救急科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:20

garadacimab、遺伝性血管性浮腫の発作数を低減/Lancet

 遺伝性血管性浮腫の予防において、活性化第XII因子(FXIIa)の完全ヒト型モノクローナル抗体garadacimabはプラセボと比較して、1ヵ月当たりの発作数を著明に減少させるとともに、出血や血栓塞栓イベントのリスクは増加しないことが、米国・ペンシルベニア州立大学のTimothy J. Craig氏らが実施した「VANGUARD試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年2月28日号で報告された。  VANGUARD試験は、日本を含む7ヵ国28施設で実施された二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2021年1月~2022年6月の期間に患者のスクリーニングが行われた(CSL Behringの助成を受けた)。

レムデシビル、コロナ入院患者の死亡リスクを低減/ギリアド

 ギリアド・サイエンシズ(日本)は3月6日付のプレスリリースにて、入院後2日以内の抗ウイルス薬レムデシビル(商品名:ベクルリー)投与により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院患者において、重症度にかかわらず死亡率および再入院率が低下したことを示すデータが、50万人超のリアルワールド試験から得られたことを発表した。死亡率の低下は、免疫不全者の集団においても認められた。米国本社が2月21日に英語で発表したものの邦訳版。本結果は2月19~22日に米国・シアトルで開催された第30回レトロウイルス・日和見感染症会議(Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections)にて発表された。

コロナへのイベルメクチン、最大用量でも効果認められず/JAMA

 軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)外来患者へのイベルメクチン治療について、最大目標用量600μg/kgの6日間投与はプラセボ投与と比較して、持続的回復までの期間を改善しなかった。米国・デューク大学のSusanna Naggie氏らが、約1,200例を対象に行った無作為化二重盲検プラセボ対照プラットフォーム試験「ACTIV-6試験」の結果を報告した。著者は、「結果は、軽症~中等症のCOVID-19患者へのイベルメクチン使用を支持しないものであった」とまとめている。JAMA誌オンライン版2023年2月20日号掲載の報告。

広範囲脳梗塞、血栓回収療法の併用で身体機能が改善/NEJM

 広範囲脳梗塞患者の治療において、血管内血栓回収療法と標準的な内科的治療の併用は内科的治療単独と比較して、身体機能が有意に改善する一方で、手技に関連した血管合併症の増加を伴うことが、米国・ケース・ウエスタン・リザーブ大学のAmrou Sarraj氏らが実施した「SELECT2試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2023年2月10日号に掲載された。  SELECT2試験は、米国、カナダ、欧州、オーストラリア、ニュージーランドの31施設が参加した非盲検無作為化第III相試験であり、2019年9月~2022年9月の期間に患者のスクリーニングが行われた(Stryker Neurovascularの助成を受けた)。  対象は、年齢18~85歳、内頸動脈または中大脳動脈M1セグメント、あるいはこれら双方の閉塞による急性期脳梗塞で、発症から24時間以内であり、虚血コア体積が大きい(Alberta Stroke Program Early CTスコア[ASPECTS、0~10点、点数が低いほど梗塞が広範囲]が3~5点)、あるいはCT灌流画像またはMRI拡散強調画像でコア体積が50mL以上、脳梗塞発症前の修正Rankin尺度スコア(0~6点、点数が高いほど機能障害が重度、6点は死亡)が0または1点(機能障害なし)の患者であった。

線溶薬を変えても結果は変わらないかな?(解説:後藤信哉氏)

ストレプトキナーゼによる心筋梗塞症例の生命予後改善効果が示された後、フィブリン選択性のないストレプトキナーゼよりもフィブリン選択性のあるt-PAにすれば出血リスクが減ると想定された。分子生物学に基づく遺伝子改変が容易な時代になったので各種の線溶薬が開発された。しかし、循環器領域ではフィブリン選択性の改善により出血イベントリスク低減効果を臨床的に示すことはできなかった。本研究ではt-PAよりもさらに修飾されたtenecteplaseとの有効性、安全性の差異が検証された。tenecteplaseは野生型のt-PAよりも血液中の寿命が長いとされた。しかし、臨床試験にて差異を見出すことができなかった。

広範囲脳梗塞にも24h以内の血管内治療が有効/NEJM

 中国で行われた試験で、主幹動脈閉塞を伴う梗塞が大きい患者において、発症後24時間以内の血管内治療と薬物治療の併用は薬物治療のみと比較して、頭蓋内出血の発生は多かったものの3ヵ月後の機能予後は良好であった。中国・Beijing Tiantan HospitalのXiaochuan Huo氏らが、無作為化非盲検試験「ANGEL-ASPECT試験」の結果を報告した。日本で行われたRESCUE-Japan LIMITでは、ASPECTS(Alberta Stroke Program Early Computed Tomographic Score)が3~5の患者において血管内治療の有効性が示されていた。ANGEL-ASPECT試験も、従来の試験とは異なり大きな梗塞を有する急性期虚血性脳卒中患者における血管内治療の有効性の検証が目的であった。NEJM誌オンライン版2023年2月10日号掲載の報告。

急性脳梗塞の血栓溶解、tenecteplase vs.アルテプラーゼ/Lancet

 標準的な経静脈的血栓溶解療法の適応であるが血管内血栓除去術の対象外あるいは拒否した急性虚血性脳卒中患者において、tenecteplaseはアルテプラーゼに対して非劣性であることが、中国・首都医科大学のYongjun Wang氏らによる第III相無作為化非盲検非劣性試験「Tenecteplase Reperfusion therapy in Acute ischaemic Cerebrovascular Events-2 trial:TRACE-2試験」の結果、示された。アルテプラーゼに代わる急性虚血性脳卒中に対する望ましい血栓溶解療法として、tenecteplaseへの関心が高まっていた。Lancet誌オンライン版2023年2月9日号掲載の報告。  研究グループは、2021年6月12日~2022年5月29日の期間に中国53施設において、標準的な経静脈的血栓溶解療法の適応ではあるが血管内血栓除去術は適さない急性虚血性脳卒中(発症後4.5時間以内、mRSスコア1以下、NIHSSスコア5~25)の成人(18歳以上)患者1,430例を登録し、tenecteplase(0.25mg/kg、最大25mg)静脈投与群(716例)またはアルテプラーゼ(0.9mg/kg、最大90mg)静脈投与群(714例)に1対1の割合で無作為に割り付けた。患者および治療担当医師は割り付けについて盲検化されなかったが、アウトカム評価医師は盲検化された。  有効性の主要アウトカムは、修正intention-to-treat(ITT)集団(無作為化され割り付けられた治験薬の投与を受けた全患者)における90日後のmRSスコアが0~1の患者の割合で、リスク比(RR)の非劣性マージンを0.937とした。安全性の主要アウトカムは、36時間以内の症候性頭蓋内出血で、治験薬の投与を受け安全性評価が可能であった全患者を解析対象集団とした。

脳卒中治療は心筋梗塞治療の後追いをしているね(解説:後藤信哉氏)

心筋梗塞症例の院内死亡がアスピリン、ストレプトキナーゼにて減少できることは、ISIS-2試験により示された。原因が血栓なので、フィブリン選択的線溶薬を使い、各種抗凝固薬、抗血小板薬を併用したが、有効性イベントの減少を明確に示すことはできなかった。アルガトロバンは日本が開発した世界に誇る選択的トロンビン阻害薬である。経静脈投与できるので急性期の症例に使いやすい。線溶薬に抗トロンビン薬を追加すれば、急性脳梗塞を起こした血栓は再発しにくいと想定されるが、臨床試験ではアルガトロバン追加の効果を明確に示すことができなかった。

ペグIFN-λ、高リスクCOVID-19の重症化を半減/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種者を含むCOVID-19外来患者において、ペグインターフェロンラムダ(IFN-λ)単回皮下投与は、COVID-19進行による入院または救急外来受診の発生率をプラセボ投与よりも有意に減少させた。ブラジル・ミナスジェライスカトリック大学のGilmar Reis氏らTOGETHER試験グループが報告した。NEJM誌2023年2月9日号掲載の報告。  TOGETHER試験は、ブラジルとカナダで実施された第III相無作為化二重盲検プラセボ対照アダプティブプラットフォーム試験である。研究グループは、ブラジルの12施設およびカナダの5施設において、SARS-CoV-2迅速抗原検査が陽性でCOVID-19の症状発現後7日以内の18歳以上の外来患者のうち、50歳以上、糖尿病、降圧療法を要する高血圧、心血管疾患、肺疾患、喫煙、BMI>30などのリスク因子のうち少なくとも1つを有する患者を、ペグIFN-λ(180μg/kgを単回皮下投与)群、プラセボ群(単回皮下投与または経口投与)または他の介入群に無作為に割り付けた。

オミクロン株XBB.1.5に対する治療薬と2価ワクチンの効果は?/東大

 東京大学医科学研究所の河岡 義裕氏らの研究グループは、新型コロナウイルスのオミクロン株XBB.1.5系統に対して、既存の抗体薬、抗ウイルス薬、並びにmRNAワクチンの有効性をin vitroで検証した。その結果、患者から分離したXBB.1.5に対して、4種類の抗体薬はいずれも効果が見られなかったが、4種類の抗ウイルス薬は高い増殖抑制効果を示したことが明らかとなった。また、2価ワクチン接種者の血漿が、XBB.1.5に対する中和活性を有していることが確認された。本結果は、Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2023年2月8日号のCORRESPONDENCEに掲載された。