長時間透析の有用性は確認できず:ACTIVE Dialysis延長観察/国際腎臓学会
血液透析例の予後改善の方策として、透析時間延長の有用性が唱えられている。しかし近年報告されたランダム化試験では、延長による生命予後改善の報告がある一方1)、増悪の報告もある2)。
前者は施設での短時間透析の回数を増やす有用性を検討しており、後者は自宅での夜間透析の回数を増やしていた。いずれも回数増加を介した透析時間の延長を試みていた。では透析を回数ではなく、時間そのものを目安に延長した場合、血液透析例の予後はどうなるだろうか―。この問いに答えるべく、Brendan Smyth氏(オーストラリア・シドニー大学)は、ACTIVE Dialysis試験の延長観察データを解析した。しかし観察研究という限界もあり、長時間透析の有用性は確認できなかった。4月12~15日にオーストラリアで開催された国際腎臓学会(ISN)-World Congress of Nephrology(WCN)2019のLate Breaking Sessionにて報告された。