循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:272

医師・患者双方への成功報酬で、LDL値が有意に改善/JAMA

 プライマリケア診療でのLDLコレステロール(LDL-C)値コントロールに関して、目標値を達成した場合にプライマリケア医と患者の双方に対して金銭的成功報酬を与えると効果があることが示された。米国・ペンシルベニア大学のDavid A. Asch氏らが、医師340人と患者1,503人を対象に行った4群クラスター無作為化試験の結果で、医師のみ、または患者のみへの成功報酬では、成功報酬がない場合と比べて有意な差は示されなかったという。JAMA誌2015年11月10日号掲載の報告より。

LVEF低下の慢性心不全への新規sGC刺激薬の可能性/JAMA

 左室駆出率(LVEF)45%未満で慢性心不全の悪化が認められる患者に対し、新規開発中の可溶型グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬vericiguatの投与は、プラセボに比べ、NT-proBNP値を有意に低下しなかった。忍容性は認められ、またvericiguatの用量増加に伴うNT-proBNP値は有意に低下した。米国・ノースウェスタン大学のMihai Gheorghiade氏らが、456例を対象に行った第II相無作為化臨床試験の結果、明らかにした。JAMA誌オンライン版2015年11月8日号掲載の報告。

長い冠動脈病変へのDES、血管内超音波ガイド下で予後改善/JAMA

 病変長が長い冠動脈病変に対する薬剤溶出ステント(DES)留置術では、血管内超音波(IVUS)ガイド下留置が冠動脈造影ガイド下留置よりも、予後は良好であることが、韓国・仁済大学上渓白病院のSung-Jin Hong氏らが行ったIVUS-XPL試験で示された。DESによる経皮的冠動脈インターベンション(PCI)では、びまん性の病変長の長い冠動脈病変は短い病変に比べ、ステント内再狭窄やステント血栓症の発症率が高い。IVUSは、複雑な冠動脈病変へのPCI施行前後の有益な情報の収集に有用であるが、合併症の可能性があり、DESでの使用のデータは少ないという。JAMA誌2015年11月24日号掲載の報告。

高齢者に対する1次予防のICDは予後を改善するか。観察研究のバイアスとの戦い(解説:矢崎 義直 氏)-454

本試験は、心不全を呈する65歳以上の高齢者を対象とし、ICD植込みによる1次予防の予後改善効果を検討した観察研究である。これまでの多くのICDに関する大規模臨床試験の対象は55歳前後であるが、実臨床では高齢者がICDの適応となることがより多い。また、通常のICDの1次予防に関する試験は、病態が安定した外来通院中に植込みの適応を決めているが、本試験では心不全増悪や非心臓疾患による入院中の症例がターゲットとなっており、よりリアルワールドを反映した観察研究といえる。

米国の非急性PCIの不適切施行、5年で大幅減/JAMA

 米国における2009~14年の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の施行動向を調べた結果、非急性PCIの不適切施行は26.2%から13.3%に有意に減少していたことが、イェール大学医学部のNihar R. Desai氏らによる調査の結果、明らかにされた。一方で、非急性PCIの不適切施行率の病院間のばらつきは、2014年時点でも5.9%~22.9%にわたっており解消されていなかった。本検討は、2009年にリリースされたAppropriate Use Criteria for Coronary Revascularizationを踏まえて、PCI施行の動向を初めて調査した結果だという。JAMA誌2015年11月17日号掲載の報告。

PCIは虚血性心疾患患者の長期生存に寄与するか/NEJM

 安定虚血性心疾患患者の初期管理において、至適な薬物療法に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を併用しても、薬物療法単独に比べ長期的な生存率に差はないことが、米国・ニューヨーク退役軍人省健康管理ネットワークのSteven P Sedlis氏らが行ったCOURAGE試験の拡張調査で確認された。PCIは、ST上昇急性心筋梗塞患者の生存率を向上させ、非ST上昇心筋梗塞患者の長期生存を改善して早期および晩期の心イベントを低減することが示されている。一方、安定虚血性心疾患患者では、PCIは狭心症を軽減し、心筋虚血の領域を減少させるが、生存の改善を示した臨床試験はないという。NEJM誌2015年11月12日号掲載の報告。

COPD治療の新薬スピオルト レスピマット12月に発売

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃、以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)は2015年11月26日、慢性閉塞性肺疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤および長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)の効能・効果で薬価基準に収載されたスピオルト レスピマット28吸入(一般名:チオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩製剤)(以下、スピオルト)を、12月3日に発売すると発表した。

新規抗血栓システムREG1、開発中止に/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行時の新規抗血栓システムとして開発中のREG1は、重篤なアレルギー反応と関連することが明らかとなり、試験が早期に中止となったことが報告された。米国・クリーブランドクリニック研究センターのA Michael Lincof氏らがbivalirudinに対する優越性を検討していた。なお、試験の早期中止により統計的検出力に限りがあるものの、REG1がbivalirudinと比較して虚血性イベントや出血を抑制するとのエビデンスは示されなかったという。Lancet誌オンライン版2015年11月4日号掲載の報告。

第Xa因子阻害薬の中和薬、抗凝固活性の抑制効果を確認/NEJM

 第Xa因子阻害薬の抗凝固作用に対する中和薬として開発が進められているandexanet alfaについて、カナダ・マックマスター大学のDeborah M. Siegal氏らによる健常高齢者ボランティアを対象に行った臨床試験の結果が報告された。アピキサバン、リバーロキサバンのいずれの抗凝固薬に対しても数分以内で中和作用を示し、臨床的毒性作用は認められなかったという。第Xa因子阻害薬治療では出血の合併症が伴うことから、中和薬の開発が期待されている。NEJM誌オンライン版2015年11月11日号掲載の報告。

緊急時の心臓マッサージ、持続的 vs.断続的で転帰は?/NEJM

 院外心肺停止の成人に対し救急医療スタッフが心肺蘇生(CPR)を行う際、持続的胸部圧迫を行っても、断続的胸部圧迫を行った場合に比べて退院時の生存率や神経学的機能が良好である確率は増大しないことが示された。米国・ワシントン大学のGraham Nichol氏らが、救急医療(EMS)事業者を対象に行った無作為化試験で明らかにした。院外CPR時の断続的に行う徒手的心臓マッサージは、血流量および生存を低減する可能性があることから、研究グループは、胸部圧迫と陽圧換気を連続的に行ったCPRと、胸部圧迫を30回行い換気を2回行う間欠的なCPRの場合とでアウトカムが異なるかを調べた。NEJM誌オンライン版2015年11月9日号掲載の報告。