泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:55

前立腺がんの診断にMRI標的生検が有用/NEJM

 臨床的に前立腺がんのリスクを有する生検未施行の男性の診断では、生検の前にMRIでリスク評価を行い、がん病変が陽性の場合に標的を絞って生検を行う方法(MRI標的[狙撃]生検)が、従来の標準的な経直腸的超音波(TRUS)ガイド下生検よりも有益であることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのVeeru Kasivisvanathan氏らが行ったPRECISION試験で示された。研究の成果は、NEJMオンライン版2018年3月19日号に掲載された。標準的な10~12コアのTRUSガイド下生検は、高Grade(臨床的に意義のある)前立腺がんを過少に検出し、低Grade(臨床的に意義のない)がんを過剰に検出する可能性が指摘されている。一方、マルチパラメトリックMRIは、結果が陰性の場合は生検を回避するトリアージ検査として用いられ、陽性の場合は前立腺の異常領域を標的に生検が行える。MRI標的生検は標準的生検に比べ、臨床的に意義のあるがんの検出率が同等またはそれ以上とする報告のほか、臨床的に意義のないがんの検出率は低いとの報告がある。

進行性腎細胞がんの1次治療、ニボルマブとイピリムマブ併用が有効/NEJM

 未治療の中等度~高リスク進行性淡明細胞型腎細胞がん患者の治療では、ニボルマブ+イピリムマブ併用により、従来の標準治療であるスニチニブに比べ全生存期間が延長し、客観的奏効率が改善されることが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのRobert J. Motzer氏らが行った「CheckMate 214試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年3月21日号に掲載された。進行性腎細胞がんの約75%が中等度~高リスク病変であり、低リスク病変に比べアウトカムが不良である。本併用レジメンの第I相試験では、未治療および既治療の進行性腎細胞がん患者において、良好な抗腫瘍活性を発揮することが報告されている。

抗PD-1/PD-L1抗体薬によるirAE発現のメタ解析/BMJ

 がん治療では、PD-1またはそのリガンドであるPD-L1を標的とする薬剤の使用頻度が増加しつつある。適切な臨床管理には免疫関連有害事象(irAE:臓器特異的免疫関連有害事象、免疫活性化関連の全身性有害事象、筋骨格系の問題と一致する有害事象)の理解が求められるが、これらの発症率は不明であり、予想外の有害事象に関して一貫性のない報告が行われている可能性があるという。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのShrujal Baxi氏らは、抗PD-1/PD-L1抗体薬によるirAEの発現状況を調査し、BMJ誌2018年3月14日号で報告した。

経口フルオロキノロンが大動脈瘤リスク増と関連/BMJ

 スウェーデン・カロリンスカ研究所のBjorn Pasternak氏らは、スウェーデン国内の登録データを用いたコホート研究を行い、経口フルオロキノロン系抗菌薬の使用が大動脈瘤のリスク増加と関連していることを報告した。フルオロキノロンには、血管壁の細胞外マトリックスの完全性を損なう可能性のある非抗菌的特性があり、最近の研究でフルオロキノロン系抗菌薬が大動脈瘤のリスクを増加させる懸念が高まっていた。BMJ誌2018年3月8日号掲載の報告。

プライマリケアからのPSA検査の紹介は有益か/JAMA

 プライマリケア施設における前立腺特異抗原(PSA)検査の紹介は、前立腺がんの検出率を改善するが、前立腺がん特異的な10年死亡には影響を及ぼさないことが、英国・ブリストル大学のRichard M Martin氏らが行ったCAP試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年3月6日号に掲載された。PSAスクリーニングは、過剰検出と過剰治療による弊害が、死亡リスクの低減またはQOLのベネフィットを上回る可能性があるため、議論が続いている。

エーザイ株式会社とMerck、レンビマでがん領域戦略的提携

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)とMerck & Co., Inc.Kenilworth, N.J., U.S.A.(Chairman and CEO:Kenneth C. Frazier)は2018年3月8日、エーザイ創製の経口チロシンキナーゼ阻害薬レンバチニブ(商品名:レンビマ)を全世界で共同開発・共同販促する戦略的提携について合意したと発表。本契約に基づき、両社は、レンバチニブの単剤療法、ならびにMerck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)との併用療法における、共同開発と共同販促を行う。

グリソンスコア9/10の前立腺がん、最も有効な療法は?/JAMA

 グリソンスコア9~10の前立腺がん患者に対し、外照射療法+小線源治療による強化療法(EBRT+BT)+アンドロゲン除去療法(ADT)は、根治的前立腺全摘除(RP)やEBRT+ADTを行った場合に比べ、前立腺がん死亡リスクを有意に抑制することが示された。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のAmar U. Kishan氏らが、1,809例を対象とした後ろ向きコホート試験を行い明らかにした。グリソンスコア9~10前立腺がんの至適治療は明らかになっておらず、研究グループは、同患者の最終的な治療後の臨床的アウトカムを検討した。JAMA誌2018年3月6日号掲載の報告。

複雑性尿路感染症に対するメロペネム/vaborbactamの効果(解説:吉田 敦 氏)-826

多剤耐性グラム陰性桿菌、とくにカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)の増加と蔓延は、抗菌薬療法の限界を示唆する耐性菌、いわゆる「悪魔の耐性菌」として今や人類の脅威となっている。現在使用できる抗菌薬が限られている中で、セリン型のクラスAおよびクラスC βラクタマーゼを阻害するボロン酸であるvaborbactamとカルバペネム(メロペネム)を配合したメロペネム/vaborbactam(以下MEPM/VBT)が登場し、体内動態に関する第I相試験が行われていたが、今回第III相試験の結果が発表された。