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2024/07/10
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呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:5

2024年度コロナワクチン、製造株はJN.1に決定/厚労省

 厚生労働省は5月29日に、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会 季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの製造株について検討する小委員会を開催し、2024年度秋冬の新型コロナワクチンの定期接種で使用するワクチンの抗原構成について、JN.1系統を使用することを決定した。  秋冬の新型コロナワクチンの抗原構成をJN.1系統とする決定は、世界保健機関(WHO)の推奨の現状や、製薬企業によるワクチン開発の状況を踏まえて行われた。  WHOのTAG-CO-VAC(Technical Advisory Group on COVID-19 Vaccine Composition)が2024年4月発表した声明において、JN.1系統およびその下位系統へのより高い中和抗体の誘導を目指すことが推奨されている。

ビソプロロール併用、COPDの治療を要する増悪を低減せず/JAMA

 増悪リスクの高い慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の治療において、β1選択性β遮断薬ビソプロロールの追加はプラセボと比較して、経口コルチコステロイド、抗菌薬、あるいはこれら両方による治療を要するCOPD増悪の回数を抑制しないことが、英国・リバプール熱帯医学校のGraham Devereux氏らが実施した「BICS試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌オンライン版2024年5月19日号で報告された。   BICS試験は、英国の76施設(プライマリケア施設45、二次医療施設31)で実施した二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験であり、2018年10月~2022年5月に参加者を登録した(英国国立衛生研究所[NIHR]医療技術評価[HTA]プログラムの助成を受けた)。

デュピルマブ追加で、COPDの増悪が減少、肺機能改善/NEJM

 血中好酸球数の増加に基づく2型炎症を呈する慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の治療において、標準治療へのヒト型抗ヒトインターロイキン(IL)-4/13受容体モノクローナル抗体デュピルマブの上乗せはプラセボと比較して、COPD増悪の年間発生率を有意に減少させ、肺機能の改善をもたらすことが、米国・アラバマ大学バーミンガム校のSurya P. Bhatt氏らNOTUS Study Investigatorsが実施した「NOTUS試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2024年5月20日号に掲載された。  NOTUS試験は、29ヵ国329施設で実施した二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2020年7月~2023年5月に参加者の無作為化を行った(サノフィとリジェネロン・ファーマシューティカルズの助成を受けた)。

高リスクEGFR陽性NSCLC、amivantamab+lazertinibの効果は?(MARIPOSA)/ASCO2024

 未治療のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、EGFRおよびMETを標的とする二重特異性抗体amivantamabと第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬lazertinibの併用療法は、オシメルチニブ単剤と比較して無増悪生存期間(PFS)を改善したことが、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で報告されている。EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者において、TP53遺伝子変異、血中循環腫瘍DNA(ctDNA)の検出、ベースライン時の肝転移または脳転移を有する場合は予後が不良であることが知られている。そこで、国際共同第III相無作為化比較試験「MARIPOSA試験」において、これらの予後不良因子を有する患者の治療成績が検討された。その結果、amivantamabとlazertinibの併用療法は、これらの予後不良因子を有する患者集団においても、オシメルチニブ単剤と比較してPFSを改善することが明らかになった。米国臨床腫瘍学会年次総会(2024 ASCO Annual Meeting)において、スペイン・Vall d’Hebron University HospitalのEnriqueta Felip氏が本研究結果を報告した。

島根県の呼吸器診療の未来を支えるクラウドファンディングを開始/島根大学

 島根大学医学部 呼吸器内科が中心となり「島根県の呼吸器診療の未来を支えるクラウドファンディング」を開始した。  島根は全国的にも高齢化が進んでいる県であり、令和4年の高齢化率は34.7%で全国第7位である。高齢者は免疫機能が低下していることもあり、感染症やがんなど呼吸器疾患の発症率も高い。それに対して、島根では全県的に呼吸器専門医が不足しており、地域によっては専門医がいないという深刻な状況だ。このまま地域の呼吸器専門医が不在の状態が続くと呼吸器診療体制が形成できず、早期診断、疾患予防の輪が広がらないとされる。

喫煙歴があっても食習慣次第で肺気腫リスクが低下

 現喫煙者や元喫煙者など、肺気腫のリスクが高い人であっても、植物性食品中心の食習慣によって、その罹患リスクが抑制される可能性を示唆するデータが報告された。米ネブラスカ大学医療センターのMariah Jackson氏らの研究によるもので、詳細は「Chronic Obstructive Pulmonary Diseases : Journal of the COPD Foundation」3月発行号に掲載された。  肺気腫は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の一種で、血液中の二酸化炭素と酸素の交換が行われる肺胞の構造が破壊されて、呼吸機能が不可逆的に低下する病気。原因は主に喫煙であり、肺気腫の進行抑制には禁煙が必須だが、禁煙治療の成功率は高いとは言えない。一方で、植物性食品中心の食習慣が、呼吸器疾患の病状に対して潜在的な保護効果をもたらす可能性が報告されている。Jackson氏らはこのような背景の下、食習慣と肺気腫リスクの関連の有無を検討した。

代替エンドポイントの適否は臨床試験でなくても確認できる(解説:折笠秀樹氏)

評価項目(エンドポイント)には臨床と代替があります。たとえば、高血圧症であれば、臨床は脳心疾患であり、代替は血圧値です。代替である血圧値の低下が立証されれば、新薬の承認を得ることができます。その前提は、血圧値と脳心疾患の間に相関があることです。がんを除く32領域の慢性疾患で使われた37個の代替エンドポイントに対して、臨床エンドポイントとの相関性を調査しました。臨床試験から成るメタアナリシスで確かめられたのは、15個(41%)だけでした。残りの22個(59%)では、そうしたメタアナリシスはなかったようです。よく眺めると、メタアナリシスがないのは希少疾患が多そうでした。

トリプル療法で効果不十分のCOPD、テゼペルマブの有用性は?/ATS2024

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療において、吸入ステロイド薬(ICS)・長時間作用性β2刺激薬(LABA)・長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の3剤を1つの吸入器で吸入可能なトリプル製剤が使用可能となっているが、トリプル療法を用いてもCOPD増悪や入院に至る患者が存在する。COPD増悪はQOLを低下させるだけでなく、呼吸機能の低下や死亡リスクの上昇とも関連することが知られており、新たな治療法が求められている。

Grade1のILD回復後のT-DXdによる再治療、7割弱でILD再発なし/ESMO BREAST 2024

 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)によるがん治療におけるGrade1の間質性肺疾患(ILD)発症後、回復および適切な管理の実施後であれば、T-DXd再投与が有用な可能性が示唆された。米国・UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのHope S.Rugo氏が乳がん、肺がん、胃がんなど9つの臨床試験の後ろ向きプール解析結果を欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2024、5月15~17日)で報告した。T-DXdによる再治療を受けた患者の約69%は減量しておらず、約67%はILDの再発がなかった。また約18%は1年超再治療を継続していた。

外用抗菌薬の鼻腔内塗布でウイルス感染を防御?

 抗菌薬のネオマイシンを鼻の中に塗布することで、呼吸器系に侵入したウイルスを撃退できる可能性があるようだ。新たな研究で、鼻腔内にネオマイシンを塗布された実験動物が、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの強毒株の両方に対して強力な免疫反応を示すことが確認された。さらに、このアプローチはヒトでも有効である可能性も示されたという。米イェール大学医学部免疫生物学部門教授の岩崎明子氏らによるこの研究結果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に4月22日掲載された。