循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:269

試みない後悔よりも、試みる勇気を持て、高齢者へのPCI(解説:中川 義久 氏)-490

「後悔」とは、「ああすれば良かった、こうすれば良かった」と後から物事を悔いることで、皆ができれば避けたいと思っている感情の1つである。恋愛でも、仕事でも、対人関係でもそういう機会は多い。「あの時、勇気を出して告白すれば彼女の気持ちは変わったんじゃないか?」など、ギクシャクしたりした後で後悔の念は強まるものだ。“後悔先に立たず”というが、後悔しても取り戻せないとわかっていても執着心が勝ってしまうのが人間である。これはPCI施行医においても同様である。

脳卒中後の降圧目標、130mmHg vs.140mmHg/BMJ

 脳卒中または一過性脳虚血発作歴のある患者に対し降圧治療を行う際、目標収縮期血圧値を140mmHgに設定しても、130mmHgに設定した場合と比べて、12ヵ月後の両群間の降圧差は3mmHgとわずかで、臨床的重要性は同等であることが示された。英国・ケンブリッジ大学のJonathan Mant氏らが、529例を対象に行った非盲検無作為化試験「PAST-BP」の結果、明らかにした。プライマリケアにおいて、脳卒中/一過性脳虚血発作後患者の異なる目標血圧値に関する試験は、これが初めてという。BMJ誌オンライン版2016年2月24日号掲載の報告。

糖尿病患者への降圧治療、ベネフィットあるのは140mmHg以上の人/BMJ

 糖尿病患者に対する降圧治療は、ベースライン収縮期血圧値が140mmHg以上であれば、全死因死亡リスクや心血管疾患リスクの低減効果が認められるものの、140mmHg未満では、逆に心血管死リスクが増大することが示された。スウェーデン・ウメオ大学のMattias Brunstrom氏らが、システマティック・レビューとメタ解析の結果、明らかにした。糖尿病患者への降圧治療は、同患者で増大がみられる心血管疾患リスクを低減するが、至適血圧値については議論が分かれている。BMJ誌オンライン版2016年2月24日号掲載の報告。

DPP-4阻害薬は心不全入院リスクを高める可能性/BMJ

 2型糖尿病患者に対するDPP-4阻害薬使用をめぐる心不全リスクの増大について、中国・四川大学のLing Li氏らが、無作為化比較試験(RCT)および観察研究のシステマティックレビューとメタ解析を行った。その結果、心不全リスクを増加させるかどうかは、研究の追跡期間が相対的に短くエビデンスの質も低いため不確かであるが、心血管疾患またはそのリスクを有する患者においては非使用との比較で心不全による入院のリスクが増大する可能性があることを明らかにした。BMJ誌オンライン版2016年2月17日号掲載の報告より。

チカグレロル、心筋梗塞延長治療の適応をEUにて取得:アストラゼネカ

 アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):Pascal Soriot、以下、アストラゼネカ)は、欧州連合(EU)において、心筋梗塞発症後1年以上経過し、アテローム血栓性イベントの再発リスクが高い患者の治療薬として、経口抗血小板薬チカグレロルの新用量である60mgに販売承認が付与されたことを2016年2月19日に発表した。

糖尿病患者へのRAS阻害薬、他の降圧薬より優れるのか?/BMJ

 糖尿病患者へのレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬の使用について、他の降圧薬と比べて心血管リスクや末期腎不全リスクへの影響に関して優越性は認められないことを、米国・ニューヨーク大学医学部のSripal Bangalore氏らが、19の無作為化試験について行ったメタ解析で明らかにした。多くのガイドライン(2015米国糖尿病学会ガイドライン、2013米国高血圧学会/国際高血圧学会ガイドラインなど)で、糖尿病を有する患者に対しRAS阻害薬を第1選択薬として推奨しているが、その根拠となっているのは、20年前に行われたプラセボ対照試験。対照的に、2013 ESH/ESCガイドラインや2014米国合同委員会による高血圧ガイドライン(JNC8)は、近年に行われた他の降圧薬との試験結果を根拠とし、RAS阻害薬と他の降圧薬は同等としている。BMJ誌オンライン版2016年2月11日号掲載の報告。

日本初の抗PCSK9抗体が承認取得、対象患者は?

 日本初の抗PCSK9(ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)抗体として、高コレステロール血症治療薬「レパーサ皮下注」(一般名:エボロクマブ)が1月に製造承認を取得した。本剤の適応となる患者は、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)で効果不十分な、家族性高コレステロール血症(FH)または高コレステロール血症の患者である。では、心血管イベントのリスクが高い患者とはどのような患者なのだろうか。2月8日、都内で開催されたプレスカンファランス(主催:アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社)より、中村 正人氏(東邦大学医療センター大橋病院循環器内科 教授)の講演をご紹介する。