皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:58

帯状疱疹の急性痛、慢性疼痛の有無と関連

 慢性疼痛の存在が重度の術後痛と関連していることを踏まえ、ドイツにあるゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンのJoachim Erlenwein氏らは、慢性疼痛の非外科的急性期痛への影響を、急性帯状疱疹患者において前向きに調査した。その結果、慢性疼痛を有する患者では、帯状疱疹関連急性痛がより強く、疼痛に関連した機能障害もみられ、より長期の入院を要するなど、術後急性痛と同様の所見が確認されたという。Pain Medicine誌オンライン版2016年3月5日号の掲載報告。

アトピーが食物アレルギーの要因にも?

 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは、因果関係が示唆されているものの完全には明らかになっていない。このことが予防と治療に重大な影響を及ぼしている。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのTeresa Tsakok氏らは、システマティックレビューの結果、アトピー性皮膚炎、食物感作および食物アレルギーとの間には強くかつ用量依存的な関連があることを確認したという。

高校スポーツ界の皮膚感染症、初の全国疫学調査

 米国では高校のスポーツ選手、とくにレスリング選手において以前から、皮膚感染症が大きな問題であったが、これまで全国的に高校のスポーツ選手における皮膚感染症についての疫学を調査した報告はない。米国・ミシガン州立大学のKurt A. Ashack氏らは、便宜的標本を用いて解析し、皮膚感染症は高校のスポーツ関連有害事象の1つとして重要であることを明示した。

「シンバイオティクス」がアトピー性皮膚炎治療に有望

 アトピー性皮膚炎は、アレルギー疾患に罹患しやすい免疫環境を助長する腸内細菌叢の変化と関連している可能性があることから、アトピー性皮膚炎の予防と治療に、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたシンバイオティクスが用いられるようになってきた。台湾・国立陽明大学のYung-Sen Chang氏らによるメタ解析の結果、シンバイオティクスは、とくに混合細菌を用いた場合と1歳以上の小児に用いた場合に、治療効果が認められることを報告した。ただし、アトピー性皮膚炎の1次予防効果に関しては、さらなる研究が必要だとまとめている。JAMA Pediatrics誌オンライン版2016年1月25日号の掲載報告。