泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:58

高感度心筋トロポニンT、非心臓手術後の死亡と関連/JAMA

 非心臓手術施行例では、術後3日間の高感度心筋トロポニンT(hsTnT)のピーク値が30日死亡リスクと関連することが、カナダ・マックマスター大学のP.J.Devereaux氏らが行ったVISION試験で示された。心筋虚血の臨床所見がみられない場合でも、hsTnT値上昇は30日死亡と関連したという。研究の成果は、JAMA誌2017年4月25日号に掲載された。非心臓手術後心筋障害(myocardial injury after noncardiac surgery:MINS)は、術後30日以内に発症した心筋虚血に起因する心筋障害と定義され、死亡との独立の関連が確認されている。非高感度心筋トロポニンTアッセイに基づくMINSの診断基準が確立されているが、米国食品医薬品局(FDA)は最近、hsTnTの使用を承認し、世界的に多くの病院でhsTnTアッセイが用いられている。

durvalumab、既治療の進行膀胱がんに迅速承認:FDA

 AstraZenecaとその生物製剤研究開発拠点MedImmuneは2017年5月1日、米国食品医薬品局(FDA)が、durvalumabに進行膀胱がんに対する迅速承認を与えたと発表した。適応は、プラチナ含有化学療法中・後、またはネオアジュバント・アジュバントのプラチナ含有化学療法から12ヵ月以内に進行した局所進行または転移性尿路上皮がん患者で、PD-L1発現の有無は問わない。確認試験における臨床的有益性の検証結果により承認の継続が決められる。

飲酒と前立腺がんリスクの関連、ビールとワインで逆

 大量飲酒で悪性前立腺がん(APC)リスクがわずかに増加することが最近の研究で示されているが、飲料の種類ごとの関連は一致していない。今回、オーストラリア・Cancer Council VictoriaのN P Papa氏らが調査したところ、ビールでは摂取量がAPCリスクと相関し、スピリッツでは摂取量に相関する可能性が示され、ワインでは用量反応関係はみられなかった。また、ビールを週5日以上飲む人は飲まない人に比べてAPCリスクが高かったが、ワインを飲む人はすべての摂取頻度で、飲まない人に比べてAPCリスクが低かった。Prostate cancer and prostatic diseases誌オンライン版2017年4月18日号に掲載。

アテゾリズマブ、白金化学療法不適格の尿路上皮がん1次治療に承認:FDA

 ロシュ社は2017年4月18日、米国食品医薬品局(FDA)がプラチナベース化学療法不適格の局所進行または転移性尿路上皮がん患者に対するアテゾリズマブの投与について、迅速承認したことを発表した。アテゾリズマブは、プラチナベース化学療法歴のある局所進行または転移性尿路上皮がん患者への投与について、既に承認を取得していたが、今回はプラチナベース化学療法不適格に対する1次治療での承認。

抗うつ薬使用患者で注意すべきOAB、薬剤間で違いも

 これまで、抗うつ薬を使用した女性患者における過活動膀胱(OAB)について調査されていた。OABに対する抗うつ薬の影響および男女の泌尿器系生理学(解剖学、ホルモン)の相違に関して、文献の矛盾するデータに基づき、トルコ・トラキア大学のVolkan Solmaz氏らは、抗うつ薬を使用した男性患者におけるOABを調査した。International neurourology journal誌2017年3月24日号の報告。

PSA監視療法は手術、放射線治療よりも短期的にはQOLで優位(解説:榎本 裕 氏)-666

限局性前立腺がんの治療は大きく変化している。手術では、より侵襲の少ないロボット支援前立腺全摘除術(RARP)が普及している。放射線治療では、強度変調放射線照射(IMRT)によってより安全に高線量照射が可能になり、有害事象を増やすことなく治療成績が向上した。一方で、PSA監視療法(AS)は低リスク症例を中心に限局性前立腺がんの管理方法としての地位を確かなものにしている。

前立腺がんの3つの治療戦略、QOLに差はあるか/JAMA

 局所前立腺がんの3つの治療戦略(根治的前立腺全摘除術、外部照射療法、小線源療法)は、有害事象の発現パターンがさまざまであり、積極的監視療法と比較して2年後のQOLにほとんど差はないことが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のRonald C Chen氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年3月21日号に掲載された。前立腺がん患者の余命は延長しており、個々の治療選択肢のQOLへの影響は、患者の意思決定プロセスにおける中心的な関心事項となっている。

抗精神病薬の性機能障害、プロラクチンへの影響を比較

 抗精神病薬に共通してみられる性機能障害は、ドパミンアンタゴニスト作用やプロラクチン上昇によって引き起こされる可能性がある。米国・カリフォルニア大学アーバイン校のSteven G Potkin氏らは、18~60歳の統合失調症患者を対象とし、ドパミンD2受容体パーシャルアゴニストであるアリピプラゾールの月1回400mg製剤(AOM400)が、ドパミンD2受容体アンタゴニストであるパリペリドンパルミチン酸エステル(PP)と比較し、Heinrichs-Carpenter QOLスコア(QLS)において非劣性と優位性を示したとするランダム化研究、QUALIFYの結果を解析した。International clinical psychopharmacology誌2017年5月号の報告。