泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:54

術前の呼吸理学療法教育で肺合併症が半減/BMJ

 待機的上腹部手術患者では、術直後の呼吸訓練に関する理学療法の講習を術前に受けることで、院内肺炎を含む術後の呼吸器合併症がほぼ半減することが、オーストラリア・メルボルン大学のIanthe Boden氏らの検討(LIPPSMAck-POP試験)で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年1月24日号に掲載された。呼吸器合併症は、上腹部手術後の最も重篤かつ不良な転帰であり、死亡率や医療費も増加させる。これらの合併症は、術前の理学療法教育や呼吸訓練の指示のみで予防可能なことを示唆する試験がいくつかあるが、このエビデンスには、方法論上の欠点や一般化可能性が乏しいといった限界があるとされていた。

前立腺がん、患者の受診に同行する家族は半数未満

 バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:ハイケ・プリンツ)は2018年1月31日、前立腺がんの治療経験のある患者および前立腺患者の家族について、治療への取り組みやコミュニケーションについて意識調査を行った。同調査は、2017年12月21日~12月26日に、前立腺がんの治療経験のある患者103名、前立腺がん患者の家族103名を対象に、インターネットによるアンケート形式で実施した。

ウイルス抑制HIVの維持療法、ドルテグラビル+リルピビリンが有望/Lancet

 ウイルスが抑制されているHIV-1感染患者の維持療法において、ドルテグラビル+リルピビリン療法は、現在の抗レトロウイルス療法(ART)レジメン(current ART regimen:CAR)に対し非劣性であることが、スペイン・Germans Trias大学病院のJosep M. Llibre氏らが行ったSWORD-1とSWORD-2試験のプール解析で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年1月5日号に掲載された。HIV-1感染の1次および2次治療では、3剤によるARTが標準とされるが、投与は生涯にわたることから、累積的な薬剤の曝露や毒性を最小化するために、2剤併用レジメンへの関心が高まっている。ドルテグラビル(インテグラーゼ鎖転移阻害薬)とリルピビリン(非核酸系逆転写酵素阻害薬)の安全性、忍容性、有効性は、この2剤に併用レジメンとしての適合性があり、実質的に有効である可能性を示唆していた。

ニボルマブ・イピリムマブ併用、腎細胞がんに国内申請

 小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は2018年1月15日、抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)および抗CTLA-4抗体イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)について、根治切除不能又は転移性の腎細胞がんに対する両剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。

腎細胞がん、レンバチニブ・ペムブロリズマブ併用にブレークスルーセラピー指定

 エーザイ株式会社とMerck&Co.,Inc.,は2017年1月9日、エーザイ創製のマルチキナーゼ阻害剤レンバチニブ(商品名:レンビマ)とMSDの抗PD-1 抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)との併用療法による進行性または転移性腎細胞がんの適応に対して、米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピー指定を受けたと発表。

アテゾリズマブ、既治療の尿路上皮がんでOS延長せず/Lancet

 PD-L1高発現のプラチナ製剤抵抗性の局所進行/転移性尿路上皮がん患者において、化学療法と比較し、PD-L1阻害薬アテゾリズマブによる全生存期間(OS)の有意な延長は認められなかった。英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のThomas Powles氏らが、多施設共同無作為化非盲検第III相試験「IMvigor211試験」の結果を報告した。プラチナ製剤併用化学療法後に増悪した、局所進行/転移性尿路上皮がんに対する治療の選択肢はほとんどないが、近年、免疫チェックポイント阻害薬の登場により転移性尿路上皮がんの治療は変化してきていた。Lancet誌オンライン版2017年12月18日号掲載の報告。

中外製薬、膀胱がんの光線力学診断用剤アラグリオ販売

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:永山 治)は2017年12月18日、自社のニュースリリースで、SBIファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役執行役員社長:北尾 吉孝)が開発を行い「経尿道的膀胱腫瘍切除術時における筋層非浸潤性膀胱癌の可視化」を効能・効果として2017年9月27日に製造販売承認取得、11月22日に薬価基準収載された光線力学診断用剤「アラグリオ顆粒剤分包1.5g」(以下、アラグリオ)について、12月19日より販売を開始すると発表した。

DOACエドキサバン、がんの血栓症で低分子ヘパリンに非劣性

 第一三共株式会社(本社:東京都中央区)は2017年12月13日同社のニュースリリースで、抗凝固薬エドキサバン(商品名:リクシアナ)による、がん合併静脈血栓塞栓症(VTE)患者を対象としたHokusai-VTE CANCER試験の結果において、エドキサバンが標準治療薬である低分子量ヘパリンのダルテパリン(国内未承認)に対して有効性および安全性に係わる主要評価項目において非劣性を達成したと発表。  本試験の結果は、米国ジョージア州アトランタで開催した第59回米国血液学会(ASH)年次総会のlate breaking sessionで発表されると共に、New England Journal of Medicineにオンライン掲載された。

高齢で診断された前立腺がん、予後に影響するのは?

 前立腺がん診断時の年齢が高いことが予後不良に関連することを示す研究がいくつか報告されている。そこで、スウェーデン・カロリンスカ研究所のAndreas Pettersson氏らは、集団ベースのコホート研究で、診断時年齢と予後との関連を調べ、その関連が腫瘍特性、初期治療、診断年、検知方法、合併症と独立しているかどうかを検討した結果を報告した。著者らは結果から「本結果は、現在の臨床現場において、前立腺がんの高齢患者は診断のための検査や治癒目的の治療を十分に受けていないことを示している」としている。Annals of oncology誌オンライン版2017年11月17日号に掲載。