロテアーゼの経口阻害薬であり、本邦においては軽症~中等症COVID-19の治療薬として承認されている。

ベンラリズマブ、好酸球増多症候群に対し承認取得/AZ

 アストラゼネカは2026年5月18日、ベンラリズマブ(遺伝子組換え)(商品名:ファセンラ皮下注30mgシリンジ/30mgペン)が、「好酸球増多症候群(HES)」に対し、日本で承認を取得したことを発表した。ベンラリズマブは現在、日本、米国、EU、中国を含む80ヵ国以上で重症好酸球性喘息の追加維持治療として承認されており、日本および米国では、6歳以上の小児および青年に対しても承認されている。また、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の成人患者に対する治療薬としても、日本を含む70ヵ国以上で承認されている。

GSKの組換えRSVワクチン、重症化リスクの高い18歳以上に対象拡大

 グラクソ・スミスクラインは2026年5月18日、組換えRSウイルスワクチン(商品名:アレックスビー)について、RSウイルス(RSV)による感染症が重症化するリスクの高い18~49歳の成人を対象として、用法・用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表した。  すでに、重症化リスクの高い50~59歳を対象として2024年11月に承認を取得しており、今回の承認により、本邦では重症化リスクの高い18~59歳の成人に使用可能な唯一のRSVワクチンとなる。なお、本剤は母子免疫による新生児・乳児におけるRSV感染症の予防に対する適応はない。

加熱式タバコも頻回な頭痛に関連/JASTIS研究

 加熱式タバコは、従来の紙巻タバコより「有害物質が少ない」と一般的に認識されているが、頭痛との関連についてはエビデンスが限られていた。長岡技術科学大学の勝木 将人氏らの研究グループは、日本の大規模インターネット調査のデータを解析した結果、紙巻タバコだけでなく加熱式タバコの使用も、頻回な頭痛の有病率上昇と独立して関連していることを明らかにした。Headache誌オンライン版2026年3月2日号に掲載。  本研究では、2025年2月〜3月に実施された「日本における社会と新型タバコに関するインターネット調査研究プロジェクト」(JASTIS研究)の回答者のうち2万3,228例(年齢中央値49歳、女性49.3%)を対象とした。

ICIとの併用でOSが延長、肺がん治療の新戦略「TTフィールド」の可能性/ノボキュア

 ノボキュアは2026年4月にメディアラウンドテーブル「進行期肺がん治療の新潮流」を開催した。同イベントでは近畿大学医学部内科学腫瘍内科の林 秀敏氏と同社の代表取締役である小谷 秀仁氏が登壇。2026年3月に保険収載された非小細胞肺がん(NSCLC)の腫瘍治療電場(TTフィールド)「オプチューンルア」について、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)との併用効果などを解説した。  腫瘍治療電場(TTフィールド)は、電場をがん治療に応用した新たな治療モダリティである。肺がんに対しては150kHzの交流電場を体内に形成することで、直接および間接の作用で腫瘍効果を発揮する。

新規インフルワクチンの第III相試験、mRNA-1010 vs.従来型ワクチン/NEJM

 開発中の季節性インフルエンザワクチンmRNA-1010(Moderna製)は、標準用量投与の承認済みワクチンよりも、50歳以上の成人におけるRT-PCR検査で確認されたインフルエンザ様疾患の予防において優れることが示された。報告された有害事象の頻度は、mRNA-1010群で高かった。ベルギー・ゲント大学のIsabel Leroux-Roels氏らFluent Trial Investigatorsが、第III相二重盲検実薬対照試験「Fluent試験」の結果を報告した。mRNA-1010は、世界保健機関(WHO)が2024-25年株として推奨する3つのインフルエンザ株(A/H1N1、A/H3N2、B/Victoria)由来のヘマグルチニン糖タンパク質をコードしている。NEJM誌2026年5月7日号掲載の報告。