泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:58

ペムブロリズマブ、進行性尿路上皮がんの2次治療でOS延長/NEJM

 進行性尿路上皮がんの2次治療において、免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)は化学療法に比べ全生存(OS)期間を延長し、治療関連有害事象も少ないことが、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のJoaquim Bellmunt氏らが実施したKEYNOTE-045試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2017年2月17日号に掲載された。本症の標準的1次治療はプラチナ製剤ベースの化学療法であるが、国際的に承認された標準的な2次治療はなく、2次治療のOS期間中央値は6~7ヵ月にすぎない。ペムブロリズマブはPD-1のヒト型モノクローナルIgG4κアイソタイプ抗体であり、第Ib相試験(KEYNOTE-012試験)および第II相試験(KEYNOTE-052試験)で本症への腫瘍縮小効果が確認されている。

乾癬とアトピー性皮膚炎、EDリスクとの関連は?

 乾癬は心血管疾患のリスクを高めるが、アトピー性皮膚炎については明確になっていない。一方、冠動脈疾患のリスクマーカーとして、勃起障害(ED)を使用できることは確立されている。そこで、デンマーク・コペンハーゲン大学のAlexander Egeberg氏らは、乾癬、あるいはアトピー性皮膚炎を有する男性におけるEDの罹患率、有病率とリスクを調べた。その結果、乾癬を有する男性においてEDの有病率およびリスクの増加が認められた一方、アトピー性皮膚炎の男性では、EDリスクは一般集団と同等(あるいはわずかに低い程度)であった。Journal of Sexual Medicine誌オンライン版2017年1月18日号掲載の報告。

精神的苦痛は発がんリスクを増大/BMJ

 精神的苦痛(うつ、不安の症状)が重くなるほど、大腸がんや前立腺がんのリスクが高まり、精神的苦痛は発がんの予測因子となる可能性があることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのG David Batty氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2017年1月25日号に掲載された。精神的苦痛とがんとの関連については、(1)精神的苦痛に繰り返し曝されるとナチュラルキラー細胞の機能が喪失して腫瘍細胞の増殖を招く、(2)うつ症状は視床下部-下垂体-副腎系の異常をもたらし、とくにホルモン関連がんの防御過程に不良な影響を及ぼす、(3)苦痛の症状は、喫煙、運動不足、食事の乱れ、肥満などの生活様式関連のリスク因子への好ましくない影響を介して、間接的に発がんの可能性を高めるなどの機序が提唱されている。

再発前立腺がん、放射線+抗アンドロゲン療法で全生存率上昇/NEJM

 救済放射線療法にビカルタミド150mg/日経口投与を24ヵ月間併用することにより、放射線療法+プラセボと比較し、12年全生存率が有意に上昇するとともに、転移性前立腺がん発生率や前立腺がん死亡率が有意に低下した。米国・マサチューセッツ総合病院のWilliam U Shipley氏らが、前立腺摘除術後再発に対する抗アンドロゲン療法長期併用の有効性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(RTOG 9601試験)の結果を報告した。根治的前立腺摘除術後の前立腺特異抗原(PSA)再発には救済放射線療法が行われるが、約半数は後に疾患進行を認める。ビカルタミド150mg/日経口投与は前立腺がんに有効であることが知られているが、放射線療法との併用が、がんのコントロールをさらに改善し、長期的に全生存期間を延長するかどうかは明らかにされていなかった。NEJM誌2017年2月2日号掲載の報告。

前立腺生検前のトリアージとしてMP-MRIが有用/Lancet

 前立腺がんの診断において、マルチパラメトリック(MP)MRIは、約4分の1の患者で不要な生検を回避するとともに、臨床的に重要でないがんの過剰診断を抑制し、重要ながんの検出率を改善することが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのHashim U Ahmed氏らが行ったPROMIS試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年1月19日号に掲載された。血清前立腺特異抗原(PSA)が高値の男性には、通常、経直腸的超音波ガイド下前立腺生検(TRUS生検)が施行されるが、出血や疼痛、感染症などの副作用の可能性がある。MP-MRIは、前立腺組織の解剖学的情報だけでなく、その体積、細胞形態、脈管組織などの特性情報をもたらすため、高リスク病変の検出や、低リスク病変の系統的な除外に役立つとのエビデンスがあり、トリアージ検査として期待を集めている。

アテゾリズマブ 尿路上皮がんの1次治療に申請:シスプラチン不適患者に

 スイスRoche社は2017年1月9日、FDA(米国食品医薬品局)がアテゾリズマブの生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)と優先審査を受理したことを発表した。対象はシスプラチンによる化学療法の適用がない局所進行または転移性尿路上皮がんで、前治療歴なし(1次治療)、あるいは術前・術後補助化学療法12ヵ月以降で病勢進行した患者。  このアテゾリズマブに関するsBLAの提出はIMvigor210試験を基にしており、FDAは2017年4月30日までに結論を出す予定。

骨転移へのゾレドロン酸の投与間隔、4週 vs.12週/JAMA

 乳がん、前立腺がんの骨転移および多発性骨髄腫の骨病変の治療において、ゾレドロン酸の12週ごとの投与は、従来の4週ごと投与に比べて骨格イベントの2年リスクを増大させないことが、米国・Helen F Grahamがんセンター・研究所のAndrew L Himelstein氏らが行ったCALGB 70604(Alliance)試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年1月3日号に掲載された。第3世代ビスホスホネート製剤であるゾレドロン酸は、多発性骨髄腫や固形がん骨転移の疼痛や骨格関連事象を抑制し、忍容性も全般に良好であるが、顎骨壊死、腎毒性、低カルシウム血症などのリスク上昇が知られている。標準的な投与間隔は4週とされるが、これは経験的に定められたもので、さまざまな投与法の検討が進められているものの、至適な投与間隔は確立されていないという。