泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:26

Guardant360が固形がんの包括的ゲノムプロファイリング用リキッドバイオプシーとして承認

 ガーダントヘルスジャパンは、3月10日、固形がん患者における包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)用リキッドバイオプシー検査 Guardant360 CDx がん遺伝子パネル(Guardant360 CDx)の医療機器プログラムとしての製造販売承認を取得したと発表。  Guardant360 CDxは、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)固形がんおよびニボルマブ(製品名:オプジーボ)のMSI-High結腸・直腸がんのコンパニオン診断としての承認も取得している。

ダロルタミド、転移を有する前立腺がんに適応追加申請/バイエル

 バイエル薬品は、2022年3月11日、経口アンドロゲン受容体阻害薬(ARi)ダロルタミド(製品名:ニュベクオ)について、遠隔転移を有する前立腺がんの適応追加を厚生労働省に申請した。  今回の申請は、転移を有する前立腺がん患者を対象とした第III相ARASENS試験のデータに基づくもの。ARASENS試験のデータでは、アンドロゲン遮断療法(ADT)+ドセタキセルにダロルタミドを加えた併用療法が、ADT+ドセタキセルの併用療法と比較して全生存期間(OS)を有意に延長することが示された。

腎不全患者の生存有益性、腎移植vs.透析/BMJ

 ほとんどの腎不全患者において腎移植は全死因死亡を減少させる優れた治療法であるが、一部のサブグループでは生存有益性がない可能性があることを、英国・バーミンガム大学のDaoud Chaudhry氏らがシステマティックレビューおよびメタ解析の結果、報告した。腎不全患者において、腎移植は透析よりも優れた生存率をもたらすが、進行慢性腎臓病患者や透析患者のほとんどは腎移植待機リストに載っていない。そのため、臨床診療の進化を踏まえた腎不全患者の生存有益性に関する検討の必要性が示唆されていた。今回の結果を踏まえて著者は、「ドナー臓器の不足が続いており、腎不全患者の意思決定に役立つより良い情報を提供するため、さらなるエビデンスが必要である」とまとめている。BMJ誌2022年3月1日号掲載の報告。

ニボルマブの尿路上皮がんアジュバント、CHMPで推奨/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年2月25日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、根治切除後の再発リスクが高いPD-L11%以上の筋層浸潤性尿路上皮がんの成人患者の術後補助療法として、ニボルマブの承認を推奨したことを発表した。  この肯定的な見解は、全無作為化患者およびPD-L1発現1%以上の患者の両方において、オプジーボがプラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無病生存期間(DFS)の延長を示した第III相CheckMate-274試験の結果に基づいたもの。

ダロルタミド、転移前立腺がんのOS延長/NEJM

 転移を有するホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)の治療において、標準治療であるアンドロゲン除去療法(ADT)+ドセタキセルに、経口アンドロゲン受容体阻害薬であるダロルタミドを併用すると、プラセボの併用と比較して、全生存期間が有意に延長し、有害事象の発現は増加しないことが、米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのMatthew R. Smith氏らが実施した「ARASENS試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年2月17日号で報告された。

ニボルマブ+カボザンチニブ、腎細胞がん1次治療の2年間追跡で持続的な生存ベネフィットを示す(CheckMate-9ER)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブとExelixis社は、2022年2月14日、第III相CheckMate -9ER試験の2年間の追跡調査の解析結果を発表した。同解析では、進行腎細胞がん(RCC)のファーストライン治療において、ニボルマブとカボザンチニブの併用療法が、スニチニブと比較して、持続的な生存および奏効ベネフィット、並びに健康関連の生活の質(HRQOL)の改善を示した。  これらの最新のデータは、米国臨床腫瘍学会(ASCO)2022年泌尿器がんシンポジウムのポスタープレゼンテーションで発表される。

世界初、ニボルマブが原発不明がんの適応追加

 2022年1月19日、小野薬品工業とブリストル マイヤーズ スクイブは原発不明がんの治療薬として、適応追加承認を取得した免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名:オプジーボ)に関するプレスセミナーを開催した。  今回のセミナーでは、原発不明がんへの適応拡大の意義や臨床試験結果などについて、中川 和彦氏(近畿大学 内科学 腫瘍内科部門)が説明した。  原発不明がんは十分な検索にもかかわらず、原発巣が不明で、組織学的に転移巣と判明している悪性腫瘍のことを指す。全がん種のうち1~5%が原発不明がんとされている。しかし、原発不明がんに承認されている薬剤はこれまで存在せず、治療を行うためには何らかの病名を付ける必要があることから、正確な患者数は不明だ。

転移のない前立腺がん、アビラテロン+エンザルタミドで無転移生存期間延長/Lancet

 転移のない高リスク前立腺がん男性の治療において、アンドロゲン除去療法(ADT)による3年間の標準治療にアビラテロン酢酸エステル(アビラテロン)+プレドニゾロンまたはアビラテロン+プレドニゾロン+エンザルタミドを併用すると、標準治療単独と比較して、全生存期間の代替指標とされる無転移生存期間が延長し、前立腺がん特異的生存期間や生化学的無再発生存期間も改善されることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのGerhardt Attard氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年12月23日号で報告された。

抗ムスカリンOAB治療薬と認知症発症リスク

 過活動膀胱(OAB)治療薬の使用による認知症発症リスクへの影響については、明らかになっていない。カナダ・トロント大学のRano Matta氏らは、抗ムスカリンOAB治療薬の使用と認知症発症リスクとの関連について、β-3アゴニストであるミラベグロンと比較し、検討を行った。European Urology Focus誌オンライン版2021年11月3日号の報告。  カナダ・オンタリオ州でOAB治療薬を使用した患者を対象に、人口ベースのケースコントロール研究を実施した。対象は、過去6~12ヵ月間で抗ムスカリンOAB治療薬またはミラベグロンを使用し、2010~17年に認知症およびアルツハイマー病と診断された66歳以上の患者1万1,392例と年齢および性別がマッチした非認知症患者2万9,881例。人口統計学および健康関連の特性に応じて調整し、認知症のオッズ比(OR)を算出した。

良かれと思うことも確かめてみる価値あり(解説:折笠秀樹氏)

表題の「Bah humbug!」は何だろうかと思った。チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』の中で、主人公が放った有名な言葉らしい。「当てにならない、ばかばかしい」といった意味のようだ。何が当てにならないかというと、「クリスマスカードを臨床試験の被験者へ送ると脱落が減る」だ。クリスマスカードが届くと意識が高まると思いがちだが、実はそんなことはなかったのだ。当然といえば当然。うちにも保険会社から季節のあいさつ状が届くが、開封するも、中身はほとんど読まないままにごみ箱行き。ダイレクトメールもしかり。1%でも反応してくれたら御の字なのだろう。ということは、クリスマスカードを送付しても、せいぜい1%しか来院率が上がる効果はないのかもしれない。