肥満遺伝リスクを考慮した肥満治療が斬新な治療効果を生み出す可能性に期待!(解説:島田俊夫氏)-815
肥満は単なる見栄えが悪いといった外見上の問題ではなく、肥満そのものが病気であるとの認識を持つことが肥満治療上重要である。とくに内臓脂肪蓄積は、肥満に伴い多くの悪玉アディポサイトカインを分泌することで、炎症を惹起し万病を生み出している。肥満は健康の敵であることは言うまでもないが、肥満をいかに治療するかは深刻な問題である。一方で肥満は過食が大きな要因の1つではあるが、体質によって太りやすい人、太りにくい人がいることも周知の事実である。BMJ誌の2018年1月10日号に掲載された米国テューレン大学のTiange Wang氏らによる論文は、肥満と遺伝リスクとの関連性ならびに健康食順守による肥満治療効果を併せ検証した興味深い研究であり、私見をコメントする。