皮膚有棘細胞がん(皮膚扁平上皮がん、以下cSCC)の職種間の相対危険度の差は社会経済的要因に関連し、職業性曝露にある程度関連する可能性があることが、ノルウェー・National Institute of Occupational HealthのJose Hernan Alfonso氏らによるフィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンでの45年間の追跡調査で明らかになった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年6月1日号に掲載。
北欧諸国におけるcSCCの年齢調整罹患率は過去60年間で増加しており、職種間のcSCCの相対リスクの違いの同定は、予防的な意味合いを持つ可能性がある。
この研究は、1961~2005年の1,290万人の国勢調査データとがん登録データを結合した記録に基づいた歴史的前向きコホート研究である。各国の国民全体のcSCC罹患率を基準として用い、53職種におけるcSCCの標準化罹患比を推定した。
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中、8万7,619例のcSCC発症が国のがん登録に報告された。
・参加したすべての国で、船員、軍人、保安職業従事者、技術者、教師、輸送関連労働者、医師、歯科医師、看護師、その他の医療従事者、宗教関連労働者、事務従事者、管理者、販売代理人において、標準化罹患比の有意な増加が認められた(1.08~1.77)。
(ケアネット 金沢 浩子)